全国町村会

奥入瀬川の恵みと笑顔あふれるまち
〜私たちのまち 私たちの手で満足度70%納得度 100%のまちづくり〜

  

町内を潤しながら流れる奥入瀬川(遠景は八甲田連峰)


青森県おいらせ町

2790号(2012年2月20日)  おいらせ町企画課

はじめに

おいらせ町は青森県の南東部に位置し、南は八戸市、北は三沢市に接し、それぞれの中心部には車で20分から30分の距離にあります。さらに西には十和田市があり、ここへも同程度の距離にあります。このため新幹線八戸駅、あるいは三沢空港にも比較的近く、その他にも東北自動車道やそれに連なる有料道路が南北に走り、そのICも2カ所設置され、第3セクターの青い森鉄道駅も2駅あるなど交通の便には非常に恵まれた地域です。

また、本州北端の県にある本町ですが冬も降雪量は多くなく、年間降雨量も1,000ミリ程度と暮らしやすい環境にあります。

町の南部には国立公園十和田湖を源とする奥入瀬川が流れ、流域を潤し水田が広がっています。また、北部は台地が広がり畑作が盛んです。

一方、町の東部は太平洋に面しており漁業も営まれています。

このほか、工業団地などには誘致企業が31社操業しています。

さて、本町は平成18年3月1日に旧百石町と下田町が合併して誕生した、まだ6年の若い町です。町名の由来は、町を流れる奥入瀬川からのもので、親しみやすさと奥入瀬渓流のある地域と区別するためひらがな表記の町名になりました。

人口は1月1日現在25,100人余りで、県内では稀な人口が増加している町で、人口規模も町村では1番の町です。要因としましては、前述のように周辺3市に近く、交通インフラが整っている、あるいは自然環境が良いなどからベッドタウン的要素が強いことが挙げられると思います。また、少し古くなりますが、当時では東北最大級といわれたショッピングセンターが平成7年に立地したこともその1つと考えられます。

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満足度70%、納得度100%のまちづくり

前に記したとおり、本町は平成18年3月に合併しました。そこで、旧町の成果を引継ぎ、さらなる発展を目指すべく第1次おいらせ町総合計画を策定しました。目指す将来像を「奥入瀬川の恵みと笑顔あふれるまち」とし、平成30年を最終計画年次に定めています。

その詳細は省きますが、この計画の特徴的なところの1つは、取組みの対象や目指す姿を明確に示している、また達成指標を数値化しているという点です。ある施策について、それを実施することによって将来はこのように「なっている」と結果を想定した表現で示し、例えばコミュニテイ関係であれば、町内会への加入率や住民自治組織数などを現状と目標値を示すというものです。これは状況を把握しやすく共通認識しやすい、具合的でわかりやすいという効果があります。

2つ目はキャッチフレーズに謳っています「私たちのまち 私たちの手で 満足度70%、納得度100%のまちづくり」ということです。これはまちづくりは住民が主体ということと、情報を共有し合い、対話し、お互いの合意形成を図るという意志が含まれています。

つまり、今の経済情勢の中、持続可能な町であるためには「それぞれ判断基準が違う住民の多様なニーズに対し満足度100%を達成することは困難」との考えで「その行政サービスを提供できない」とすればその理由を説明し合意形成を図ることにより納得してもらおうという考え方です。最初から目標値を下げて取組むのでのではなく、説明責任を十分果たし、それで納得してもらえたなら満足度も高まるのではないかということです。現実となるとむずかしい面もありますが、そうした姿勢を大事にしなければと思います。

  

達成目標を数値化した町総合計画書

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町の憲法「自治基本条例」の制定

本町は合併に伴い、総合計画とは別にもう1つ町の柱となるものを作りました。それは、町の憲法ともいわれる「自治基本条例」です。

この条例は町民の権利、町民、行政及び議会の役割と責任を明らかにするなど、自治の原則と仕組みに関する基本的な事柄を定めたものです。この中には毎年度運用状況の検証作業を行うという規定も謳っています。ですから、単に「条例をつくりました。後はそれぞれで」ということではなく、後々その運用状況が問われる仕組みになっているということで、条例の理念が担保されるということになります。

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おいらせブランド確立への取組み

町では合併を機においらせブランドの確立にも取組んでいます。これまでは、農産物やその加工品、あるいは観光など色々な資源があるものの、それぞれ個別に事業展開をしてきていました。

しかし、それではアピール度も弱く、全体的な波及効果が期待できない、もっと総合的な取組みをと、平成19年度に地域ブランド戦略を取りまとめました。そして「おいらせ」をキーワードに全国発信できる地域ブランドをつくろう、それを地域づくりに、産業振興につなげようという取組みがスタートしたわけです。

このため、推進母体となるおいらせ町ブランド推進協議会を立上げ、行政も関係課が連携しサポート体制をとっています。協議会には町内のさまざまな分野の方々に参加していただき、@観光A特産品開発Bイメージアップなどの取組みを進めてきています。具体的には、町のイベント(鮭まつりなど)と農業体験を絡めたモニターツアーの企画や地元産品を使った新たな特産品の開発、販売ルートの開拓、認定品制度の創設、あるいは中央のイベントなどに出店して商品のPRをしながら評価を受けるなどなどです。平成22年度からは町内ショッピングセンターにアンテナショップを出す取組みもしてきました。

これらの取組みはいま緒についたばかりであり、ましてこの種のものは一朝一夕に結果が出るものではなく、今後息の長い取組みをしていかなければと考えています。

  

イベントで特産品などをPR

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太陽光発電設備設置に補助光回線未整備地区の解消

本町では今年度から一般家庭を対象に太陽光発電設備を設置する場合、経費の一部を助成する制度を創設しました。これは平成21年度に策定しました「おいらせ町地域新エネルギービジョン」に重点プロジェクトとして太陽エネルギーの活用を掲げており、それを具体化したものです。

内容としましては、1キロワット当り4万円、最高額で16万円を助成するというもの。当初は20件分の320万円を予算措置していましたが、要望が多く、さらに30件分の増額をしています。

ビジョンの中では「エネルギー・環境教育」も重点プロジェクトとしていますほか「バイオマス」や「BDF」の取組みなども推進プロジェクトとして位置づけており、今後これらも推進していく予定です。

この他ICT関連で若者の定住や利便性の向上のため、光回線の未整備地区の解消に取組んでいます。本町内には電話局の管理区分の都合で、光回線が利用できない地域がありました。このため、町が総務省の交付金などを活用して回線の整備をし、IRU方式により通信事業者が光ブロードバンドサービスを提供しています。

  

補助制度創設で太陽光パネル設置にはずみが(イメージ)

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自由の女神 日本一の鮭まつり

本町の少しユニークなものをご紹介しますと、自由の女神像が挙げられます。これは、かつてのふるさと創生の1億円の交付金の一部を充ててつくったもので、地域活性化の起爆剤にとの狙いでつくられました。なぜ本町に女神像かといいますと、本家のニューヨークと同緯度ということがその答え。懐かしさを覚えるのか、隣の三沢市にある米軍基地のアメリカ人などが訪れるようです。

また、毎年11月に開催していますおいらせ鮭まつりは町の風物詩的イベントで、その日使われる鮭の数が2,000匹で日本一ということでギネスに載ったこともあります。これは、奥入瀬川に遡上してくる鮭を特設の生簀に放し、それをつかみ取りするというのがメインのイベントで、この日は米軍の関係者の来場も多く国際色豊かな雰囲気の中で1日を楽しむことができます。

  

ニューヨークの女神像の妹?町の観光名所の1つに

  

つかみどりした鮭を手に笑顔の参加者

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最後に

いろいろ町の取組みなど紹介してきましたが、おぼろげながらでも本町をイメージできましたでしょうか。たぶん、文才の無さもあり文面では十分伝えきれていないのではと思っています。それでも、本州の端っこにもみんなで力を合わせ一生懸命頑張っている町があるということを、ぜひ記憶の端っこにでも留めておいてもらえれば幸いです。

なお、「百聞は一見に如かず」です。ぜひ一度お立寄りいただきたいと思います。その際はくれぐれも国立公園奥入瀬渓流のほうではなく、そこから流れいずる奥入瀬川の東端の町ですのでお間違いのないように。

平成23年3月11日、本町は東日本大震災に見舞われました。幸いにして死者は出なかったものの、住宅など建物や農林水産業は大きな被害を受けました。

しかし、皆さまからの温かいご支援や励ましによりまして、いま復興に向けてがんばっております。紙上をお借りしましてお礼申し上げます。

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