全国町村会

「住んでよし 訪れてよし」〜未来の琴平の町を、
もっと素敵に、楽しく、明るく、笑顔のあふれる町に〜

秋彩の金刀比羅宮裏参道

 

香川県琴平町

3018号(2017年10月23日)  琴平町長 小野 正人

琴平町の概況

琴平町はこんぴらさん(金刀比羅宮)の門前町として栄え、町内には歴史のある建築物が多く残っています。国指定重要文化財の旧金毘羅大芝居(金丸座)は、現存する最古の芝居小屋として今も活用されています。また、町北部は農業が盛んであり、特ににんにくは全国第2位の産地である香川県でも最大の産地であり、にんにくを使った様々な取組により活性化を図っています。  

〇あらまし
琴平町の西端にある象頭山(ぞうずさん)の中腹には海の守護神として信仰され、「こんぴらさん」と呼ばれて親しまれた金刀比羅宮が鎮座しています。特に江戸時代中期以降は庶民の間で金毘羅参りが盛んになり、全国から多くの参詣客を集めていました。参道には土産物屋などが並び、現在に至るまで四国有数の観光地として発展しています。

周辺町村と合併や編入を重ね、昭和33年に現在の町域となった本町ですが、平成の大合併時には単独での存続を選択しました。面積は約8.5平方キロメートルで、香川県内の市町では2番目に小さい町です。

〇地勢
琴平町は香川県の中央部からやや西よりに位置する内陸の町です。地形は南北に細長く、西に瀬戸内海国立公園、名勝、天然記念物に指定されている象頭山があり、町のほぼ中央を二級河川の金倉川が南北に流れています。  

〇交通
鉄道はJR土讃線と、高松琴平電気鉄道琴平線の2路線が通っています。また、かつて金毘羅参りの参詣客が訪れたことから、高松街道や丸亀街道、多度津街道、阿波街道、伊予・土佐街道など多くの旧街道が残っており、現在もそれらが国道319号や377号、県道として町内を通っています。

〇現況
町人口は平成2〜27年の間に27.3%(3,446人)減少しています。平成27年の年齢別人口割合をみると65歳以上の高齢者割合が38.79%と、全国(26.6%)や香川県(29.9%)と比べ高く、町内の3人に1人以上は高齢者となっています。

15歳以上人口の産業別就業者の割合は、1位が卸売・小売業、2位は製造業、3位は医療、福祉であり、香川県や全国と比べ製造業の割合が低く、宿泊業、飲食サービス業の割合が高くなっています。また、面積あたりの旅館・宿泊施設数は香川県内では本町が最多です。

以下、四国こんぴら歌舞伎大芝居とにんにくを使った特産品事業、現在の取組について紹介します。

「さぬきこんぴらさん」で有名な金刀比羅宮

                       

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四国こんぴら歌舞伎大芝居

「四国こんぴら歌舞伎大芝居」の公演が行われる「旧金毘羅大芝居」(国指定重要文化財)は現存する日本最古の芝居小屋です。江戸時代は全国各地から金毘羅参りの参詣客が訪れたことから、天保6(1835)年に常設の芝居小屋が建設されました。「金丸座」の愛称で親しまれたこの芝居小屋は、昭和45年に江戸末期の劇場建築を考える上で重要な建築物として評価され、「旧金毘羅大芝居」として国の重要文化財に指定されました。また、昭和47年から4年をかけて、現在の金刀比羅宮の麓に移築復元されました。

現存する日本最古の芝居小屋「金丸座」

    

移築復元後、昭和59年にテレビの対談番組にて、出演者の歌舞伎俳優から、江戸時代の仕掛けや舞台を残す同芝居小屋で歌舞伎を公演したいとの希望がありました。

これを受けて、官民一体となって歌舞伎公演実現の動きが進み、昭和60年6月に「第1回四国こんぴら歌舞伎大芝居」が開催されました。この様子はテレビや新聞などを通じて全国に発信され、大きな反響を呼びました。その後、金丸座での歌舞伎公演は「四国こんぴら歌舞伎大芝居」の名で毎年春の風物詩として定着し、平成29年で第33回を数えます。

公演の前日には歌舞伎俳優を乗せた人力車が町を練り歩く「お練り」が行われ、大勢の見物客が集まります。金丸座の定員は約720人で、毎回公演は、ほぼ満員となります。自然光のみで行われるため、夜の公演はなく、午前と午後に各1回の公演をしています。第1回公演は、3日間で計5回でしたが、平成29年には16日間で計32回の公演となり、入場者は20,000人を超えました。

大勢の見物客が集まる「お練り」

公演中は町職員だけでなく、ボランティアも活躍しています。舞台装置はすべて人力で動かすため、廻り舞台を動かしたり、セリを持ち上げたりなどの裏方作業は例年5〜10人の琴平町商工会の青年部が行っています。自然光を取り入れる窓の開閉もボランティアが行っています。

入場者の案内やプログラムの販売は、「お茶子」と呼ばれるかすり姿の女性ボランティアが行っています。県外からの参加希望者も多い人気のボランティアで、日本全国から参加されています。 

ボランティアによる「お茶子」

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にんにくを使った特産品事業

香川県は青森県に次ぐ全国2位のにんにくの産地であり、琴平町では昭和40年頃から盛んに栽培され、県内最大の産地となっています。この琴平町産にんにくを「こんぴらにんにく」として特産品化する動きが平成19年から始まり、香川県が主導するマッチング事業をきっかけとして、JAや町、町社会福祉協議会、加工業者などが協力し特産品化事業に取り組みました。  

最初に商品化されたのは、琴平町産の規格外にんにくを活用し、にんにく成分をオリーブオイルに滲み込ませた食用油です。商品化に際し、デザインやネーミングを隣市の高校のデザイン科に依頼しました。農家がにんにく生産に手間をかけ大切にしていることから、商品名を大切に育てている=箱入り「娘」をイメージして「ガァリック娘」と名付けました。ポスターやキャラクターの「ガァル」もその後、考案されました。

農家からにんにくの提供を受け、「特定非営利活動法人ねむ工房」がにんにくのスライスなどの加工を行い、ガーリックオイルとして商品化します。平成21年から社会福祉協議会が販売元となり、琴平町の観光協会が協力して食用油「ガァリック娘」の販売を開始しました。当初の販売予想は年間2,000本でしたが、実際にはその5倍の約10,000本が売れ、その後も同量程度の売上げが続いています。

琴平産のにんにくは多くが都市部に出荷されるため、地元での知名度は低く、「ガァリック娘」が販売されるまでは本町が県内最大の産地であることを知らない町民が多かったのですが、認知度が高まるにつれて、生産農家の栽培意欲も向上してきました。また、町内の飲食店などでは、「こんぴらにんにく」を使った餃子や「ガァリック娘」を使った骨付鳥やチーズケーキなど新たなメニューや商品が考案され、町を盛り上げています。

 

ガァリック娘(左)とガーリック侍         こんぴらにんにく

琴平町内の小・中学校では、平成21年度から地域を学習する教科として「まちづくり科」を新設し、このなかでにんにくを取り上げています。また食材として給食への導入も始まり、生徒の関心も高まっています。

町内の高校では、学生がにんにくを使ったレシピを考案しています。同校においては社会福祉協議会の主催で平成22年から「ガァリック娘」を使った料理コンテストを一般の部、高校生の部として年1回開催しています。  

「ガァリック娘」の販売が好調なことから、琴平町商工会でも「こんぴらにんにく」を使った醤油、味噌、ふりかけを「ガーリック侍」として商品化し、平成22年から販売を開始しました。その他、香川県内の食品製造業者も「こんぴらにんにく」を使用した餃子を製造販売しています。

「こんぴらにんにく」の商品化により、レシピ開発や料理コンテスト、小・中学校でのまちづくり学習など様々な取組へと広がっており、町民が地元を見直すきっかけにもなっています。

料理コンテストの様子

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現在の取組

本町の人口は、昭和30年の15,046人をピークに減少し続けています。一方、老年人口(65歳以上)は増加傾向にあり、平成2年以降は年少人口(0〜14歳)を上回っています。  

人口減少に伴い、地域における消費市場の規模が縮小し、人材不足、景気低迷を生み出すと共に、住民の経済力の低下をもたらし、高齢化の進展も相まって、地域社会の様々な基盤の維持が困難となりつつあります。

〇地方創生
このため、本町の特徴を踏まえ、地域特性を活かした本町独自の施策を展開するべく「琴平町まち・ひと・しごと創生総合戦略」を平成27年10月に策定しました。

策定以降、地方創生の交付金を活用し、交流人口の増加を図るため、観光基本計画の策定、インバウンド対策(外国語対応のPR動画、パンフレット、ホームページの作成)、景観計画の策定に取り組み、観光入込客数の増加を目指しています。

また、RESAS(地域経済分析システム)を活用し、「RESAS活用事例集」を内閣官房まち・ひと・しごと創生本部に提出し、その分析事例の一部が「RESASフォーラム2015」に紹介されました。  

この分析は、本町が「讃岐のこんぴらさん」の愛称で知られる金刀比羅宮を中心に発達した門前町であることから、同じ門前町として有名な三重県伊勢市(伊勢神宮)、島根県出雲市(出雲大社)との比較を行った点がポイントでした。その比較の中で、本町は「宿泊業、飲食サービス業」の労働生産性が伊勢市、出雲市に比べて高い水準でした。一方で、「食料品製造業」は、伊勢市、出雲市に比べて低い水準でした。

〇住民参加による自走型まちづくり団体
この分析から、特産品の販路開拓や新ブランドの開発を施策として戦略的に取り組むことが必要と考え、「特産品開発事業補助」を行い、商品開発に取り組みました。

また、新たな特産品の開発や、地域ブランディング等といった観光業に対するテコ入れを検討している中、「観光関係者と住民とのつながりがあまりなかった」、「そもそも観光業のあり方に対する「考え方」や「想い」の意見交換やすりあわせが無かった」という実情を踏まえ、まずは琴平町民をはじめ地元に関わる関係者一同の意識改革を行うことに着手し、「チーム縁の下」(住民参加による自走型まちづくり団体)の設立を経て、琴平の未来を考える会議「琴平コトコト会議」を開催しました。「まちのみんなのやりたい事、やってみたい事がやりやすくなること」を目指して現在も活動を続けています。

本町は、住民や訪れた方皆さまに満足いただけるまちづくりを推進し、「住んでよし 訪れてよし」な町を目指します。歴史と文化のまち、琴平町へ是非お越しください。

琴平コトコト会議

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