全国町村会

金太郎のように優しく、力強いまちに

豊門公園のもみじ

 

静岡県小山町

3028号(2018年1月29日)  小山町長 込山 正秀

小山町の概要

小山町は、静岡県の北東端に位置し、東を神奈川県、北を山梨県に接する県境の町です。  

西端は、世界文化遺産である富士山の山頂に達し、富士山を頂点とした富士外輪状の三国山系と、北東方は丹沢山地に、南東方は箱根外輪山と足柄山嶺に囲まれています。地形は東西に長く延びており、面積は135.74平方キロメートルです。

現在、人口は約1万9千人弱です。平成27年国勢調査では人口は1万9千497人で、平成22年国勢調査時より1千132人減少しています。

気候は、気温の年較差が大きく湿度の高い地形で、冬は比較的寒さが厳しくなりますが、盛夏の朝晩の気温は低いため、しのぎやすいと言えます。

小山町の地は、平安時代後半から戦国時代初期にかけて、御殿場市の鮎沢辺りを中心とする伊勢神宮の荘園、大沼鮎沢御厨の一部であったと言われています。中世には、竹之下の合戦が行われ、足柄峠や籠坂峠は、交通の要衝であったという記録も残っています。

江戸時代には町域のほとんどが小田原藩領でしたが、宝永4年(1707年)の富士山の噴火により全村幕府領となりました。その後15か村は小田原藩領に戻りました。  

明治になり、幾度かの変遷を経て、明治22年、町村制の施行により六合村、菅沼村、足柄村、北郷村、須走村の5か村に統合されました。

大正元年(1912年)8月1日に、六合村と菅沼村が合併して町制を敷き、小山町となりました。その後、足柄村、北郷村、須走村がそれぞれ小山町に合併し、現在の小山町が誕生しました。平成24年8月1日には、町制施行100周年を迎え、今年度は105周年の節目の年となります。

昔話などでおなじみの坂田公時こと「金太郎」は、小山町の足柄山で生まれ育ったと言われています。町内には、金太郎にまつわるさまざまな伝説、史跡が残されています。力持ちで心優しい金太郎は、町民が誇りにしている“おやまの英雄”です。

富士山頂に立った小山町の英雄「金太郎」

     

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おやまに企業を誘致「内陸のフロンティア」を拓く取組

静岡県は巨大地震に備え、事前復興の視点を取り入れた「内陸のフロンティア」を拓く取組により、地域産業の活性化や自然と調和した新しいライフスタイルの実現などを目指しています。県は、取り組みの県内全域への拡大に向け、市町の取り組みや事業の具体化を強化する「内陸フロンティア推進区域」制度を平成26年に創設し、これまでに県内78区域を指定しました。小山町は現在8つの「推進区域」の指定を受け、それぞれの区域で事業を展開しています。  

湯船原地区では、平成32年度に開通を予定している新東名高速道路に設置予定の(仮称)小山PAスマートインターチェンジまで3qという立地条件を生かし、雇用を創出するために、静岡県企業局が31.4haの「富士山麓フロンティアパーク小山」の造成工事を行い、平成29年9月に第1号分譲となる土地売買契約をシンコー技研(株)と締結しました。

富士山を借景にした森に佇む工業団地「富士山麓フロンティアパーク小山」

一方、隣接する「新産業集積エリア」は、小山町が主体となり、約37haの工業団地造成を行っています。

JR駿河小山駅に隣接する工業用地には、富士紡績工場跡地に丸善食品工業グループの「信濃高原食品兜x士小山工場」が平成28年4月に竣工、主にペットボトル飲料の製造が行われています。

小山町は、静岡県と連携して、首都圏からのアクセスの優位性や豊かな自然環境をアピールしながら、雇用の創出につながる工業団地の整備と企業誘致を進めています。

高速道路のスマートインターチェンジは、富士スピードウェイに隣接する前述の(仮称)小山PAのほか、平成30年度末に東名足柄SAにも設置されます。都心から車で約1時間という立地を生かし、インター隣接地には民間事業者による大型観光複合施設が計画されています。  

また、湯船原地区の農用地造成区域「アグリインダストリーエリア」では、平成28年6月に(株)サンファーム富士小山「富士小山次世代施設園芸事業」により、約7haの敷地に施設園芸団地が整備され、高糖度トマト「アメーラ」が生産されています。さらに、平成29年9月には2つの農業法人と基本協定を締結しました。数年後には、国内最大規模の施設園芸拠点が誕生します。

施設園芸団地で栽培されている高糖度トマト

町域の67%を山林が占める小山町では、豪雨による山地災害の発生抑制と被害軽減対策が喫緊の課題です。安全・安心な環境で町民が暮らし続けられるよう、官民一体となって山林管理の適正化を進める対策を進めていて、昨年度の強靱化大賞では金賞を受賞しました。町内には高性能設備が整った資材所や原木流通センターが立地したほか、町内の未利用間伐材などを原料にした木質ペレット工場もあり、施設園芸の暖房の燃料として使用されています。

平成29年度は木質ペレットを燃料にした「木質バイオマス発電所」を町が整備するなど、林業の川下の拡大を図り、地域循環型林業の構築を推進します。

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おやまで暮らそう!定住・移住促進

平成26年に日本創成会議によって「消滅可能性都市」として公表された小山町では、そこからの脱却を目指し、本格的な人口減少対策に取り組むため、平成27年4月「おやまで暮らそう課」を新設しました。おやまで暮らそう課は、移住・定住・婚活支援施策を一括して担当しています。  

先述の「内陸のフロンティア」を拓く取り組みによる施策を推進していく上で、工業団地の整備などにより、働く人が近くに住める住宅用地の確保が必要となります。そのため、南藤曲地区に16区画の住宅団地「クルドサック16」を整備・分譲しました。現在では、子育て世帯が多く住み、自然と触れ合い、地域とのつながりを育んでいます。さらに、用沢地区に19区画の「ヒルズ・YOUSAWA」を整備し、若者世帯支援・県外者支援区画を特別価格で分譲しました。

おやまで暮らそう!住宅団地「クルドサック16」を整備

また、新東名高速道路(仮称)小山PAのスマートインターチェンジ設置による利便性の向上や自然環境を生かした住宅用地を確保するため、近隣となる用沢地区に2haの優良田園住宅36区画を整備し、平成30年3月の販売開始を予定しています。

「売りたい・貸したい不動産バンク」では、町内にある空き家の他に売地、賃貸物件なども掲載して、不動産バンクを活用してもらい、空き家対策に努め、町内空き家ゼロを目指しています。

この他にも町内へ転入、定住する人に対して、居住用の土地・住宅の購入、住宅の賃貸などについて定住促進事業助成金を、また、町内に居住するために住宅を取得した人に、金融機関から借り入れた住宅資金の利子補給などの支援を行っています。

また、おやまで暮らそう課は、全国規模の移住関連のイベントにも積極的に参加しています。  

小山町に関心を持ってもらうために、魅力ある事業を用意して、来場者に紹介しています。例えば、物件から観光まで1日1組限定で、職員が小山町をくまなく案内したり、流出の多い20代から30代の子育て世代を増やそうと、無料で職業を紹介する事業「ボンジュールトラバーユ」を立ち上げたりしました。婚活支援事業の「おやま♥出逢い大社」では、イベントを実施してカップル成立を応援し、成婚後は、結婚新生活支援補助金、出産祝金などの支援を行っています。

「おやま♥出逢い大社」の婚活支援事業

また、町内の子育て世帯への支援として、子育て中の主婦を対象に、ランチ交流会やスキルアップ講座を実施、小山町の豊かな自然を活用し、金太郎のような元気な子どもを育てようと、野外活動を楽しむ「金太郎ファミリープロジェクト」などに取り組んでいます。

ママたち大集合「トーク&ランチ交流会」

小山町のこれらの取り組みを全国に向けて発信するために、小山町の“明日を”明るくの意味を込めて名付けた、定住・移住情報サイト「ASUO(あすお)」で紹介しています。ぜひご覧ください。

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おやまのこれから 人が集まり、住み、交流するまち

緑豊かな自然環境に恵まれた小山町。平成32年度には、東京2020オリンピック・パラリンピックが開催されます。  

この年を目標に「内陸フロンティア推進区域」にてさまざまな事業を推進していくことで、産業振興や雇用の創出を図り、定住人口が拡大し、地域が活性化していくことを目指します。

小山町では、さらなる地域の活性化のために、町民と町がお互いに地域の課題や目標などを共有して取り組む、参加と協働によるまちづくりを推進しています。そのための具体的な取り組みとして、5つの小学校区ごとに地域別計画「金太郎計画2020」を策定しました。この地域活動を支えるために、各地域に地域と行政との調整役を担う役場職員による地域担当職員を配置しています。

推進協議会は、それぞれの基本方針について、地域の魅力や特色を生かした地域コミュニティの活性化に寄与する活動を行っていて、その取り組みは、毎年度末に開催される「金太郎まちづくり発表大会」で紹介されています。

“富士山頂と金太郎生誕のまち”である小山町は、これからも、安全安心で、住んでいる人がいきいきと暮らせる「金太郎のように優しく、力強いまち」を目指します。

「金太郎計画2020」による地域のイベント

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