全国町村会
 

水を守り森林を育む利根川源流の町
〜関東の水瓶を自負して〜

町の中心を流れる利根川と雄大な谷川岳

 

群馬県みなかみ町

2829号(2013年2月11日)  

みなかみ町は平成17年10月1日に月夜野町、水上町、新治村の2町1村が合併して誕生しました。群馬県最北端に位置し谷川連峰を県境として新潟県と接しています。 東京の中心から直線距離で150qであり、高速道路の利用では、月夜野ICと水上ICの2つのインターチェンジが町内にあることから約2時間で到着します。また新幹線では 上越新幹線の上毛高原駅があり、東京駅から1時間20分と首都圏からのアクセスに大変恵まれています。

谷川岳に象徴されるように山岳が多く、2,000m 級の山々に囲まれた町の中央を利根川の清流が流れ、その周辺には18の温泉郷が点在する自然豊かな町です。

町の面積は約780平方キロメートルであり、その9割は林野で約7万haにおよびます。この広大な山林に利根川は育まれ、その貴重な「利根川の源流」を 守るため、町全体で水源の涵養や保全などの活動をしています。また、利根川の流域を含む都市住民との交流などを通じ、水の大切さと水源地の魅力を伝える活動もしています。   

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森を育み清流を守る

5つのダム(矢木沢、奈良俣、須田貝、藤原、相俣)を持ち首都圏流域約3,000万人の生活と経済を支える利根川源流の町として、豊かな自然を守り育てるべく みなかみ町発足以来「谷川連峰・水と森林防人宣言」や「環境力宣言」を行ってきました。平成20年3月には水と森を育むまちづくり構想「エコタウンみなかみ」を策定し、 貴重な地域資源の活用と保全、交流活動を推進するため、平成20年10月に「利根川源流森林整備隊」を組織化しました。 

整備隊の活動は間伐前の準備作業となる刈り払いや灌木類の伐採、作業の安全を図るための作業機械講習会、山野草研修など多岐に渡っています。 

活動の中心となるのは、公募ボランティアで、登録人数170名余を数え、年間活動日数15日〜20日、延べ参加者数約400人が活動に携わっています。  

整備隊による作業終了後は、利根沼田森林組合や素材生産組合等林業の専門家が間伐を行い、販売収益を森林所有者へ還元するというサイクルを構築しています。 このような連携により平成20年度の実績は60haほどで、その後は毎年100ha以上となり平成23年度末までに累計375haの森林整備を終えました。 

今後は、共有地や大規模森林所有者を中心とした活動から、小面積の個人所有林を団地化する集約化事業に取り組むことで整備の促進を図りたいと考えています。 

作業開始前の安全確認ミーティング

  

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小水力発電への取り組み

利根川最上流に位置する町であることから、その水力と落差を利用して昔から水力発電所が多く立地しており、首都圏の水瓶としてのダムにも多くの発電所が 併設されています。2か所の揚水式発電所がありその発電出力は144万kwありますが発電力としてその分を控除しても、水力発電所は12箇所が町内にあり年間おおむね10億kwhが 発電されており、町内の推計消費量9億kwhに比べて約1.2倍で使用量からみれば電力の完全自給地域となっています。 

このように地域の個性を大切にし、身近なところで再生可能エネルギーを積み上げてゆく意識を醸成することは極めて大切なことです。このため平成21年度に 環境省の委託事業としての「小水力による市民共同発電実現可能性調査」に取り組みました。これをきっかけとして、谷川地区住民を中心に「谷川区小水力検討会」が設置され、 「虹の谷ピコ水力tanigawaプロジェクト」が町と地域住民による協働事業として始まりました。 

群馬県が開催する研修会への参加や実績のあるNPOとの勉強会を重ね、流量調査から設置まで地域の方の手作りでおこなっています。平成23年2月に完成し、 現在は春秋季500W、冬夏季100〜200Wの発電をしており、その電力は発電所付近の外灯と近くに架かる橋をイルミネーションで飾っています。   

この発電所のすばらしいところは、地域住民の方たちが、自ら考え行動し設置運営しているところです。小水力発電に対し当初なにも興味の無かった方達が、 検討会に参加することをきっかけに興味を覚え、1から勉強し設置運営している点だと思っています。町として今後は、2か所のピコ発電の設置と小水力発電所の検討を促進して ゆくこととしています。 

ピコ発電プロジェクトに取り組む谷川地区の住民

設置された小水力発電機

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アウトドアスポーツ振興条例の策定

みなかみ町で、アウトドアスポーツが始まったのは、今からおよそ20年前、利根川をゴムボートで下るラフティングが先駆けでした。利根川の源流には矢木沢、 奈良俣、藤原などのダム湖があり、雪解けの水が4月から5月にかけてダム湖から放流され、大量の水が勢いよく流れます。水温は低いもののラフティングにとっては絶好の コンディションとなります。このようなことから、外国でラフティングの技術を習得した若者がみなかみ町で始めたのが始まりです。また、別の背景としては日本カヌー連盟が 平成20年まで32回にわたり全日本カヌースラローム競技大会を開催していました。同じように大学生が主体となって利根川をゴムボートで下る「日本リバーベンチャー選手権大会」 が開催されており、今年で第37回目となります。これらの大会が開催されていることが利根川の急流を生かしたスポーツの普及と人材の定着に大きく貢献してきました。 今ではラフティングを行う事業者は14事業者となっています。 

河川環境を生かしたスポーツとして、5〜6年前くらいから利根川の支流の川を使ったキャニオニングやシャワークライミング、ダム湖を生かしたレイクカヌーが 行われるほかパラグライダーやバンジージャンプ、冬にはスキー、スノーボードのほかにもスノーシュートレッキングなども行われるようになっています。 

河川の利用に関しては基本的に自由使用ですが、来町者に安心して体験してもらえるよう、安全確保のためのルールづくりを行って安全レベルの向上を目指そうと いう機運が高まりました。  

平成22年にアウトドアスポーツの先進地であるニュージーランドのクイーンズタウンへ町、議会、事業関係者の有志による視察研修を行い、みなかみ町の アウトドアスポーツの目指すべき方向と安全基準の早期確立の必要性を確認し合いました。 

現在、前述のアクティビティーを含めると31のカテゴリーでアウトドアスポーツが展開され、30を超える事業者により「一般社団法人アウトドア連合会」が 組織されています。 

調査研究が進み、議会議員とアウトドア連合会が意見交換する中から平成24年の9月にはみなかみ町議会定例会で議会提案という形で「みなかみ町アウトドア スポーツ振興条例」が制定されました。この条例の目的は、アウトドアスポーツの安全性を確保し、安心して楽しめる環境づくりを進めるとともに、自然環境の保護及び保全にも 配慮してアウトドアスポーツの振興を図ろうとするものです。 

この条例の施行を平成25年4月1日に迎えるにあたり、アクティビティーごとに組織されている組合が運用していたそれぞれの運行規定などを踏まえて、 関連する規則や規程などの整備を進めているところです。 

現在みなかみ町でアウトドアスポーツを体験されている人数は13万人とも15万人とも言われており、条例の効果的活用によってさらに安全で質の高いアウトドア スポーツを実現し、日本における第一級のアウトドアスポーツタウンを目指して行きたいと考えています。 

谷川連峰の雪解け水が流れ込む利根川で豊かな流れを楽しむラフティング

日本で唯一のブリッジバンジーは、高さ40m

ならまた湖で探検気分を味わうレイクカヌー

自然の滝や沢を滑り台のように滑り、滝壺めがけて飛び込み、渓谷を下るリバースポーツ、キャニオニング

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