全国町村会

花としじみの里 大任町

町を縦断する桜街道

 

福岡県大任町

3002号(2017年6月5日)  大任町 産業経済課

大任町の概要

大任町は、福岡県の北部に位置する人口約5,300人の自然に囲まれた美しい町です。  

町の中央を南北に遠賀川水系の彦山川が貫流し、周囲は丘陵地域となっています。かつては、良質な石炭の産地である筑豊炭田に属し、主要産業であった石炭産業により発展を遂げ、日本の近代化に貢献してきました。

現在は、豊かな自然を活かして、町を挙げて「花いっぱい運動」を推進し、町を縦貫する「さくら街道」や「花公園」を整備し、四季に応じて色とりどりの花々が訪れる方たちの目を楽しませています。さらに、平成22年10月にオープンした道の駅「おおとう桜街道」には年間約120万人が訪れ、商工・観光の中心としてのみならず、情報・文化の発信基地として町の賑わいに大きく貢献しています。

また、本町では「1個のしじみが、1日コップ一杯の水を浄化する」というしじみの浄化作用に着目し、彦山川の自然環境を守るために「大任町しじみ育成保護条例」を制定し、しじみの育成・保護に努めてまいりました。毎年10月にはしじみ祭りを開催。昭和62年から続くこの祭りは、今では彦山川の恒例行事として定着しています。近年では大任町の代名詞となったしじみを「おおとうブランド」とすることを目的として、しじみ養殖にも取り組んでいます。            

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西日本最大級の道の駅「おおとう桜街道」

主要産業であった炭鉱の閉山後、大任町にはこれまでこれといった観光施設等は無く、旅行者から見れば、魅力の少ないただの通過点の小さな町に過ぎませんでした。  

このような状況の中、大任町では、これまで進めてきた「花いっぱいのまちづくり」をさらに推進するため、平成17年度から町を縦断する主要道路である大任中央線の沿線約6qの区間に桜・紅葉・芝桜を植栽、「さくら街道」と名づけ、花いっぱいの町のシンボルとするとともに、大任町を通る交通量の増加を図りました。続く平成22年10月には、この「さくら街道」に隣接する町の中心地に、新鮮な地元の特産物が並ぶ直売所やフードコート、究極の癒しを追求した1億円トイレのある「もみじ館」と、大浴場を始め、広大な露天風呂や薬石浴など豊富な施設が揃う「天然温泉さくら館」、電動遊具を備えた「親子ふれあい広場」などの施設で構成された西日本最大級の道の駅「おおとう桜街道」をオープンさせました。

「天然温泉さくら館」露天風呂

親子ふれあい広場

この道の駅「おおとう桜街道」は、これまで年間120万人を超える来場者を迎え、今では大任町を代表する人気観光スポットとなっています。

また、「さくら街道」と「道の駅」周辺では、毎年春のおおとうマラソンや夏祭り、冬のイルミネーションなど四季を通じて様々なイベントを開催しており、観光のみならず、情報や文化の発信基地としての役割も果たしています。

さらには、平成27年にドッグランが新たに併設されたことにより、来場者が楽しめるレジャーの幅も広がり、ますます観光交流人口が増加しています。

おおとうマラソンポスター

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個性溢れる「おおとうブランド」

大任町では、「大任町といえばコレ!」といわれる特産品の開発と特産品フードビジネスの立ち上げを目的として、平成24年4月に特産品開発室(平成25年4月より特産品開発課)を設置し、新たな農作物や商品の開発に町をあげて取り組んでいます。  

取組の第一弾として、平成24年にマンゴーやライチなどの南国果実を栽培する「おおとう観光農園」を開設、平成26年に糖度18度を誇る完熟マンゴー「桜マンゴー」の開発に成功しました。道の駅で行われた初競りでは1個10万円の高値がつき、現在では、福岡市内の大手ホテルからも注文が入るなど広く注目を集めています。また、近隣自治体とのコラボ商品の開発も行っており、これからの「おおとうブランド」の代表格として、ますます期待が高まっています。

続いて第二弾として、現在、大任町の代名詞となっている「しじみ」を「おおとうブランド」として定着させ市場流通を図るため、しじみ養殖場を建設し、おおとう産しじみの養殖に着手しました。このしじみ養殖については、全国的にこれまであまり取り組み事例がなく、難しいものとなりましたが、日々、失敗と成功を繰り返しながらも、しじみは少しずつ生育を重ねており、「おおとう産しじみ」の商品化も近いものとなっています。

第三弾は地元田川産の大豆(フクユタカ)を活用し、新たなフードビジネスを立ち上げるため、平成26年3月に「大任町納豆加工センター」を建設、平成27年9月には国産材料にこだわった「おおとう桜街道とうふ」と「おおとう大ちゃん納豆」を開発し、試験販売を実施しました。

この2つの商品は現在、道の駅おおとう桜街道を始め、近隣の直売所等で販売していますが、消費者からの評判も良く、特に、タレにしじみエキスを使用している「おおとう大ちゃん納豆」は、納豆が苦手な方からも食べやすくて美味しいと好評を得ています。これからの課題はさらなる生産量の増加と販路の拡大です。

また、これまで泣jンニク食品により、20年以上にわたり門外不出の技術を守り生産・販売されてきた、町を代表する特産品である健康補助食品「ニンニク球」が後継者不足などで存続が困難な状況となったため、国の地方創生加速化交付金等を活用し、平成28年5月に大任町と田川農業協同組合(JAたがわ)との共同出資による新会社「鰍ィおとうニンニク食品」を設立しました。今回の事業では、「ニンニク球」の生産・販路拡大のみならず、にんにくを活用した新たな特産品の開発を始めとして、地域内の休耕田などの農地を有効活用し、にんにくの産地化を図るとともに、就農者の増加と休耕田の解消を目指していきます。

豆腐・しじみ・納豆ポスター

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未来に向けての子育て支援

進行する過疎化と若者の流出をくい止めるため、大任町では若い子育て世代のための環境づくりを進めています。まず町外の子育て世帯の流入を促す住環境の整備として、平成28年度より町営の子育て支援住宅の建設に着手しています。  

あわせて安心して子どもを産み育てることができる環境を整備するために、医療支援の中学生までの拡充を実施するとともに、近隣大学と連携・協力し、無料の公的塾「おおとう未来塾」を運営するなど子どもの基礎学力の底上げを図っています。

また、教育の機会均等の観点から大任町給付型奨学金制度を導入し、子どもたちが安心して就学することのできる環境づくりを行っています。

おおとう未来塾風景

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“ヤバイ”ぜ!おおとう町

大任町では近年様々な事業を展開し、メディアに取り上げられる機会も増え、福岡県内外からの注目度も高まりつつあります。しかしながら、まだまだ知名度は低く、県内に住んでいても「大任町」の読み方が分からない人や町の位置を知らない人が多い状況です。  

現在、深刻な過疎化に悩まされている大任町にとって、町の知名度を向上させ、町の様々な取組を県内外の人々にPRすることは、まちづくりを推進するうえで、他の自治体と同様に喫緊の課題と捉えて取り組むことにしました。

そこで、「どのようにPRをすれば最も効果的なのか?」ということを皆で議論した結果、「ホームページやSNSなどの情報ツールを充実させては?」という意見もありましたが、「まずは誰でも手軽に手に取ることができる観光パンフレットを新たに作成しよう」という結論に至り、さらに他の自治体が作らないような斬新なデザインのものを作ることによって、その観光パンフレット自体を話題性のある観光ツールの一つとして活用できないかと考えました。

作成にかかった期間はほぼ一年。パンフレットのテーマは全国の方に大任町を知ってもらうために、「とにかく斬新でインパクトのあるデザインとすること」「町の『変化』と『パワー』をイメージしたものにすること」「背伸びすることなく、等身大のものを作成すること」の3つに絞って、プロポーザル方式による業者選定を行い、幾度も議論を交わしながら、大任町観光パンフレット「“ヤバイ”ぜ!おおとう町」の完成に至りました。

“ヤバイ”ぜ!おおとう町ポスター

作成にあたって、デザインが斬新なため自治体の観光パンフレットとしては相応しくないのではないか、特にタイトルで使用している「ヤバイ」という言葉は行政刊行の冊子としては相応しくないのではないかとの意見もありましたが、あくまで大任町を知ってもらうためには「行政がこんなパンフレットをつくるのか」と言われるような斬新なデザインが必要であり、町の「変化」をイメージするため、現在は若者の間で良い意味で使われるようになった「ヤバイ」という言葉がタイトルとして最適であるとして最終的なデザインを決定しました。

作成段階で苦労した点は、作り手の自己満足にならないように斬新すぎるひとつひとつのデザインを取りまとめ、見る側の人の事を考え、観光パンフレットとしての役割を損なわせないようにすることで、最初から構成を見直すことも何度かありました。

このような苦労の甲斐もあり、平成29年2月24日、(一財)地域活性化センター主催の第4回ふるさとパンフレット大賞では優秀賞を受賞したこともあり、現在では各地よりパンフレットに関する問い合わせも増加し、大任町の観光ツールの一つとして活躍しています。

第4回ふるさとパンフレット大賞で優秀賞を受賞

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