全国町村会
 

楽しい集いを元気の源に


福島県葛尾村

2896号(2014年10月20日)

2014年9月18日、60歳以上の村民が集う「寿学級」によるパークゴルフ体験。ふたつのコースに分かれた参加者は、互いに応援し合いながら各ホールを回ります。秋晴れのもと、 楽しいスポーツ体験に、あちこちで元気な笑い声と笑顔があふれていました。

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外出のきっかけづくり

東日本大震災から3日後、震災が引き起こした福島第一原子力発電所の事故で、葛尾村の全村避難は免れられない現実となってしまいました。その苦渋の決断は、 村独自の考えによるものでした。しかし、個々の諸事情もあり、全村民の避難が完了したのは、震災からおよそ3カ月後。ちょうどその頃からお盆の時期にかけて、 仮設住宅への入居も始まりました。 自宅に比べると住空間も狭く、家族全員の同居もままならない状況。それまでご近所づきあいしていた友人たちとも離れ、長年築いてきたコミュニティも維持できなくなってしまいました。 慣れない仮設住宅での生活は、多くの村民を内向的にしていくように感じた役場は、震災前に開講していた各種生涯学習講座の必要性を痛感。震災で中断した活動を再開することで、 窮屈な仮設住宅から外へ出かけるきっかけを作ろうと考えたのです。

パークゴルフに興じる寿学級のみなさん

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集いの場を

村は、生涯学習事業についてそれまでも積極的に取り組んでいました。震災から半年後の9月には、「寿学級」「わんぱく教室」「婦人学級」の再開できる態勢が整い、 避難先に郵送している村の広報紙に折り込みチラシを同封したり、仮設団地集会所への貼り紙などで募集をかけました。「わんぱく教室」は、 3年生以上の小学生だけだった募集対象を1年生まで下げて枠を広げ、見聞を広めると同時に、異学年交流の場を提供。また、「婦人学級」は、「女性学級」と名称を改め、 成人女性であればどなたでも参加できることをアピールし、若い世代にも興味を持ってもらえそうな手芸や料理の講座、美術館訪問など、内容を刷新しました。 集まった「教室生」は、以前より減ってしまいましたが、参加者の生き生きとした笑顔を見るたび、生涯学習講座が長引く避難生活の心のよりどころとなっていることを実感しています。

女性学級では「飯坂明治大正ガラス美術館」の和ガラスを堪能

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笑顔のために

「今日は楽しかったよ」と、参加者の方から直接声をかけていただくことがあります。何にも勝る嬉しい瞬間です。避難生活が終わり、自宅へ戻れる日まで仮設住宅で生活する、 と心に決めている村民も少なくありません。村は、これからも多くの方々が参加したいと感じ、心から楽しんでいただけるような講座の開催を活発に進めていきたいと考えています。

初めてのカヌーにドキドキのわんぱく教室の子どもたち

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