全国町村会
 

自然と調和したまち 持続可能なまち 菰野町

平成22年8月に菰野町で行われた生物多様性国際ユース会議エクスカーションに参加した世界の若者たち

 

三重県菰野町

2809号(2012年8月6日)

菰野町は、三重県の北部に位置し、南と東は四日市市、北はいなべ市、西は鈴鹿山脈の分水嶺を境に滋賀県と接し、町の面積は東西13q、 南北10.6qの107.28kuであり、面積の約4割にあたる西側部分は、鈴鹿山脈の主峰、御在所岳を有する鈴鹿国定公園に指定されています。そこは、 国指定の特別天然記念物であるニホンカモシカの生息地であり、県指定の天然記念物であるブナの原始林が広がるなど、学術的にも貴重な動植物が多数生息する 生物多様性の宝庫となっており、平成22年に愛知県・名古屋市で開催された生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)のエクスカーション(体験型の見学会) の場としても選ばれています。鈴鹿山脈を源流とする流れが集まり朝明川、三滝川という2つの河川となり、平野部にゆるやかな丘陵地と扇状地を形成しています。 三滝川流域には菰野・千種・鵜川原地区があり、朝明川流域には、朝上・竹永地区が広がり、5地区で町を形成しています。人口は、約41,000人、世帯数は 約15,000世帯の自然豊かな町です。その豊かな土壌には美しい田園や農村集落が広がり、まさに日本の原風景ともいうべき景色を四季折々の変化の中で体感することができます。

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COP 10関連事業を契機として

菰野町では、平成22年秋に、愛知県名古屋市で開催された生物多様性条約第10回締約国会議、いわゆるCOP10に関連した事業を実施しました。 これは、当町が都市近郊にあって豊かな自然を有し、また町民の環境保全意識が高い町として、COP10の開催に合わせて関連事業を誘致できれば、 当町の豊かな自然を世界の人々にアピールすることができ、当町のまちづくりの理念にも合致し、さまざまな効果が期待できると考えて取り組みました。

具体的な取り組みとして、平成22年のCOP10前後に行われたアジアユース会議、国際ユース会議、COP10それぞれのエクスカーション会場として、 たくさんの町民ボランティアによる運営スタッフに支えられ、世界中から来町した若者に菰野町の豊かな自然に触れてもらうことができたことは、大変、 有意義であったと思います。その効果を検証しますと、まず1点目は、町民の皆さんが身近にありすぎて忘れかけていた自然の大切さ、生物多様性の保全の 重要性について、改めて気づいていただくことができたことです。2点目は、この菰野町は、先人から受け継いできた世界に誇れるすぐれた地域資源の 宝庫であるという事実を知っていただくことができたことです。3点目は、こういった活動を積極的に情報発信することによって、菰野町の魅力を日本内外に 情報発信することができたことです。そして、4点目は、COP10の関連事業終了後も国の天然記念物に指定されているシデコブシ群落の保全活動、 あるいはホタルの育成、外来魚の駆除活動など形は様々ですが、生物多様性の保全を意識した菰野町の住民の皆さんによる取り組みが確実に根付いている点です。 言い換えると、このすぐれた自然環境の中にある地域資源を生かした人と人とのかかわりをベースにした活動の大切さを再認識することができたことが、 COP10関連事業実施による最大の成果であったと思います。

里山体験 水辺(ため池)

里山体験(里山林)

  

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ソーシャルメディアにやさしい町宣言

当町では本年5月1日、「ソーシャルメディアにやさしい町」を宣言しました。

インターネットの普及から20年近くが過ぎた現在、ツイッターやフェイスブックといったソーシャルメディアが情報流通メディアとして 非常に大きな勢力となっており、当町でも公式ツイッターや公式フェイスブックページによる情報発信を開始しています。

町がソーシャルメディアに注目している点は、あらゆる人があらゆる機会に情報を生み出し、発信する可能性を有していることであり、 つまり「口コミ効果」です。加えて、マスメディアや行政などが情報を発信(生産)し、町民の皆さんが受信(消費)するという固定化された役割が 取り払われつつあることも変化の特徴であると思います。

そこで当町では、菰野町に関係する個人や団体が、ソーシャルメディアを活用して、良質な情報をストレス無く発信できる環境をととのえることで、 地域の魅力を広く「伝達・拡散」していただけるような町を目指そうという思いから、「ソーシャルメディアにやさしい町」を宣言しました。

具体的な取り組みとしては、町内の各イベント会場や施設において、ソーシャルメディア上でユーザーが所在地情報を共有する 「チェックインスポット」登録を積極的に行ったり、携帯電話を手軽に充電できる充電スポットを「道の駅菰野ふるさと館」併設の食事処「マコモの里」 に設置するなどの施策を開始しています。しかしながらこのような施策よりも、まずはこの「宣言」の発信そのものにより、地域情報の拡散を担うユーザーの皆様に 意識を持って集っていただくきっかけをつくったことが一つの大きな目的であり、成果であると考えています。

一方で、新聞やテレビなどのマスメディアや町広報紙などは、これまでの歴史の中で築き上げられた情報発信ツールとしての社会的使命や情報の 信頼性の高さといった特色があります。今後も、その特色を活かしたマスメディアなどの積極的な活用に変わりはありません。

町としては、情報の生産と消費の関係が大きく変化することに着目し、そのメディアの特性を活かしながら、町民の皆さんや観光客の方々に 菰野町の良さをどんどん情報発信してもらうことを期待しています。

今年4月にオープンした「Montbellショップ」

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C級グルメと特産品開発

菰野町では、農業と観光の連携により地域の活性化を図るために「C級グルメ」と称して文化(culture)、地域(community)、 継続(continuation)の意味を含み込んだ特産品づくりに取り組んでいます。

●マコモ
菰野町の町名の由来といわれるイネ科の多年草のマコモについては、商工会を中心にブランド化を図る様々な関連プロジェクトが立ち上がり、 マコモ製品の伊勢神宮奉納やマコモを使用した料理コンテストなど町民の皆さんのご努力により取り組みの幅が広がってきています。ユニークな取り組みとして、 耕作放棄地対策として牛を放牧し、牛が雑草を食べることで田んぼを再生し、そこにマコモを栽培しました。秋には、農家の方と地元の園児たちが協力して収穫し、 それを調理して食事会を行うなど世代を越えた活動が盛んに行われています。そして、本年10月4日・5日には、これまでの菰野町の活動実績を評価いただき、 全国のマコモ生産者や研究者など関係者が一堂に会して情報交換を行う第7回全国マコモサミットを開催予定であり、現在、実行委員会を中心に準備を進めているところです。

●かやく飯
菰野町では、昔から豊作をお祝いする祭りで振舞われている「ごんぼ飯(かやく飯)」に着目し、特産品化する取り組みを進めています。ごぼうづくりは、 完全手作業で作付されているので大変な労力と時間を要しますが、自分が生産したごぼうが観光客へ提供されることが励みとなり、高齢者の生きがいづくりにも なっています。具体的には、ごぼう生産者組合が湯の山温泉内にある宿泊事業者と連携して「菰野かやく飯」を商品開発し、宿泊する観光客等に提供しています。 「菰野かやく飯」は、ごぼう、鶏肉、油揚げ等が入っており、鶏肉と調味料は県内産、その他の食材はすべて町内産野菜を使用し、「道の駅菰野ふるさと館」 においても持ち帰り用として販売しています。

●関取米
菰野町発祥の「関取米」は小粒良質米であり、すし米に好適であったことから、関東地方をはじめ全国的に有名となりましたが、次第に栽培されなくなりました。 しかし、三重県農業研究所で種子保管されていたわずかなもみ種を入手し、復活栽培させながら、生産者や酒蔵、酒屋、飲食店などが連携して日本酒や寿司メニューの開発に 取り組んでいます。昨年10月には、三重県との共同研究協定を締結し、さらに専門的な見地から品種改良や栽培技術の確立を図ることとしています。

実行委員会を中心に準備を進めている全国マコモサミットのパンフレット

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