全国町村会
 

岩手町が誇る文化的な風土と豊かな食材
〜芸術と野菜総合産地の発信拠点・道の駅「石神の丘」〜

緑と広い空を感じられる豊かな自然の中にある「石神の丘美術館」

 

岩手県岩手町

2834号(2013年3月25日)  企画商工課 佐藤 亘

豊かな自然に包まれた町

岩手町は、岩手県の中部から北部に位置する、人口約1万5千人の町です。人間が健康的で文化的な生活を営む上で最も適しているといわれる 北緯40度線上に位置し、県都盛岡市の中心部からは北へ30キロ。国道4号と東北新幹線、IGRいわて銀河鉄道が南北に貫き、町の交通体系の主軸を形成しています。また、 東部には国道281号が陸中海岸へ連結。西部には主要地方道岩手平舘線、県道岩手大更線が八幡平市へと続き、東北自動車道西根IC、松尾八幡平ICへ連結するなど、 鉄道・自動車両面で高速交通網の利便性が高く、県の北部における枢要な交通ネットワークを形成しています。 

町の総面積360.55kuのうち、約76%が山林・原野となっており、緑と広い空を感じられる豊かな自然に包まれています。地勢は、南東から北西にほぼ ひし型に広がり、東部を走る北上山地は全般に複雑で東西に高く、西北に低い様相をなしています。西部には盆地状の一方井地区があり、北部と西部ではその地形の違いから 異なった趣を見せています。    

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『石神の丘美術館』の誕生

岩手町には、早くから芸術の情熱を醸成する文化的風土がみなぎっていました。昭和32年、故齋藤忠誠氏を中心に岩手町在住者を主体とした美術集団 「エコール・ド・エヌ」が結成。岩手町から盛岡、東京、韓国、パリなどにも発表の場を広げるなど充実した活動が行われていました。 

昭和48年からは町特産の黒御影石を主材に「岩手町国際石彫シンポジウム」を開催し、世界各国から石彫作家を迎えました。作家たちは約2カ月間にわたり 町内に滞在し、ワークショップなどで町民と交流を深めながら作品を制作。制作された作品は町に寄贈され、町役場庁舎前の石彫公園や町内の公共施設などに設置されました。 その作品数は130点を超え、「彫刻によるまちづくり」の礎になっています。 

人々の心に語りかけるような作品を制作する作家たちの情熱と、その志を支える町民。そのような文化の薫り高いまちづくりが背景になって、平成5年に 野外彫刻美術館「石神の丘美術館」が誕生しました。石神山の緩やかな傾斜に開かれた美術館を歩けば、季節を追って咲く山野草が笑顔を見せ、自然の中でさまざまな 彫刻がやさしく語りかけてきます。  

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地域の風が行き交う美術館

平成14年7月には、美術館に隣接する道の駅「石神の丘」が完成しました。これを機に美術館も常設展や企画展ができるギャラリーと創作活動を体験できる 工房などを整備しリニューアル。全国的にも珍しい、道の駅併設の美術館として生まれ変わりました。 

リニューアル後の美術館は、「質の高い芸術文化の発信拠点」、「町民が美術に親しむ場」をテーマに、博物館、資料館としての役割も担うなど幅広く 活動を展開。岩手町出身の作家や岩手県にゆかりの作家の展覧会を開くとともに、岩手町埋蔵文化財展、町の小中学生や高校生の作品展を毎年開催するほか、コンサートや ワークショップなどを開き、美術に限らず音楽など広い芸術領域に触れられる機会を創出しています。 

より地域に根差し芸術文化を発信する美術館を町民も一体になって盛り立てます。美術館のサポーター「石神の丘美術館友の会」は、屋外展示場の清掃や 植栽などをボランティアで実施。また、町内の茶道愛好者が野点の会を開くなど、石神の丘美術館は、地域の風が行き交う美術館として、豊かな未来づくりの拠点になっています。  

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芸術との出会いを予感させる『アートロード』

平成14年12月には、東北新幹線盛岡―八戸間が開通。本町のいわて沼宮内駅ー東京駅が最短で3時間弱で結ばれるようになりました。 

このいわて沼宮内駅から「石神の丘美術館」までの歩道などには、彫刻や休憩用のベンチなどを配した「アートロード」が整備され、 道行く人々の癒しの空間となっています。 

いわて沼宮内駅に降り立ち、駅前の広場に出ると真っ先に目に飛び込んでくるのが高さ8mの石彫「ウォーター・マーク」です。岩手町を源泉とする 東北一の大河・北上川。その北上川の四季を石柱の四面に表現し、石柱を取り囲む二つの壁は、奥羽山脈と北上高地を象徴しています。豊かな山々から自然の恩恵を一身に 集めて太平洋に注ぐ、北上川の雄大なスケールと千変万化する水の表情を表現した作品です。岩手町のシンボルモニュメントとして堂々とそびえ立ち、駅に降りた人々を迎えています。  

このウォーター・マークを起点に、石神の丘まで約800mの道のりにたたずむ動物たちの彫刻は、美術館までの道しるべになるとともに、人々をアートの 世界へいざない、素晴らしい芸術との出会いを予感させてくれます。 

作品名「ウォーター・マーク」雄大な北上川の流れを表現する岩手町のシンボルモニュメントは、アートロードの起点として人々を迎えます

作品名「名犬シナモン」  岩手町をロケ地として撮影された福祉映画「ホーム・スイートホーム」に出演する「シナモン」がモデル

  

作品名「ニホンカモシカ」 自然豊かな町内に多数生息する「ニホンカモシカ」は、眼下の「北上川」の悠久の流れを見つめ、石の上にたたずんでいます

作品名「いわてレッドデータブック」岩手県内に生息する希少な野生生物のリスト「いわてレッドデータブック」から、ほ乳類26種を石の 引き出しにしまいこんでいます

作品名「トウホクノウサギ」伸び上って遠くを探すような仕草が愛らしい「ノウサギ」は石神の丘美術館入口付近で訪問者を歓迎します

美術館に隣接する道の駅「石神の丘」は、平成14年7月24日にオープンし、昨年10周年を迎えました。青森から東京を縦貫する東北の大動脈・国道4号に 直結する同駅は、駐車場や道路休憩施設としての役割はもちろんのこと、岩手町の物産観光を発信する拠点として大きな役割を果たしています。美術館との相乗効果もあり、 町内外からの来場者数は、開業以来10年で420万人を超えました。 

道の駅「石神の丘」は、産直施設、レストラン、農産加工施設などを備えるほか、併設する「石神の丘美術館」との相乗効果で、 連日多くのお客様でにぎわいます

同駅の産地直売施設に入ると、自然光が差し込む明るい店内に、色とりどりの農畜産物が並んでいます。これらはすべてが岩手町産です。町の主要産業である 農業では、町内の畜産農家と耕種農家が連携して堆肥などを循環活用し、地域内の資源の活用と環境に優しい農業を実現する「耕蓄連携」を推進。特産キャベツ 「いわて春みどり」を筆頭に、レタス、ホウレンソウ、ピーマン、ダイコン、ナガイモなどが栽培面積県内トップクラスを誇り、岩手町は全国有数の「野菜総合産地」として PRしています。産直施設の利用者は、今朝畑で収穫された新鮮な野菜類が所せましと並ぶ店内に、野菜総合産地・岩手町の姿を感じることができるでしょう。

これら豊かな町産食材は同駅のレストランと農産加工施設の「茶屋っこ」で味わうことができます。地産地消2つ星の「レストラン石神の丘」では、 季節ごとに変わるコース料理をはじめ、「春みどりラーメン」や「石神長いもそば」、「ブルーベリーカレー」など、町の特産品を使用した特色ある多彩なメニューを 提供します。一方、「茶屋っこ」では、農産加工組合員が真心を込めて手作りした、懐かしい母の味と手打ちの十割そばが人気。ご当地ソフトクリーム「春みどりソフト」は ここだけの限定品です。また、産直施設、レストラン、農産物加工施設が三方を囲む中央の広場では各種イベントが開かれ、町内外の人と人が交流する場所になっています。 

道の駅「石神の丘」は、岩手町の情報発信と交流の拠点。岩手町に来たら、ぜひ、お立ち寄りください。 

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さらなる発信を目指す『ドライ野菜パウダー』

産直施設や地産地消のレストランなどを通じて、野菜総合産地・岩手町を発信し、町の農業振興につなげようと取り組む道の駅「石神の丘」。 その取り組みの一つに、「農家応援プロジェクト商品」があります。 

商品は、キャベツ焼酎「キャベ酎」、「石神長いもそば」、「ブルーベリーカレー」、ブルーベリーリキュール「石神の恋ごころ」の4つ。 いずれも岩手町産の原料を使用した石神の丘のオリジナル商品です。このうちの「キャベ酎」は、道の駅「石神の丘」が10周年を迎えた昨年、プレミアム版を 限定発売しました。「北緯40度のまち」にちなみ、アルコール分を40%にしたプレミアム版キャベ酎は、その名も「甘藍酎(きゃべちゅう)」。「甘藍(かんらん)」とは キャベツの和名です。キャベツ産地として100年の歴史があり、かつて南部甘藍というブランドのキャベツを擁し、日本一の産地として栄えた岩手町の歴史がパッケージに 表現されています。 

石神の丘オリジナル商品は、岩手町の農産物を原料に使用した「農家応援プロジェクト商品」です


  

さらに、昨年からは「ドライ野菜パウダーによるご当地商品開発プロジェクト」が動き出しました。このプロジェクトは、岩手町産野菜をドライ加工し、 野菜パウダーを製造して付加価値を高め、レストランのメニューや農産加工品に活用して彩り豊かなご当地商品を開発しようとするものです。「生産」、「加工」、 「流通販売」の機能をすべて備える道の駅「石神の丘」ならではの六次産業化の取り組みとして大きな期待が寄せられています。これにより野菜総合産地・岩手町のさらなる 発信を目指します。  

現在、ドライ野菜パウダーは4月の市販化に向けて準備中。併せてご当地商品の試作も重ねられており、新たな岩手町名物誕生の予感が漂っています。 

野菜の付加価値を高める「ドライ野菜パウダー」。彩り豊かなご当地商品を開発しようとさまざまな試作品が作られるなど、 4月の市販化へ向け準備が進められています

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