全国町村会
 

道の駅発祥の駅をリニューアル
〜道の駅を通じた取り組み〜

道の駅阿武町「幸せのモニュメント」

 

山口県阿武町

2888号(2014年8月4日)  阿武町役場 経済課

町の概要

阿武町は、山口県北部の日本海側に面した、面積116.07ku、人口約3700人の町です。平成の大合併時に近隣の市町村と唯一合併しなかったことから、海岸以外の周囲は全て萩市に隣接し、 役場や道の駅がある奈古地区は、旧萩市の中心地から車で20分、また、島根県の益田市からは50分の位置にあります。 

町は大きく分けて、海岸部の奈古地区と宇田郷地区、山間部の準高冷地、福賀地区の3地区からなり、それぞれ地域の特性を生かした多種多様な農林水産物が生産されているほか、 和牛4品種のうち、もっとも希少な無角和種の郷でもあります。 

道の駅を含む海岸線一帯は、コバルトラインと称されるほどの景観美から、北長門国定公園の指定を受け、鳴き砂の浜「清ケ浜」や土木学会選奨の土木遺産「惣郷鉄橋」、 昭和5年に文人、横山健堂氏が刊行した現代のガイドブックとも言える長州遊覧記において、長州一美しいと賞賛された大小二つの島「鹿島」は町の観光ポイントになっています。また、 山間部の福賀地区には剣豪・佐々木小次郎の遺髪墓もあります。     

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経緯

道の駅阿武町は、道の駅制度が発足する以前の、平成3年及び4年の社会実験時から道の駅事業に参加。平成4年4月完成の特産品直売所、同じく7月完成の温泉、また、 平成5年4月完成の公衆トイレ及び食堂施設をもとに、平成5年4月22日、建設省(現国土交通省)より正式に第一回登録の道の駅の一つとして認定を受けました。

しかし、近年の道の駅阿武町は、建設から20数年が経過した中、類似施設の台頭や売り場面積の不足、一体感にかける施設配置や組織体制など、利用者のニーズに応えることが難しくなってきました。 

リニューアルした「道の駅阿武町」全景

平成3年に実施した道の駅実験を伝える新聞記事

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取組の内容

そこで町では、道の駅の施設及び運営見直しのため、平成20年度に町内外の関係者らで組織する「道の駅阿武町再生ビジョン・施設整備計画策定検討委員会」を発足。 同年度に計4回の検討委員会を開催し、同策定事業報告書を完成させました。 

平成21年度には同報告書を基に、主にソフト面、つまり運営組織について、より具体的な方向性を現場に近い方々で協議する実行委員会を2回開催した後、その協議内容を検討委員会に報告、 平成22年度から再生に向け具体的に動き出しました。 

○検討委員会で決定された事項  

一、運営組織の一本化
道の駅の運営を一本化するため、指定管理者制度を活用し、第3セクター方式による新会社を立ち上げる。 

二、キーパーソンの公募 
道の駅の健全な運営にかかせない優秀な人材(支配人)を全国公募により採用する。 

三、建物の改修 
建物については、建て増し及びリフォームで対応することとしていたが、試算の結果、新たに建て替えても、経費は同等ですむことが判明したこと、また、 平成23年に塩害や強風などにより温泉施設の一部が崩壊したため、早急な対策が必要となり、最終的には今時期の全面建て替えに至った。 

検討委員会の様子

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道の駅を目的地に

今回、道の駅のリニューアルにあたり、将来的なことも視野に入れながら全体計画を考える必要がありました。なぜなら、現在計画があがっている山陰自動車道が完成した際には、 道の駅阿武町の接続道路である国道191号が山陰の主要道路でなくなる可能性があるからです。そうなった場合、主要道路の通過点としての駅の利用者が激減する可能性が大きく、 運営が成り立たなくなるリスクがあります。そのため、単なる通過点にある駅ではなく、道の駅自体が目的地となる必要性があるとの判断で、その仕掛けとして考えたのが、魅力ある道の駅になることでした。 

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魅力ある道の駅に

〜地元産にこだわり〜

地元の農林水産物を販売する物販棟「あぶの旬館」では、地元産の新鮮な農林水産物にこだわったものを販売。また、レストランダイニング・カフェ846でも、地元産の食材のこだわったメニューを提供しています。 

直売所「あぶの旬館」

高級魚キジハタ

〜道の駅発祥の駅〜  

道の駅制度が始まったのは平成5年4月22日。しかし「道の駅阿武町」は、平成3年及び4年に行われた道の駅社会実験から参画しています。道の駅発祥の駅を掲げると同時に、 道の駅本来の目的に沿って、これからも誠実な運営を行っていきます。 

○地元産の木材を多様
建物は、2階建ての温泉棟を除き、美しさや温かさなど、木材構造物の良さを強調するため、構造はもちろん、内外装も地元産の木材を多用。建物の一体性を持たせるための回廊も、 杉の柱や梁、壁板を使用しました。 

各施設をつなぐ回廊も木造建築

○オーシャンビュー 
道の駅阿武町は、海に接するシーサイドステーションです。検討委員会メンバーからの提案もあり、道の駅の阿武町の財産ともいえる海の景観を生かすため、 道の駅全施設と海とを平行になるように角度を調整。結果的に、幸せのモニュメントはじめ、温泉、食堂、直売所、トイレから見える全ての海及び道の駅阿武町のシンボル「鹿島」が正面方向となり、 利用者の皆さんからも好評をいただいています。 

日本海を一望できる展望浴場

○日本海温泉・鹿島の湯 
新装した温泉「鹿島の湯」の浴場は2階に配置。道の駅の自慢である日本海の景色が一望できます。午前中は碧い海と青い空、午後からは逆光の太陽にきらきら輝く大海原、 夕方はオレンジ色に染まる空と海。漁り火の夜景など、季節や時間帯により様々な景色が楽しめます。一番のおすすめは、夏まつりの花火大会時の入浴です。 

○幸せのモニュメント(6頁写真) 
日本海に浮かぶ大小の島「鹿島」。古から仲良く並ぶ姿から夫婦島と呼ばれています。島には3種の神様が祀られており、パワースポットとして、道の駅海側にモニュメントを設置。 多くの皆さんにご利用いただいております。 

○RVパーク 
道の駅阿武町は「RVパーク」の認定を受けています。これは、リニューアルした道の駅阿武町が、新たに、電力供給機能機器(4器)を有したRV車こと、 キャンピングカー専用の駐車スペースを設置したことにより、最近、急激に増加している“くるま旅”を楽しむ方々で組織されたRV協会の会員らの皆さんに、温泉や食事機能とあわせ、 便利かつ安心して利用できる、道の駅であると認めていただいたものです。 

キャンピングカー用駐車場

○急速充電器 
電気自動車の普及及び利用者の皆さんの利便性を考慮し、電気自動車用の急速充電器を新たに設置しました。大型連休中には、予想以上の方にご利用いただきました。 

急速充電器

○温水プールと健康遊具 
道の駅には既存の施設として温水プールがあり、レジャー以外にも、健康増進、体力維持などを目的として多くの方に利用いただいています。また、リニューアルにあわせ、プールの横には、 シニア用の健康遊具も新たに設置をしました。 

温水プール                  健康遊具

〜その他道の駅の施設ほか概要〜 

○駐車場 
・普通車用134台 
・身障者用7台 
・大型車用5台 
・バイク用10台 
・自転車用15台 

○ミニショップ 
・蒸気船饅頭、軽食、喫茶 
・天然石工房等4店 

ミニショップ

○農林水産物広域循環システムの構築 
道の駅で販売する地元野菜の集荷・運搬用のほか、道の駅で扱う鮮魚を、山間地域の直売所でも販売することを目的に、冷蔵運搬車を新たに購入。 町内での農林水産物の循環システムを構築しました。 

新たに購入した冷蔵運搬車

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おわりに

今回の道の駅リニューアルにあたっては、事業補助金、道路情報機器の設置、関連道路施設の整備など、国、県をはじめ、各関係機関からご支援を賜りました。 この場をお借りして厚くお礼申し上げます。 

これからも、道の駅事業を通じた、産業振興、道路情報サービスなどを行ってまいりますので、関係者の皆様のご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いします。 

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