全国町村会

「温もりと活力ある まちづくり」
〜情報と人・もの・自然・文化に出会う会津嶺の里〜

  

磐梯町の航空写真


福島県磐梯町

2793号(2012年3月19日)  磐梯町長 五十嵐 源市

はじめに

磐梯町は福島県会津地方北東部に位置し、秀峰「磐梯山」をはじめとする豊かで美しい自然環境に包まれるとともに、平安時代初期に徳一菩薩が慧日寺を創建し、会津仏教文化発祥の地として栄えるなど、悠久の歴史と文化、伝統を有する町であります。

町土は、総面積が59.69平方kmで、うち約70%が磐梯朝日国立公園を含む山林で占められ、起伏の多い山岳地となっており、この地形を活用して、スキー場やゴルフ場が立地しております。

気候としては、日本海型気候の地域に属し、年間平均気温は10℃前後で夏期は比較的しのぎ易い一方、冬期は平均150pもの積雪があり特別豪雪地帯となっています。

また、人口は3,849人、世帯が1,202世帯(平成24年2月末住民基本台帳)で、高齢者率が29.7%となっており、過疎地域指定の町であります。

現在の磐梯町は明治22年の市町村制施行の際、4ヶ村が合併し磐梯村となり、昭和35年4月に町制を施行し、その後平成の大合併において町民の多くの声をもとに、自立という道を選択し、今日に至っております。

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幼小中一貫教育

「まちづくりは人づくり、人づくりは即ち教育である」との理念に基づき、基礎学力の向上や豊かな人間性の涵養、体力の向上を目指して、平成16年度から町独自の幼小中一貫教育を導入しています。

英語、算数・数学を中核に幼稚園から中学校まで連携して連続性のある教育を行うとともに、幼児教育の重要性を考慮して子育て中の若者世代の負担を軽減するために幼稚園保育料の無料化を実施しています。

更には、昭和63年のカナダ国オリバー市との姉妹都市締結を契機として、平成元年度から相互間の教育交流をスタートし、ホームステイなどを通じた相互親善交流、語学指導外国青年招致事業や町独自の語学指導助手の招致など、語学教育の環境充実に努め、国際理解とともに国際人としての自覚を体得する教育を実践しています。

また、IT化社会に適応できる個性と創造性豊かな人材を育成するため、平成15年から整備を開始した光ファイバー網を活用し、積極的な情報教育にも取り組んでいます。

今後の取り組みとしては、平成24年度より中学校の校舎、体育館などの建替え整備に着手し、さらなる教育環境の充実を図る計画であります。

  

幼小中一貫教育(幼稚園での授業風景)

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悠久の歴史と文化のまち

史跡慧日寺跡は、今からおよそ1200年前、理想の仏法を追い求めて南都(奈良)を離れ、霊峰磐梯山の麓にたどり着いた一人の若い学僧「徳一」によって開基された東国を代表する寺院跡です。その広大な寺院跡は昭和45年に国の史跡に指定され、以来、町をあげてその保存に努めてまいりました。

その経過の中で、町は史跡慧日寺跡の整備事業を「特色あるまちづくり」の重点施策に位置付け、約17万平方メートルにも及ぶ広大な指定地のなかで、20年以上にもわたり発掘調査を行い、並行して中心伽藍部の整備計画を文化庁はじめ有識者からのご指導をいただき進めてまいりました。

こうしたなか、平成19年より、国指定史跡の寺院跡では、全国初となる金堂・中門の復元が順次なされ、仏都会津のシンボルとしてのみならず、日本の古代寺院建築史の空隙を補う施設としても広く活用されることが期待されております。

また、隣接する磐梯山慧日寺資料館は史跡慧日寺跡・徳一関連の資料などを多数展示公開しております。

今後は、引き続き学術調査を進めるとともに、復元された金堂・中門の有効活用を図るべく、寺院跡を意識したイベントや企画展などを開催してまいります。

この他にも磐梯町には、福島県指定重要無形文化財としての「磐梯神社の舟引き祭りと巫女舞」、町指定無形文化財「会津赤枝彼岸獅子舞」など、多くの行事・文化が伝承されております。

  

復元された金堂と中門

  

巫女舞

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観光のまちへ

本町は、磐梯朝日国立公園内の磐梯山や厩嶽山・猫魔ケ岳等を北限として、南限は猪苗代湖を水源とする一級河川日橋川が流れ、磐梯西山麓湧水群は日本名水百選にも選ばれ、豊かな自然と環境をもった山紫水明の町です。夏期には多くの登山客でにぎわい、大自然を満喫しております。

また、総合保養地域整備法(リゾート法)の第1号として承認され、行政主導型による整備がなされた、スキー場・ゴルフ場・日帰り温泉施設を備えるオールシーズン型の「アルツ磐梯リゾート」やオーナーの個性が光るバリエーションに富んだ「七ツ森ペンション」、テニスコートやゲートボール場、アスレチック広場など家族連れで楽しめる「おおるり公園」など、四季を通して訪れる人々に憩いの場を提供しています。

さらに、平成21年にオープンした「道の駅ばんだい〜徳一の里きら〜」は新鮮野菜や手芸品おみやげなどの地場産品はもちろんのこと、青森県むつ市との交流により山でありながら海の物が楽しめるとあって好評を得ています。町の名産であるそばの実を使った「そばソフト」もおすすめです。

  

磐梯山頂からの展望

  

道の駅オープン

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保健医療福祉センター「瑠璃の里」

当町において、ライフスタイルの変化、核家族化の進行に伴い、高齢者世帯や一人暮らし高齢者世帯、要介護世帯も増加傾向にあることから、町民の福祉の充実、向上を図るため、社会福祉協議会の活動の活性化とともに老人福祉センター及び保健福祉センター整備を行って来ております。

さらに、平成12年4月にオープンした診療所を核とした保健医療福祉の複合施設「磐梯町保健医療福祉センター(瑠璃の里)」の活用によるデイサービスセンターや現在の居宅介護支援事業所等の強化を図り、リハビリや健康づくりに向けて安心して生活できる「長寿・福祉社会」の実現に向けて幅広い事業活動の展開を図っています。

平成15年11月には介護保険制度のもと医療と介護、自立支援を兼ね備えた磐梯町介護老人保健施設「りんどう」を開設し、医療を受ける本人はもとより、介護している家族の負担軽減を図っています。

また、一人暮らし高齢者などの安全な生活確保のため、緊急電話の導入を図るとともに、保健師やホームヘルパーによる訪問、指導活動を含めた一人暮らし、寝たきり高齢者対策等の推進並びに、身体障害者福祉対策にも力を注いでいます。現在整備中のIP告知サービスでは高齢者の安否確認も可能となるなど、安心、安全なまちづくりに取り組んでいます。

  

磐梯町保健医療福祉センター「瑠璃の里」

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ITを活かした魅力あるまちづくり

情報化社会と呼ばれ、住民の価値観やニーズが多様化する中、本町では地域間による情報格差をなくすため、平成16年度に磐梯町地域情報基本計画を策定し、全町に光ファイバー網を整備しました。この整備により、ブロードバンドの普及率も高まり子どもから高齢者までインターネットを楽しみ、ITが生活の一部になっております。

平成22年度からは、今までの防災無線に代えて光ファイバー網を活用した防災行政情報システム(TV電話)の整備を行っております。「音声」だけではなく、「文字」、「画像」による情報発信は、住民生活利便性の一役を担っております。

これからも、ITの技術は進歩し、ますます便利な情報化社会になることが予測されますが、住民ニーズを的確に捉えながら、時代の波に取り残されないよう情報化を進めてまいります。

  

ITを使った合同児童学習会

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若者等定住住宅政策

町は、少子高齢化や人口減少に歯止めをかけるため、特に若者の定住化に向けた住宅施策に取り組んでおります。

具体的には、平成17年度から子育て世帯を対象とした若者定住住宅の整備を行っており、同年度には4棟12戸の整備を行い、夫婦12組、12歳以下の子供21名、計45名が入居し、少子化対策に一定の成果を上げることができました。

以来、平成23年度までに31戸の若者等定住住宅整備を行い、夫婦31組、子供55名が入居し、さらには平成24年度にも6戸の若者等定住住宅の整備を計画しており、県内で人口の流出が危惧される中、歯止めをかけるとともに、ある地区においては小学校の複式学級が解消されるなどの成果が着実に現れてきております。

また、七ツ森地区に若者定住促進住宅地分譲事業(一区画120万円)や民間活力による住宅整備の推進など、今後ますます子育てに良好な住環境の確保に努めてまいります。

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まちの産業

町の産業別就業構成は第1次産業18.2%、第2次産業28.6%、第3次産業53.2%となっております。

第1次産業の農業は水稲を中心にホウレンソウ、そば、しいたけ、リンゴ、蜂蜜など野菜・果樹・工芸物を生産しておりますが、従事者の高齢化と後継者不足が深刻化しており、大きな課題となっています。

このような中、担い手である専業農家の持続的発展を促すため、経営的に効率・安定化を図れる生産構造の改善と「米」を中心とした販売ルートの新たな開拓など、経営基盤の充実強化を目指した、「ミニライスセンター構想」に取り組んでいるところであります。

地元企業としては、日曹金属化学渇津工場やレンズ製造業である潟Vグマ会津工場、名水を活かした榮川酒造株ヨ梯工場や轄イ川磐梯山製氷工場などが立地しています。既存企業の発展はもとより、さらなる魅力ある雇用の場の確保、若者が就業できる環境を整備するために、本町の資源特性や環境を生かした企業の誘致に向けて、現在取り組んでいるところであります。

  

シグマ工場

  

磐梯山とソバ畑

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おわりに

平成23年3月11日発生の東日本大震災による被害は、幸いにして大事に至らなかったものの、原発事故による風評被害は、震災の被害を受けていない当町においても、農産物や観光をはじめとする、あらゆる業界に大きく影響を及ぼし、地域経済全体の停滞を招いております。

今後、この状況からいち早く脱却できるかが、最優先課題となっており、これまで安全・安心を確認するため米をはじめとする農産物のモニタリング調査や観光誘客事業やPRなどに努めて来たところであります。

これからもこの状態に負けないように、住民の安全と安心、さらには地域の活性化に結びつく各施策を町民と一体となり展開して行く所存であります。一人でも多くの方々が、当町を訪れ、すばらしい自然や文化に触れていただきますよう、お願い申し上げます。

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