全国町村会

過疎の村で織り姫継承 福島の工芸、18人定着

福島県昭和村

人口約1,600人と過疎が進む福島県昭和村で、特産工芸「からむし織」を伝える“織り姫”が増えつつある。15年前から村が始めた育成事業で村外出身の女性18人が村にとどまり、今年も20〜40代の4人が実習に参加。七夕の7日も伝統の糸づくりに励んでいる。

「きれいな糸にするにはかなりの修業が必要と思います」。村の施設で、千葉市出身の前川今日子(まえかわ・きょうこ)さん(27)が帯を織る糸をつくっていた。5月から11カ月間、ほかの3人と共同生活をしながら指導を受けている。

村では約600年前から、日本最古の織物原料である多年草カラムシを栽培。国内でほかに栽培するのは沖縄県の宮古島、石垣島などにとどまる。繊維は新潟県の越後上布などに使われたが、生産量はピークだった19世紀末の20分の1程度に減っている。

村は1994年、後継者育成として織り姫の募集を始め、これまで村外出身82人(うち男性1人)をはじめ84人が参加。実習終了後もとどまった女性18人のうち、8人が結婚した。「こんなに地元に残るとは。カラムシの糸が結んだのかな」と村の担当者。

1期生でさいたま市出身の舟木容子(ふなき・ようこ)さん(35)は村の男性と結婚し、子ども4人を育てながら村の施設で伝承に努める。「毎回同じ作業をしても同じ糸ができない奥深さにひかれる。村民が守ってきたものを大切にしたい」と舟木さん。

指導役の斎藤(さいとう)トキイさん(60)は熱心な織り姫に触発され、からむし織で小物づくりも始めた。「熱意がうれしい。わたしたちが勉強させてもらっている」

ただ、村に女性が働ける場所は少なく、去った人も多い。残った人も学校補助員などで生計を立てているのが実情だ。

村の博物館の学芸補助員になった平田尚子(ひらた・なおこ)さん(27)は「経済的に厳しいが、野菜をもらうなど村民に助けられている。カラムシの周辺に息づく生活も紹介したい」と力を込めた。

からむし織  苧麻(ちょま)とも呼ばれるイラクサ科の多年草カラムシを使った織物。強い繊維で絹のような光沢があり、通気性にも富むため夏の衣料として適している。カラムシは戦前は各地で栽培されていたが、化学繊維の普及で激減。福島県昭和村では葬祭用のかみしもなどが織られていた。

(2009/07/07 共同通信)

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