全国町村会
 

シニア世代が光り輝く町

今年で6回目を迎えた「土佐街なみ町家の雛めぐり」

 

奈良県高取町

2813号(2012年9月10日)  高取町長 植村家忠

高取町は、奈良盆地の南部に位置し、吉野地方への入り口となっています。自然あふれる緑豊かな環境に恵まれる一方、 古代〜中世〜近世の歴史を物語る遺跡も数多く残り、それらが地域の住民によって大切に受け継がれている地域でもあります。   

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日本一の山城「高取城跡」

南北朝時代、豪族の越智氏がかきあげ城として築き、郡山城に入府した豊臣秀長の命により、1585年本多氏による大修築が始まりました。 本多氏以後、譜代大名の植村氏の居城となり、幕末まで続きました。 

標高583.9mの高取山山頂に築かれた高取城は、平地から高低差390mの難攻不落という視点から日本一の山城といわれています。 城内は周囲3q、郭内は周囲30qの規模を誇り、高取山全体が山城と言っても過言ではない規模となっています。今は、石垣を残すのみとなっていますが、 その壮大さにかつての栄華が偲ばれます。 

CGにより再現された高取城

  

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西国三十三カ所巡礼六番札所「壷阪寺」

高取町内には、全国から参拝者が訪れる壷阪寺があります。壷阪寺は、眼病に霊験あらたかという観音信仰で知られ、三重塔と礼堂は国の 重要文化財に指定されています。 

壷阪観音の信仰によって盲目の沙弥が開眼治癒したという話が「日本感霊録」にあり、『壷坂霊験記』のもととなったといわれています。 

 『壷坂霊験記』は今から300年あまり前、壷阪寺のふもとに住んでいた沢市という盲目の夫と妻お里の夫婦愛をテーマにした物語。  

沢市に献身的な愛を捧げたお里の願いが神仏に届き、観音様のご利益で沢市は目が見えるようになったというお話です。浄瑠璃をはじめ、 歌舞伎や浪曲にも取りあげられ、明治期には全国で大変な評判となり、ついには海外にまで知られるにいたった名作です。壷阪寺には、さわると夫婦の仲が 円満になるという「沢市の杖」や「お里・沢市の像」があります。

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全国有数の古墳密集地

古代、明日香村と高取町の地域は、今来郡(イマキコホリ)と呼ばれ、今来人(古代の渡来人)の代表格であった東漢氏(ヤマトノアヤウジ) が大陸からもたらした新しい文化が栄えた地であったと言われています。その証拠に、高取町内には、大小あわせて約800基の古墳が点在し、日本でも有数の古墳が密集する地域です。 

町内の古墳は、6世紀の初めから7世紀の終わりにかけて築造されたものが多く、7世紀後半につくられた「束明神古墳」は草壁皇子 (天武・持統天皇の皇子)の墓の可能性があるといわれています。 

その他にも、国史跡に指定されている「市尾墓山古墳」と「市尾宮塚古墳」の2つの前方後円墳があり、当時の有力な豪族が葬られているものと 考えられています。  

国史跡に指定されている「市尾宮塚古墳」

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「町家の雛めぐり」で観光客と住民の交流を

高取町は、人口約7,500人と年々減少の一途をたどり、高齢化率は30%を超えています。かつて、300軒を超える商店があった土佐街道には、 数えるほどの商店があるだけとなってしまいました。 

さらに、私が町長に就任した平成20年度当時は、町の財政状況が「赤字再建団体」に転落する一歩手前の状態であり、このままでは高取町が 衰退してしまう危機的状況でした。

しかしそのような中、かつての賑わいを取り戻すべく、城下町に雛人形を展示し、住民との交流・体験を楽しんでもらうイベントをシニア住民が 主体となり始めることとなりました。  

高取藩2万5千石の城下町として栄え、高取城跡に向かってまっすぐ伸びる土佐街道。石畳とカラー舗装により整備した土佐街道は、 その両側に水路が流れ、今なお江戸時代の面影が残る町家が並んでいます。 

この町家の玄関先に雛人形を展示してもらう「町家の雛めぐり」は、年々口コミで観光客が増え、6回目を迎えた今年は、4万6千人を 超える方に訪れていただきました。 

また、10月から11月にかけて「案山子めぐり」を、11月23 日には「たかとり城まつり」を開催しており、いずれも我が町の歴史や文化を 体感できるイベントとなっています。 

歴史的な面影が残る土佐街道

「たかとり城まつり」火縄銃実演

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住民と観光客のお話がヒット

「町家の雛めぐり」では、訪れていただく約8割がシニア女性です。「町家の雛めぐり」がシニア女性の人気を得た理由。 これは同世代の住民が積極的に関わり、観光客と地域住民が雛人形をきっかけに互いに話しをすることが出来ることだと感じています。 

観光地でボランティアガイドの話を聞くと、より違った目線で見られる効果と同じで、地元住民と話をすることでこの地域の良さや 特徴をより感じてもらうことができるのです。 

また、シニア女性の中には、戦時中や戦後で「雛まつり」をする世情でなく、もう一度自分のための「雛まつり」として訪れる方もおり、 同世代の住民と気持ちを共にすることができたことも一つの要因です。  

 他の有名な観光地では味わえない高取ならではの魅力を強みに、今後も「おもてなし」の心を大切に、イベントを盛り上げていきたいと考えます。 

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行政と住民の協力

 高取町の高齢化率は30%を越えていますが、シニア世代にはこれまで培ってきた「経験・知恵・技術」が豊富にあり、 またパワーもみなぎっています。この地元住民のかける思いに対して、行政はハード整備などでバックアップをしてきました。 

かつての行政主導ではなく、住民主導により運営するイベントを行政が支え、これにより地域がより活性化し、継続したイベントとして 成長することが期待できます。 

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今後の課題

3月1日〜31日の1ヶ月間開催する「町家の雛めぐり」。その中心として活動している方々の平均年齢は70歳を超え、 後継者の育成が課題となってきています。 

また、リピーターの観光客が多いことから、毎年工夫を凝らすことにより飽きさせないイベントづくりが必要だと考えています。 

行政としては、最寄り駅である壺阪山駅の整備や、お手洗いや休憩場所等の増設が今後の課題となっています。  

高齢化が進む日本において、高齢者がいきいきと暮らす町の代表として、今後も光り輝きつづけたいと思います。そのため、 今後も地域の特性と魅力を大切にしながら、さらに元気で夢のある町づくりに向け、高齢者が光り輝く町づくり、観光の振興などに一層積極的に 取り組んでいきたいと考えています。 

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