全国町村会
 

有田川町 地域交流センター「ALEC」
本のあるカフェ+まんが館+mini博物館

地域交流センターALEC

 

和歌山県有田川町

2826号(2013年1月21日)  和歌山県有田川町教育委員会 教育部長 三角 治

(町の概要)

有田川町は紀伊半島の北西部、和歌山県のほぼ中央に位置する人口約27,000人の町です。町の中央部には高野山に源流を発する有田川が西に 蛇行しながら悠々と流れています。

古くよりみかん栽培が盛んであり、『有田みかん』の産地としても知られております。また、粒が大きくて香りが高い『ぶどう山椒』は生産高 日本一を誇ります。   

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町のランドマークとして…

平成21年4月、有田川町にちょっと変わった図書館のような施設をオープンさせて頂きました。それが『ALEC(アレック)』です。 図書館のような施設…と表現させて頂いたのは、従来の図書館のイメージとは異なる施設だからです。ここは図書館と言うより、『本のあるカフェ』なのです。 香り高い本格珈琲や紅茶などを飲みながら本が楽しめ、友達同士で会話が楽しめ、パソコンでネットもできる、そしてお腹が空けば本を横に置いてパスタやパニーニが 食べられる、そんな公立では珍しい施設が『ALEC』なのです。 

従来の図書館のイメージは、図書館に入るとまず目に付くのは司書の座ったカウンター。そして目を室内に移すと整然と並んだ書架、書架、書架…。 そして静かに本を選ぶ人々。ずらりと並んだ書架の間には少しだけれどテーブルとイスが置いていてみんな静かに本を読み、そして調べ物をしている… そんな光景をきっと浮かべるに違いありません。 

しかし、『ALEC』は違います。入口からは長く明るいエントランス。紀州材を用いたそこにはクラシックカーが数台並んでいます。 そしてエントランスを過ぎると広々とした空間が有りテーブルとイスが置かれて、前面ガラス張りの窓からはウッドデッキのテラスや芝生広場が一望できます。 一見すると広いカフェのような光景なのです。隅の方には背の低い書架はあるけれど建物の空間の大部分は中央ホールです。そして、耳に入ってくるのは音楽です。 有線放送でJAZZなどを流しております。お客様を眺めれば、お茶を飲みつつ仲良しグループで話をしている人、何やら打ち合わせのようなことをしている サラリーマン風の人々、本を読みふけっている人、コミック誌を何冊も積み上げて夢中で読んでいる青年、パスタに舌鼓を打っている若い女性達、窓際の席では パソコンを使ってなにやらレポートを書いているような学生さん…様々な人々がそれぞれのスタイルでここを利用しています。  

憩いの場所となっている「本のあるカフェ」

長く明るいエントランス

図書館とは『静かで、話しをしてはいけないところ』『館内では飲食が出来ないところ』というのが一般的なイメージですが『ALEC』は 全く違います。音楽が静かに流れ、珈琲などのドリンク類やパニーニ、パスタなどの食事も出来る、まるで『カフェ』のような空間が『ALEC』なのです。 もちろん図書館機能も併せ持っておりますから約44,000冊の書籍、約36,000冊のマンガ(コミック誌)、そして月刊誌、週刊誌などが置かれていますが、 専門書などの類はなく親しみやすい本が中心の施設なのです。カフェを館内に作ったり、クラシックカーなどを展示していたり、ミニ博物館を併設しているのは いろんな層のお客さんに利用して頂きたいという思いからです。本好きの人が集まるところ、書籍や資料を利用するところ、それだけではなく、『憩いの場所』 『お茶を飲む場所』『語らい交流する場所』『待ち合わせの場所』などにも利用できる新たなスタイルの図書館づくりに挑戦しているのが『ALEC』です。 人口27,000人の小さな町ですが、アレックに訪れて頂くお客様は月平均10,000人程度となっており、町の新たなランドマークにも成っているようです。 

クラシックカーが並ぶミニ博物館

  

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web liblalyを導入…

今回、また新たなサービスを始めました。それが『電子書籍』への対応です。近年、書籍・雑誌等の印刷媒体の売り上げは減少する一方です。 1996年のピーク時には書籍雑誌売上げは2兆6,500億円でしたが、2011年では1兆8,000億円程度まで落ち込んでいます。ピーク時の実に68%です。このように印刷媒体は 年々減少の一途を辿っているのが現状です。逆に『電子書籍』は成長著しく、2015年度には売上げは2,200億円超になると見られています。アメリカではアマゾン社の 電子書籍売り上げが印刷媒体を上回りました。書籍形態や端末、そして文化の違いはありますが、アメリカではもう既にキンドルなどの爆発的な普及により電子書籍が 一般化していると言えます。日本に於いてもケイタイ小説の台頭など若者には既に印刷媒体にこだわらないという傾向があり、電子媒体が印刷媒体と逆転する日も 近いのではないかとさえ思われます。 

そんな現状の中、公共の図書施設としてもニーズへの対応、そして今後の図書館のあり方を考える時に、電子書籍の利便性、有効性を認め、 これを積極的に活用していくことが時代への対応であるとして、新たなサービスを開始いたしました。 

2011年11月3日に和歌山県内では初の、そして町村では全国初の電子書籍による図書サービスを開始いたしました。タブレット型(iPad)にも 対応しております。ちなみに本格的なiPad対応としては全国初の試みとなっております。  

電子書籍はご利用頂く住民の皆様がインターネットを介して私どものホームページ『有田川Library』に入ってきて頂き、電子コンテンツとしての 書籍をパソコン上でお読み頂くというものです。要するに、インターネット接続環境とパソコンなどの端末があればどこでも利用が可能というシステムです。 

さて、ここで、電子書籍を導入することによる期待される効果を挙げてみたいと思います。 
  

@自宅や外出先からでも利用できる。

会社などで遅くまで働き開館時間に図書館に来られない方や、物理的に図書館まで来ることが出来ない方、また遠方の方、交通弱者の方にも 利用してもらえる。IDとパスワードさえあれば、世界のどこからでも電子図書を利用できる。 
  

A365日、24時間いつでも利用できる。

従来の図書館だと開館時間でないと利用することが出来ないが、インターネットを使ってアクセスするだけなので365日、24時間いつでも 利用することが可能となる。 
  

B音声やアニメなどデジタルならではの対応が可能。

印刷媒体であれば、例えば図鑑などでは動物の鳴き声や動きなどはわからないが電子媒体だと音や声を出すことが可能だし、図を回転させることも 動画にして動きを表現することも出来る。また、障害がある方にも音声対応で読んだり、音でお知らせすることも可能。 
  

C独自のコンテンツ、郷土資料などを提供できる。

町で作成した資料や広報紙、パンフレットなどの類から郷土資料までデジタル化することによって自由に閲覧することが出来、貴重な資料も 電子化によって劣化しないので閉架する必要も無く誰もが閲覧できるようになる。 
  

D返却忘れ、汚れ、そして盗難の恐れがない。

返却日は自動設定で返却忘れがなく、また電子媒体なので印刷媒体のような形のあるものではないので盗難されることもない。 

以上が期待される効果です。 

  

電子書籍には今までの印刷媒体に出来なかったこと、そして可能性が沢山あります。デジタルデータは劣化しないので古文書などの貴重資料を デジタル化すれば閉架することなく誰もが閲覧できるようになりますし、タイトルを付けることで検索もスムーズになり、資料整理も容易になります。絵画や図面、 写真などの資料、パンフレット、チラシ類なども今まで嵩張っていて整理保存するのが難しかったのですが、デジタル化すれば収納場所が必要なくなり、且つ検索も 容易になります。加えて、音声、動画、また立体化(3D等)にも対応できてよりリアルでわかりやすい資料となるばかりか、障害者の方への対応もでき、 また効果音や各種言語への対応、注釈の添付や参考資料との連携も容易に図ることが出来ます。 

まだまだ考えられることは無数に有り、工夫と使い方でより世界が広がるのが電子コンテンツだと考えます。全国どこの方でもフリーに閲覧できる 本町ならではの特徴ある資料提供であるとか、情報の発信も含めて電子コンテンツの更なる利用形態を研究していきたいと思います。 

電子書籍は今後の図書館行政とは切っても切り離せない大きな課題であることは確実です。極論すれば、紙ベースは無くなり、電子コンテンツに 取って代わる日もいつかやってくるかもしれません。電子書籍の登場は図書館のスタイルを大きく変えるでしょう。ただ、図書館の持つ情報の収集、資料提供という 本質的且つ基本的な機能は普遍であろうと思います。私たちが早々に電子コンテンツへの対応を決めたのは今後のあり方への試金石でもあり、新しい図書館づくりへの 新たな扉を開いたということでもあります。公共図書館に課せられた責務と社会的要請をもう一度見つめ直し、存在意義を今一度確かめたいと考えたいと思います。 

町の新たなランドマークとなっている「ALEC」

様々な人々がそれぞれのスタイルで利用している

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平成25年11月、全国棚田(千枚田)サミットを開催…

さて、話は変わりますが、本町の代表する風景として『あらぎ島』があります。あらぎ島とは有田川の湾曲と浸食作用によってできた舌状の棚田で、 大小54枚の水田が扇を開いたような独特な形をしております。その景観の美しさから、『日本の棚田百選』や第4回『美しい日本のむら景観コンテスト』農林大臣賞を 受賞するなど、全国的にも高く評価されています。平成25年8月には風景の国宝と言われる『重要文化的景観』の国指定を受けるべく現在準備を進めています。

棚田のある風景はふるさとの原風景として日本人の心の中に刻まれてきました。幾重に重なり合った棚田は豊かな自然と稲作文化を語るには 欠かせないものです。このすばらしい棚田の役割を見直し、先人達の知恵を学び、そして環境保全と農村文化を考えていくのが全国棚田サミットです。 

有田川町では、『人、まち、棚田 ともに未来へ』と題し、平成25年11月8日から9日にかけて全国より多くの方々のご参加を得て開催させて頂く 予定です。この機会に是非とも美しい日本の原風景のある有田川町にお越し頂ければ幸いです。心よりお待ち申し上げます。  

「第19回全国棚田サミット」ポスター

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