全国町村会
 

旧山陽道宿場町 矢掛町
ブランド化と地域活性

旧矢掛本陣石井家

 

岡山県矢掛町

2820号(2012年11月19日)  矢掛町長 山野 通彦

歴史と文化のまち やかげ

矢掛町は、岡山県の南西部に位置し、人口15,200人を擁し、面積90.62平方キロ、瀬戸内海気候に属し、温暖な気候と豊かな自然に恵まれ、災害の少ない住みやすい町です。 

歴史は古く、奈良時代に右大臣として活躍した吉備真備公ゆかりの地であり、江戸時代では旧山陽道の宿場町として人・文化・産業などの要衝として殷賑を極め、 往時の本陣・脇本陣の双翼が国の重要文化財に指定され、さらに健全な状態で旧姿を留めているのは全国でも唯一矢掛町のみ。幕末に天璋院篤姫が江戸へ嫁ぐ際、 当本陣に止宿された文献が数年前発見され、耳目を集めました。 

こうした歴史的資産が今なお現存し、深い歴史と多様な文化を湛えた重厚な町として、平成の大合併でも単独の路線を選択し、木目細やかな町づくりを推進しています。  

しかしながら、少子高齢化社会の到来により本町でも深刻な人口減少が顕著で、平成22年度には過疎地域として指定を受けた経緯があります。爾来、 この過疎指定を前向きに受け入れ、過疎債事業を積極的かつ有効的に活用し、多元的な事業を推進しています。 

脇本陣なまこ壁

旧矢掛脇本陣草家

  

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少子化対策と定住促進

平成18年に町長に就任して以来、まず人口増を伴う少子化対策が、喫緊の課題と捉え、矢継ぎ早に事業を実施しました。乳幼児医療費の助成や保育料の軽減、 更には若者の定住を目指す住宅団地の造成など、ソフトハード両面から対策を推進してきました。特に昨年度からは若者を対象に定住をされる方に新築助成金を120万円支給する 制度を創設したところ、1年で60名を超える多くの町外の方が町内に移住をして来られており、一定の成果は上がっています。 

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産業振興と企業誘致

産業振興対策としては、行政基盤の根幹である財政の観点からも、企業誘致が町税増収に繋がることから、就任直後からトップセールスを展開し、 リーマンショック以後の景気の停滞時期があったにも拘わらず、20社を超える誘致を進め、安定行政への道のりを歩んでいます。 

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矢掛町ブランドの認定

自然豊かで歴史のある本町にあって、以前から工芸品や食品などの特産品はあったものの、矢掛町全体として統一的な特産品の指定や、販路の特定などは ありませんでした。そこで、矢掛町として数々ある特産品を矢掛町ブランドとして認定し、その発掘とPRを兼ねて、またブランド化した特産品の販路の確立を目指し、 39品目を認定したものです。これにより各出展者の意識にも変化がみられ、官民が一体となった矢掛町の売り出しを展開しております。また町内にある水車の里フルーツトピアや 農協矢掛宿場の青空市きらりでも取り扱いをしております。 

矢掛町ブランドに認定された特産品

「郷土美術館」町木の赤松を使った伝統工法による建物

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安心・安全のまちづくり

本町のような中山間地域においては、商店やスーパー等が少なく、また街路灯防犯灯も非常に少ないこともあり、特に中高校生の夜間時の通行が暗く危険だという 声が多くありました。そこで、環境に優しく消費電力の少ないLED照明を町内に、5年がかりで千数百か所を約1億円で設置したところ、夜間でも明るくなり安心して通行できると好評を得ています。 

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環境対策

また環境対策としては、個人住宅用の太陽光発電設備への助成を国県と共に進めると同時に、役場や文化施設並びに各学校等の公共施設に太陽光パネルを 設置しております。この度、この二酸化炭素排出削減に対し、国内クレジット認証も受けております。 

加えて、電気自動車を早くから導入し、今年度は7地区ある公民館に1台ずつ三菱自動車の電気自動車ミーブを配備したところです。このこともあり、 先日三菱自動車の益子社長がわざわざ当町までお礼に来られ、地域経済の発展や町の特産品について会談し、東京本社で特産品の臨時販売出店が実現しました。 

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予防医療の充実

また、予防医療の充実、健康づくりによる介護予防・福祉の充実も、就任当時から積極的に推進しており、特定健診の受診率の向上が、町民の健康維持の第1歩と 捉え、推進員を委嘱し、戸別訪問により健診を訴えていきました。その結果、昨年度の健診受診率は54%で、県下上位で毎年推移しています。 

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教育行政

教育行政では、早くから電子黒板を全教室に、また生徒用のパソコンを180台購入配備し、授業で生徒全員が利用できるよう、教育環境の向上を推進しています。 加えて、1中学校7小学校の耐震化並びに大規模改修も完了しており、安全安心して教育を受けることが可能となっています。 

また昭和57年から造成を続けてきた総合運動公園も間もなく完成します。フットサル兼用のテニスコートや、子ども広場など整備を進め、特に全国で初めて 多目的グランド並びにテニスコートにLED照明を建設中であり、話題となっています。 

全国で初めてグランド、テニスコートにLED照明を設置

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協働のまちづくり

しかし町づくりの基本は、協働のまちづくりです。当町でも、数々の団体や個人がボランティアで役割を担って下さっています。特に、当町を東西に横断する 一級河川である小田川の河川敷は、県の浚渫などで何年かに一度、雑木は伐採するものの、数年すると元の木阿弥となっていました。そこで、最初の伐採は当町が県費で行い、 その後の維持管理や草刈りは、町が購入した機械を活用し、地元の住民がボランティアで実施するというスタイルが、ほぼ全域で定着し、今では以前と見違えるほどきれいな 河川に生まれ変わっています。岡山県アダプト制度での町内組織数は89団体、町ピカ制度での組織数は80団体を数え、協働のまちづくりの成功例と言えます。 

また、もう一つの例として、今年度から地域に主体性を持たせた自治協議会補助制度を制定しました。産業・ものづくり・観光の振興や、健康・福祉・健全育成推進、 芸術・文化・スポーツ・生涯学習、更には、環境保全や地域の安全安心事業等、地域で企画実施する事業に対して、ソフト事業は10割以内、ハード事業は9割以内で補助する制度です。 自治会から申請を受け、事業採択は自治協議会の中で決定したものを町長が補助を交付する制度となっており、既に4件の事業が住民主体で展開されています。 

こうした人づくりが町づくりという観点からも、町民一人ひとりが明るく楽しく積極的に町政に関心を持ち、できることは町民自らが実行する町づくりを 目指すことで、矢掛町という町が燦然と輝く町になるものと期待しております。  

これからの日本社会は、予測不可能なことが起こりうる時代に突入しております。地方自治体もそうした不測の事態に備えるべく、危機管理も含め俯瞰的な 立場に立ち、重層的な事業を推進していかなければなりません。そのためにも町民や議会、更には民間企業などと連携を図りながら、中長期的な展望を持ちながら鋭意努力して参ります。 

再来年、平成26年(2014年)、合併60周年を迎えます。今後も「やさしさにあふれ かいてきで げんきなまち」の実現に向け、住民と共に更なる発展を目指し取り組んで参ります。 

宿場まつり「大名行列」

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