全国町村会

「森といで湯と田園文化の里」づくり

緑あふれる豊かな自然が魅力の鏡野町

 

岡山県鏡野町

2996号(2017年4月10日)  鏡野町長 山崎 親男

鏡野町の概要

平成17年3月1日に鏡野町・奥津町・上齋原村・富村が合併して誕生した「鏡野町」は岡山県の最北部にあり、北は鳥取県に、南東は津山市、西は真庭市に接し、山陽地方と山陰地方、また、関西圏と広島県の中間で、古くから交通の要衝となっています。  

総面積は419.69㎢で岡山県内の町では最大の面積を有しており、そのうち87.3%を森林が占めています。町には豊かな森林を源とする大小の河川が多くあります。なかでも県の三大河川の一つで町の中央部を流れる吉井川は、天然記念物の「甌穴(おうけつ)」で有名な奥津渓など、風光明媚な渓谷を作り、苫田ダムの建設により誕生した「奥津湖」を経て県南へと流れて飲料水、農業用水等に利用されるなど、県の重要な水源となっています。

農地は南部を中心に約1,300haあり、圃場整備のなされた水田では、主に水稲、ナス、トマト、ブドウなどが栽培されています。また、北部ではリンドウやアルストロメリアなどの花卉類も栽培されています。

町内には、県内最大のスキー場や多くの温泉、キャンプ場など多種多様な観光施設があり、多くの観光客に利用されています。

また、我が国で初めてウランの露頭が発見された人形峠もあり、ここで採掘されたウランを利用した、我が国唯一のウランガラスを製品化する「妖精の森ガラス美術館」が上齋原地域にあります。

ウランガラスは紫外線があたると黄緑色に発光するため、訪れた人々はその光の美しさに魅了されています。

このように、観光にも力を入れ、多くの交流人口を創出し、地方創生につなげていくことを目指しています。

なお、本町では、平成27年度に第2次総合計画を策定しました。第1次計画から引き続き「交流・連携する里」「安心・安全な里」「子どものきらめく夢・未来を実現する里」の3つを基本理念に、快適で潤いのある生活空間や安心とゆとりを備えた住みやすさ、そして本町の地域らしさを創造し、ときが心地よく流れ、住民一人ひとりがいきいきと輝きながら暮らせる里づくりを進めることとしています。

神秘的な蛍光を放つウランガラス

     

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健康をキーワードにまちづくり

本町では、行政評価を活用し、経営方針により、「最重点施策」「重点施策」などを毎年度設定してまちづくりに取り組むこととしています。  

その中で、「健康づくりの推進」については、国保被保険者1人当たりの医療費が県内で上位にあることから、平成25年度から最重点施策とし、町民の健康づくりに関する基本理念を定めた「鏡野町健康づくり条例」を制定して各種施策を実施しています。

具体的には、特定健診の受診率向上、町で考案した健康づくり体操の普及、個人ごとに目標を決めて取り組んでいただく「健康チャレンジ90事業」、65歳以上を対象とした肺炎球菌ワクチン接種の補助などを実施してきました。

医療費については、すぐに効果が出て減るものではありませんが、継続して実施し、町民の皆さんの意識改革を図っていくことが重要と考えています。

平成28年度においては、地方創生加速化交付金を活用した「健康の町“かがみの”スタイルによる地域活性化プロジェクト」として、健康の町をキーワードに着地型観光(開発)に取り組んでいます。温泉や山歩きトレッキング、野菜の収穫などを体験していただき、「かがみのファン」を増やし、リピーターとなって再度「かがみの」を訪れていただく。町民にも健康への意識を高めていただく。これらによって地域の活性化も図れるというものです。

「美人の湯」として有名な奥津温泉では足踏み洗濯の体験も

ノルディックウォークで健康増進を

平成29年度も引き続きこれらの事業を実施するとともに、鳥取県との県境を縦走するトレッキングコースの整備、予防接種・各種検診の費用助成の拡充などに取り組む予定です。

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地域との連携・協働の推進

本町では、活力ある地域づくりと「新たな支えあい助け合い」の担い手を多数創出して、町民と町の協働によるまちづくりを推進することを目的に「鏡野町未来・希望基金事業」を実施してきました。  

具体的には平成22年度から5年間、町民の主体的な地域活動を推進し、公共の領域をともに担い合う「新しい公共」の考え方のもとに、町民が自主・自発的に行う公益的なまちづくり活動に対して、経費の一部を支援するものです。

これは、1億円の基金を財源として、12の公民館単位に組織された「地域づくり協議会」へ対し、経費の一部を支援するもので、平成27年度からは第2期の事業が始まっています。

各地域での健康づくり事業、河川や道路の草刈りや清掃、高齢者の見守り事業など、地元の課題を洗い出し主体的に事業に取り組んでいただいています。

草刈りなど町民と町の協働によるまちづくりを推進

また、公の施設の管理運営においても、住民有志がNPO法人を立ち上げ、指定管理者となっているものもあり、今後も、地域や町民との連携・協働を進めていくこととしています。

なお、平成27年3月1日には、合併10周年を契機に、協働と助け合いのまちづくりを一層推進するため「鏡野町輝くまちづくり条例」を制定しています。

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地域特産物の開発

本町では、基幹産業である農林業の活性化のため、特産品の開発に取り組んでいます。なかでも平成16年に設立されたNPO法人「てっちりこ」は地元奥津地域で古くから栽培されていたトウガラシを「姫とうがらし」と名付けてドレッシングやしょうゆなどの商品開発に取り組み、食を切り口にした地域おこしに取り組んでいます。作業負担が少なく鳥獣被害に遭いにくい野菜であるため生産しやすく、6次産業化を通じて中山間地域でのビジネスの可能性を切り開くとともに、過疎・高齢化で衰退しつつある農業の活性化にも一役買っています。

しかし、栽培される方の高齢化による生産量の減少、新しい商品の開発や販路の拡大による売上高の確保が今後の課題となっています。

姫とうがらしを使った辛美人シリーズ

全国で問題になっている、鳥獣被害の対策のため捕獲したいのししや鹿のジビエの有効活用を図るため、住民有志が弁当の開発(やま弁)や地方創生の交付金も活用して缶詰の開発に取り組むなど各種商品化を図りました。

鹿肉の缶詰

少しずつ売り上げを増やしているところで、平成28年には「企業組合鏡野やま弁クラブ ののもん」を設立し、本格的に取り組んでいるところです。

また、上齋原地域では以前から、香りやぬめりの強い「原木なめこ」の栽培を行い、生や缶詰にして販売を行っていましたが、天候に左右されて収穫量が安定しないため、徐々に生産量が減少してきていました。このため町は、上齋原地区で「原木なめこ」の生産を拡大し、雇用や地域の活性化を図ることを目的に、地方創生加速化交付金を活用してなめこを生産する施設を整備し、新しい商品開発やマーケティングにも取り組んでいます。

素朴な逸品として人気の「原木なめこ」

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子育て支援

本町では、少子化対策、定住化の促進を図ることを目的に、子育て支援に積極的に取り組んできました。  

合併以前からのチャイルドシート購入助成、平成20年度からのおしめの購入助成、平成22年度からの中学生までの医療費の無料化などを近隣市町村に先駆け実施してきました。また、平成20年度には子育て支援センターを新築し、地域住民により結成されたNPO法人が指定管理者となり管理運営しています。

このように子育て支援対策に早くから取り組んでいたため、町民や近隣自治体の子育て中の方からは高い評価を得ているところです。

人口減少を食い止めるには、出生数の増加が必要ですが、子育て支援を継続して実施していくことが、少子化対策になるものと考えています。

親子で楽しめる子育て支援センター

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農林業の振興

農林業については、全国的に担い手不足で、農地や山林の荒廃が問題になっているところです。本町も例外ではありません。  

このような中で、農業の振興を図ることを目的に、平成27年度から3年間の事業として、大型農業機械等の購入に購入額の二分の一、最大500万円の補助を行っています。総額3億8千万円の事業規模となる見込みです。

林業については、通常の間伐促進や林道、作業道の整備を進めていますが、平成28年度に森林(もり)づくりについて基本理念を定め、町、森林組合、森林所有者、事業者及び町民等の責務又は役割を明らかにする、森林づくりに関する施策を総合的かつ計画的に推進することを目的に「鏡野町森林(もり)づくり条例」を制定。林業関係者と意見交換しながら、森林づくりに取り組むこととし、新たな施策を検討しています。

豊かな森林の保全を目指す

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