全国町村会
 

「やさしい観光地づくり推進事業」
〜ICTを活用した観光振興へ〜

イメージキャラクター「はえるん」とひまわり畑

 

沖縄県南風原町

2877号(2014年4月21日)  南風原町長 城間 俊安

南風原町の概要

わがまち南風原町は、沖縄本島南部のほぼ中央に位置し、県都那覇市に隣接しています。周りを6つの市町村に囲まれ、面積は10.72平方キロメートル。 県内41市町村で4番目に小さな町です。琉球王国時代には、王府の直轄地として栄え、首里の南にある豊かな場所として、「南風原」という名前が付けられました。

現在の南風原町の境界は、明治41 (1908)年の特別町村制の施行により定まり、11の字からなる南風原村が形成されました。 今次大戦で焦土と化した南風原村も、昭和21(1946)年に村役場の再編とともに復興の第一歩が始まり、畜産を中心とした農業、織物などの生産や地の利を発展の原動力に、 工業や企業の進出により着実に発展を続けてきました。昭和55年(1980年)には16行政区をもって町政への移行を成し遂げ、以来田園都市をめざした諸施策が展開され、 平成25年度現在では19行政区となっています。 

古くから交通の要所として、発展・独自の歴史、文化を育んできたわがまちは、更なる交通網の進展、大型店舗などの商業施設の進出で生活の利便性も向上し、 平成26年には人口3万6千人を突破しました。 

南風原町役場

  

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沖縄にとっての観光とは

沖縄は、昭和50年の沖縄国際海洋博覧会を契機に観光地として定着し、リゾートホテル業の開業やインフラ整備と共に観光客数が増加してきました。その後、 バブル景気後の伸び悩みを経て、航空運賃の自由化や旅行商品の低価格化が進展したことにより、急激に観光客数が増加し、現在では観光客数600万人超える人気のリゾート地となっています。 

平成22年度においての観光収入は、4,025億円となり、これは県外受取の17.7%を占めています。また平成24年度には、観光収入が4,418億円と増加しており、 沖縄県にとって観光産業の振興は年々重要性が高まってきています。 

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「やさしい観光地づくり」の始まり(動機・経緯)

観光立県として観光振興を図り、観光客誘客を目指している中、本町はまだまだ観光振興の面で十分でない現状にあります。その理由として、本町は、 伝統工芸の琉球絣や各地域に残る芸能、祭りなどの観光資源が多くあるにもかかわらず、観光地としての環境や情報発信のための整備が整っていなかったため、 有名な観光名所や観光施設等へ素通りされてしまう状況にありました。 

そのため、観光客受け入れ体制の整備と観光資源の開発・発掘、同時に南風原の良さを発信するために、情報発信の強化の取り組みは重要な課題でした。 平成21年度「観光の実態と志向」(日本観光協会)では、インターネットが宿泊観光旅行の際に多くの方(43.3%)が参考とされている」とする全国的傾向からも、 インターネットを活用した情報発信への取り組みに、力を入れていく必要があると考えました。 

観光客の多くは、スマートフォン、タブレット端末もしくはパソコンを持参しており、旅先でのインターネット接続のニーズは高まっているため、 観光情報を提供することにより滞在時間が増大すると考えました。滞在型観光を目指すため、南風原町の観光情報を常に発信し、ニーズに応えることによって、 やさしい観光地づくりができるというところから、この事業は始まりました。  

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事業実施内容

事業実施内容は大きく分けて3つになります。1つめは、インターネットを活用して情報発信することにより、本町の良さをより知って頂き、観光客誘客を図る観光サイト。 2つめは、訪れた観光客に無料の高速インターネット接続サービスや情報・コンテンツを提供する公衆Wi-Fi。3つめは、 本町の観光情報やスマートフォンを活用して楽しんで頂けるスマートフォン用観光アプリです。 

スマートフォン用観光アプリ

平成24年11月に協議会を立ち上げ、協議会内部に専門部会をおきました。そこから2週間に1回のペースで専門部会を開き、ポータルサイト・アプリの構成やコンテンツ、 それらをどのようにPRしていくかというところから始まりました。第2回専門部会では、 沖縄タイムス紙面内の「かなさうちなーむん」に観光PRを掲載することや有名ブロガーの招致を行う事を決定して、第3回、4回では引き続き、 ポータルサイト・アプリの内容や構成について検討しました。また同時に、公衆Wi-Fiの設置場所や向き、方向等を検討し、観光客が多い琉球絣会館と本町役場から、 かすりロード付近と中央公民館や本町役場付近に対してアンテナを向けることを決定しました。 

やさしい観光地づくり推進事業協議会

世界遺産などの観光資源や全国的に有名な観光地がない本町では観光客誘客という意識が薄く、以前はパンフレットやwebサイト等もありませんでした。しかし、 全国的に定着している津嘉山完熟かぼちゃや県内生産量トップを誇るストレリチア、ヘチマ(美瓜)、伝統工芸の琉球絣、花織など、PRすべき資源は少なくありません。 それら町の魅力を発信するツールとして着目したのがスマートフォンです。  

ストレリチア

琉球絣

観光客が持つ携帯へダイレクトに情報を届け、かつ、訪れた人たちが楽しめるコンテンツを用意することで、情報を発信出来るものが未整備のところから、全国、 世界にアピール出来る状態へ一気にステップアップしたいと考えました。 

また、全国・世界に向けてPRするために、情報を発信するツールとして総合ポータルサイトを作成し、スマートフォン用アプリでは難しい細かい内容の観光情報、 イベント情報を発信することで、今まで周知不足だった観光情報を、より多くの人たちへ届けられるようにしました。 

更に、スマートフォン用アプリを作成するにあたり、公衆Wi-Fi整備を行うことで、 訪れた観光客にアプリ・総合ポータルサイトなどをストレスなく活用して頂けるのではないかということで、Wi-Fi整備を行いました。

総合ポータルサイト・アプリで、全国・世界の方へ本町の情報を発信し、本町の良さを知って頂き、本町への誘客を図る。訪れた方には、 公衆Wi-Fiサービスやアプリを活用して、本町を観光してもらえたらと思っております。 

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今後について

現在、公衆Wi-Fiは観光サービスにおいて活用していますが、将来的に行政サービスにも活用出来たらと考えております。災害復旧の際に現場に情報を伝えたり、 ネット環境が整っていない高齢者・障がいのある方の住宅でもWi-Fiを活用することで見守りサービス等の福祉サービスにも使えるのではないかと検討しており、 多様な分野への可能性を期待しています。 

観光客は地元の人と関わることにも楽しみを感じてくれて、繋がりが深まる。そのためには、観光客だけでなく、Wi-Fiやアプリを町民にも使ってもらわなければならない。 スマホの普及率も、フェイスブック等のSNS利用率も本町はまだまだ低い現状です。観光サービスにしろ行政サービスで活用するにしろ、実効性を高めるには、整備だけでなく、 地域住民を巻き込んだ動きへ発展させるかが課題となってきます。そのために、これらのサービスと住民の意識とのマッチングを行っていく必要があると感じております。

実際の現場では、ポータルサイトやアプリを作ったから、見て貰い、本町を知って貰える。公衆Wi-Fiがあるから、来て貰えるという簡単な話ではありません。  

それらを見る方が見やすいような、検索しやすいようなものにしていかなければ、見てさえも頂けないのだろうとも思っております。逆に、 インターネットや携帯が観光情報を知る上で主流となっている中、観光をしたいという方が、沖縄に行くから立ち寄ってみたい、こういう場所があるなら見てみたい、 という風に思って頂ける情報を常に発信していくことが出来なければ、観光に来て頂けないと考えております。整備を行っただけで終わるのではなく、そこからすべてが始まります。 それらをどう活用出来るか、更に使いやすいように改良できるか。事業は平成26年度で終了しますが、この事業の成果はこれからの頑張りに掛かっていると思っております。 

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