全国町村会
 

自然 かがやき 人 いきいき まちがにぎわう 美し美浜をめざして

若狭湾国定公園に属する三方五湖(みかたごこ)

 

福井県美浜町

2903号(2014年12月22日)  美浜町長 山口 治太郎

はじめに

美浜町は、福井県の南西部、いわゆる嶺南地域に位置し、人口10,154人(平成26年4月1日現在)、北は日本海に面し、南は山林が広がり、東は敦賀市、西は若狭町、 南は滋賀県高島市に隣接しています。 

町の総面積は152.32kuで、東西約19q、南北約27qと南北に長く、町土の約8割は山林で、町の中央部を流れる耳川流域に平野部が広がるとともに、 海・山・川・湖という変化に富んだ自然の景観に恵まれており、若狭湾やラムサール条約登録湿地「三方五湖」(美浜町には、久々子湖、日向湖がある)は若狭湾国定公園に指定されています。 

このため、基幹産業は豊かな自然を生かした農林水産業と観光産業であり、関西、中京方面を中心に近年は両方の連携による体験教育旅行等都市部との交流が活発です。  

また、昭和45年に関西電力美浜発電所一号機が運転を開始して以来、原子力発電所と共に歩んできた40年以上の歴史から、「原子力と共生する町」として、 エネルギー・環境問題で先進的な取り組みをおこなっています。    

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「美し美浜」とは・・・

美浜町では、平成18年度から「第四次美浜町総合振興計画」に基づいて、「自然かがやき 人いきいき 町がにぎわう美し美浜」を将来像とした積極的なまちづくりを進めています。 

町を取り巻く様々な社会情勢の中、美浜を主張する個性的で自立したまちづくりのためには、住民と行政が情報を共有しながら、 まちづくりについて学ぶ「共学」が重要であり、それぞれの役割や責任を分担し実行する「協働」が不可欠であると考えています。 

「美し美浜」には、美浜の自然がいつまでも美しく、食べ物が美味しく、そして何よりも「心」を美しく豊かに育んでいきたいという思いが込められています。  

この「美し美浜」こそが、全町民の願いであるとともに、成し遂げなければならない目標であると考えています。

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「美し美浜」づくり その1〜「へしこの町美浜」〜

「へしこ」は若狭地方に伝わる保存食で、美浜町は日本で唯一「へしこの町」を宣言しています。「へしこ」は魚のヌカ漬けで、 若狭地方の冬の保存食として伝えられてきました。 

古くから美味な鯖の好漁場で知られる若狭湾に面した美浜町は、とりわけ「鯖のへしこ」作りが盛んです。美浜のへしこは、鯖を漬け込むヌカと塩以外に醤油や酒、 みりんなど独自の調味料を使用するところが特徴で、お惣菜にも酒の肴にもなる「美浜の旨いもん」として全国にファンがいます。 

美浜町は地域が誇るこの伝統食を守り伝えるとともに、地域の活性化や観光PR、名物料理の研究・開発などに活用していくため、 平成17年に「へしこの町」を宣言し、商標登録をしました。現在、さまざまな団体や企業が秘伝の味のへしこを作っています。 その他にも「へしこラーメン」や「へしこパスタ」などの新メニューの開発や、町内の小学校でのへしこ作りの体験学習、観光体験プログラムにへしこ料理作りを取り入れるなど、 へしこを生かしたまちおこしに取り組んでいます。  

保存食として古くから若狭地方に伝わる町の特産品「へしこ」

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「美し美浜」づくり その2〜若狭美浜はあとふる体〜

農業や漁業等の町の産業者が生業や経験を生かし、美浜町の自然や産業、文化、食を体験できる体験教育を推進するため、平成16年に、 若狭美浜はあとふる体験推進協議会を発足させました。 

体験コーディネート業務は、NPO法人はあとふる美浜ネットワークが携わり、現在、農林漁業体験、味覚体験、自然・アウトドア体験、 工芸・歴史文化体験など75種類以上のプログラムが用意されています。 

例えば、「へしこの町」美浜ならではの「へしこ料理体験」、「ボートの町」美浜ならではの久々子湖での「ボート体験」、 若狭湾で大敷網の漁船に乗っての「漁業体験」や農家・漁家での民泊、森での間伐のプログラムなど美浜らしさが詰まっている内容となっています。 普通の観光旅行では体験できない美浜の魅力にふれることができることから、毎年、修学旅行に訪れ美浜町で3日間を過ごす学校もあり、 地元の人と交流しながら美浜町の自然・文化・歴史にふれる体験型ツーリズムとして定着してきています。  

大敷網漁船に乗って若狭湾で漁業体験

久々子湖でのボート体験

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「美し美浜」づくり その3〜海と湖を感じながらスポーツを楽しめる〜

潮風を受け、健脚を競う「美浜・五木ひろしマラソン」は、平成元年から開催されており、 美浜町出身で名誉町民でもある歌手の五木ひろしさんを招いて行われる一大スポーツイベントです。 

風光明媚な若狭湾国定公園の海岸線を走る日本陸連公認のマラソンコースはランナーの人気も高く、 町内はもちろん北は北海道から南は九州まで全国各地から市民ランナーたちが参加します。毎回、著名人のゲストランナーが参加し、大会を盛り上げるのもこの大会の特色です。 

スタートの号砲とともにコースに飛び出したランナーたちは、肌をなでる潮風を感じながら海岸線を快走し、心地よい汗を流します。  

五木ひろしマラソン

美浜町は「ボートの町」です。毎年秋に開催される「町民レガッタ」は、湖上で繰り広げられる熱い戦いです。 町民が三方五湖の自然とボート競技に親しむことを願って昭和63年にスタートした大会で、いまや恒例行事としてすっかり町に定着しています。 

平成18年からは町外の参加者のための「交流の部」が設けられ、本年も町内外から265クルーが、会場となる県立久々子湖ボートコースで熱戦を繰り広げました。 観客も大勢つめかけ、クルーたちに声援を送りながら、湖岸の秋を満喫します。 

尚、平成30年に開催される「福井しあわせ元気国体」の「ボート競技」「軟式野球競技」の会場ともなっており、特に今後は、 ボートコースや周辺の整備と併せ、「ボートの聖地美浜町」として全国に発信していきたいと考えています。 

町民レガッタは誰にでも気軽に湖やボートを楽しんでもらうことを目的に開催。

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「美し美浜」づくり その4〜生涯学習のまち 美浜町〜

美浜町は、平成16年に町制50周年を記念して「生涯学習のまち」を宣言しました。平成24年には生涯学習活動の拠点として整備した、 学びの「なび」と明日の「あす」私達のあす(us)から名付けた生涯学習センター「なびあす」を整備し、ここを拠点に、各種生涯学習講座、高齢者対象のはあとふる大学、 生涯学習まちづくり出前講座など学習機会も豊富で、若者から高齢者まで幅広い年齢の町民が、楽しく心豊かに学んでいます。

また、「なびあす」には幻のピアノと呼ばれるイタリアのファツィオリ社製F308を日本国内のホールで初めて導入しました。 世界最高水準で奥行きが3mを超える最大級のコンサートグランドピアノです。重厚な音量とクリアな音色を体感でき、大迫力のパワーと長くなった低音域の弦から生まれる倍音は、 全世界から称賛を得ています。 

このファツィオリ社製ピアノがご縁となり、世界的なピアノコンクールであるルービンシュタイン国際ピアノコンクールの入賞者を招いた、 ガラコンサートの招聘が決まりました。「なびあすにしかない価値」を全国に広く発信する機会ととらえております。  

世界最高水準ファツィオリ社のコンサートグランドピアノ

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「美し美浜」づくり その5〜だれもが健康で安心して暮らせるまちづくり「げんげん運動」「すまいる活動」〜

美浜町では、町民の健康づくりのため、町ぐるみで減塩・減量に取り組む「げんげん運動」、町民全体が認知症に対する理解を深め、 誰もが認知症になっても安心して暮らせるまちづくり「すまいる活動」を進めています。 

本年4月には、美浜町を舞台にした、さだまさし氏の小説『サクラサク』が映画化され、全国で一斉公開されました。都会に住む崩壊寸前の家族が、 認知症の症状が出始めた祖父の思い出の地を訪ねながら家族の絆を取り戻していく内容となっており、壊れたものを元に戻すのではなく、 より大きく強い『絆』で結ばれてこそ「本当の再生」になるという家族の絆(愛)を美浜町の自然と風景が織りなす映像美の中で見事に描き出されています。 

尚、この10月には映画のDVDも発売されましたので是非一度ご覧いただきたいと思います。  

町をあげての食生活からはじめる健康づくり げんげん運動

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「美し美浜」づくり その6〜先進のエネルギー環境教育〜

美浜町は「原子力と共生する町」として、エネルギー環境教育に町を上げて取り組んでいます。町内小中学校では、 児童・生徒のエネルギーや環境への関心と理解を深めるために、日本初となる小中一貫のエネルギー環境教育カリキュラムを策定し、 原子力関連施設の見学や電気・自然エネルギーに関する体験学習などを授業に取り入れながら、段階的・総合的な教育を進めています。 

この拠点として、平成27年度には、再編により廃校となる小学校の校舎を活用した「エネルギー環境教育体験施設」の整備を行います。 

エネルギー環境教育体験施設(完成予想図)

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「美し美浜」づくり その7〜今後に向けて〜

本年美浜町は、町制施行60周年を迎えました。少子高齢化による人口減少の問題等多くの自治体が抱えている問題に加え、 東日本大震災以降長引く原子力発電所の運転停止に伴う地元経済の疲弊問題等にも直面しているのも事実です。 

しかしながら、本年7月に舞鶴若狭自動車が全線開通し、本町へのアクセスの利便性が格段に向上しましたので、これを絶好の機会と捉え、 交流人口の拡大と定住促進を強く推し進めていきたいと考えています。 

砂粒が細かくきらめく白い砂が特長の水晶浜

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