全国町村会
 

ナンバーワンよりオンリーワン
〜みんなで作る「むら」づくり〜

鮭川村曲川地区にある樹齢千年の曲川の大杉。通称「トトロの木」

 

山形県鮭川村

2816号(2012年10月8日)  鮭川村長 元木洋介

観光資源を生かした村づくりを目指して

鮭川村は、山形県の北部に位置し、昭和29年に鮭川村・豊田村・豊里村の三村が合併し、面積が122.32平方キロメートル、人口4,900人、世帯数1,401世帯、 人口密度は38/ku、1970年代には7,100人いた人口も減り、少子高齢化が進み高齢化率は30.6%、3世帯同居率は山形県で一番となっています。

村の中心部には、村の名前の由来でもある、きれいな川で有名な鮭川が流れ、毎年秋には多くの鮭が遡上してきます。

村の基幹産業は農業で、稲作・菌茸・花卉・野菜生産で、特に菌茸については、ナメコ・エノキダケ・ブナシメジを主とし、常時7種類のきのこを 生産しています。特にナメコについては、市町村別の生産量にすると日本一を誇っています。

美人の湯とも呼ばれる「羽根沢温泉」は、山形県内でも珍しい間欠泉で、泉質は含食塩重曹泉のPH8.4のアルカリ泉で肌がつるつるになる名湯です。

映画の「となりのトトロ」に出てくるトトロに似ていると言われ、全国から多くの観光客が訪れている「曲川の大杉」は樹齢千年の大樹で夫婦杉、縁結びの木、 子宝の木とも呼ばれパワースポットとしても知られています。

村に伝わる「鮭川歌舞伎」は、山形県指定無形民俗文化財で、起源は安永2年に遡り、240年の長きにわたり地元に受け継がれてきた伝承文化で、 毎年6月には定期公演も行われ、多数の観客で賑わいます。

村では、グリーンツーリズムを標榜しており、村内にコテージやキャンプ場、運動広場、ため池及びその裏山を散策路として整備した「エコパーク」、 川遊びやビジターセンター・産地直売所としての機能がある「鮭の子館」、国土地理院の地図には載っていない、まぼろしの滝群のツアーも人気をよんでいます。また、 全国でも数少ないギフチョウとヒメギフチョウの混生地でもあります。

埼玉県「パレスホテル大宮」鮭川フェアオープニングの様子

  

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行政と民間が一体となって取り組む地域づくり

鮭川村では、自立した地域づくりを目指し、平成22年度から、行政と民間が一体となり、各分野の連携を強化しながら、地域資源を活用した 地域活性化に向けた取り組みを推進するため、「鮭川地域資源戦略会議」を組織し、取り組みを実施しています。

鮭川地域資源戦略会議は、村内の商工会や企業等の民間組織、NPO法人等幅広い分野の団体により組織され、外部専門家等のアドバイスも いただきながら、地域資源を活用した新商品の開発や首都圏での村農産物の販売、都市との交流事業等の地域活性化に向けた取り組みを展開しています。

商品の開発事業としては、村内の米よね地区、山やまのかみの神地区をモデルに、NPO法人を中心に、その地域の自然環境の調査・保全活動を行い、 豊かな自然環境の中で育まれた米を、環境保全米「山乃神・里の神」としてPRし、付加価値販売に繋げていく取り組みを行っています。また、村内羽根沢温泉で提供する 料理開発として、鮭川村の主力産業であるきのこを活用した先付に九種の珍味を味わう「きのこ九珍」の開発や村の伝統芸能「鮭川歌舞伎」の定期公演に合わせた 幕の内弁当「花乃の錦絵弁当」の開発・販売等の取り組みを行い、集客に繋げております。

首都圏での村農産物等販売事業としては、東京都有楽町駅前交通会館で開催されております「交通会館マルシェ」への出店や首都圏ホテルと連携した 「鮭川フェア」の開催などを行い、村のPRや村内農産物の消費拡大を図っております。また、そのような中、通年で、村内の食材を使用していただけるホテルも 出てきており、シェフの方々に鮭川村におこしいただき、直接生産現場を見ていただきながら、村内農産物の消費拡大に向けて取り組みを行っております。

都市との交流事業は、村の交流都市であります東京都東村山市や荒川区との交流事業として、村におこしいただき、村内の観光地を巡って いただいたり、毎年秋に開催される「鮭川きのこ王国まつり」、「まるごとさけがわ鮭まつり」にご来場いただいております。また、今後は、荒川区の小学校と 地元小学校の交流として、地元の漁業組合の協力をいただきながら、鮭川村へ遡上する鮭を荒川区で飼育し、鮭川で放流する「鮭の里親事業」も予定しており、 さらに深い繋がりを築いていきたいと考えております。

都市からの誘客に向けた取り組みとして、平成23年度11月には、首都圏や仙台市の方々から、モニターを募り、鮭の採捕・採卵・受精体験などを行う、 モニタリングツアーを実施しました。22名の参加者が集まり、地元農家との交流会や鮭を使った「鮭の新切り」作りなどを体験していただきました。「鮭の新切り」は、 採捕した鮭を塩漬けにし、冬期間寒風にさらして作る村の伝統的な保存食で、2月に完成したものを参加者に送付し、大変喜んでいただいております。

  

有楽町交通会館マルシェ出店の様子

  

平成23年11月に開催した鮭川村モニタリングツアー

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全国唯一のきのこコンテスト

鮭川地域資源戦略会議の取り組みの一環として、鮭川村のきのこと鮭川村全体のPRを目的に、平成22年度から 「全国キノコ食味&形のコンテストin鮭川村」を開催し、今年で、第3回目を迎えます。

この大会は、日本国内で生産されているきのこを一堂に集め、その食味と形状を審査するもので、「消費者目線」で、きのこの食味を審査する大会は、 全国唯一の取り組みとなっております。

鮭川村は、全国でも有数のキノコの産地で、年間約6千トンのきのこが生産されております。その鮭川村で、全国規模のキノコのコンテストを 開催することにより、安全・安心なきのこ生産を行う農業者・農業団体を支援するとともに、国内産きのこの「美味しさ」や「安全性」等を広くPRし、商品価値の 向上と消費の拡大に繋げていきたいと考えております。

例年、市場関係者などのきのこの専門家や野菜ソムリエ、全日本司厨士協会等の食の専門家を審査員に迎え、全国から集まったきのこをプロの目線で 審査を行い、部門ごとに最優秀1点、優秀1点、入賞1〜3点を決定します。

コンテストの中では、特別講演として、きのこの健康パワーなどのPRや調理方法などを実践するなどして、きのこの消費拡大を図っております。

事業に取り組んで、3年目を迎え、今後は、出品数の拡大と受賞作品の有利販売に向けた取り組みに力を入れていきたいと考えております。

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更なるブランド化のために

農業生産者、商工業者の法人化や規模拡大などを、後押しするために組織した「鮭川地域資源戦略会議」、活動については前記しましたが、 農産加工グループ、農業法人の立ち上げなど少しずつ芽を出し始めています。6次産業化が叫ばれている昨今、所得向上のためいろいろな付加価値をつけながら、 独自の販路も拡大しブランド化にも力を傾注しています。

これまでも国の取り組みで、一村一品運動、地産地消運動、農商工連携など農業・農村の活性化の運動はいくつか展開されてきましたが、 地元の資源を最大限生かし、都市との交流も進め、観光も生かした、ナンバーワンでなく「オンリーワン」を目指した活動を推進しています。

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