全国町村会

人 自然 歴史が調和した活力あふれるまちづくり
―住民満足度の向上へ―

 


   

   

   

   

千葉県酒々井町

2767号(2011年7月18日)酒々井町長 小坂 泰久

水と緑に包まれた豊かな自然

酒々井町は、千葉県の北部、北総台地の中央に位置し、人口21,244人(平成23年6月1日)、総面積19.02平方km、東西4.2q、南北6.2qと小さくまとまった町域となっています。また、都心から50q圏内にあって、緑豊かな自然環境と温暖な気候に恵まれています。

町名は、北部に印旛沼、南部には高崎川周辺に田園地帯が広がり、清らかな湧水や地下水が豊富なことから、親思いの孝行息子が見つけた井戸から汲んだ水が酒になったという「酒の井伝説」に由来しています。

天正19年(1591年)、徳川家康の町建てにより中世の町として誕生し、 明治22年の町村制施行により近隣16か町村が合併し、新生「酒々井町」が誕生して以来、120年余り独立独歩の町として着実な歩みを続け、昭和40年代後半から昭和50年代にかけて大規模な住宅開発に伴う急激な人口増加によって、農業中心の町から都市機能を備えた住宅都市へと変貌し、人口2万人を超える町へと発展しました。

平成17年3月の住民投票により、隣接する佐倉市との合併をしないことで自主自立の道を選択し、地域の活性化を目指しながら町民の誰もが住んでよかったと思えるまちづくりを進めています。

    酒の井伝説

    奈良二彩椀

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眠りから覚めた歴史的文化遺産

酒々井町には、約3万年前の旧石器時代の遺跡、奈良時代の二彩椀や千年前の印東庄(いんとうのしょう)の景観が残り、戦国時代には下総の国(現在の千葉県北部と茨城県南部)に君臨した千葉氏が本佐倉城を築城してから豊臣秀吉の天下統一により滅亡するまでの約100年にわたり政治、経済、文化の中心的役割を果たしました。

江戸時代には佐倉藩の城下町として、また徳川幕府直轄の佐倉牧(野馬牧場)の野馬会所の地、さらには成田山や芝山参詣客の宿場町として栄えました。

町の長い歴史の中で最も脚光を浴びたのは、今から約500年前、下総守護の居城、本佐倉城の時代でした。この城跡の規模は35万平方mにもおよび、現在でも土塁や空堀などがほぼ完全な姿で残されており、重要な文化財として平成10年に国の史跡に指定されました。

町では、「国指定史跡本佐倉城跡整備実施計画」を策定し、発掘調査を平成15年から始め、城山郭からは城主が執務や接待をする主殿や会所などの大形の建物跡、櫓跡、門跡、塀跡が見つかり、本佐倉城は今再び目覚めようとしています。現地ではボランティアガイドによる案内で楽しむことができるので、戦国時代に想いを馳せながら散策してみてはいかがでしょう。

また、町内3地区( 墨・馬橋・上岩橋)で笛や太鼓の音に合わせ、五穀豊穣や家内安全などを祈願して演舞される獅子舞が残されています。これらは江戸時代から続く「三匹獅子舞」で、それぞれの地区の個性が見られ、今なお地元の方々の手により伝承されている「獅子舞の里」の見どころとなります。

    国指定史跡 本佐倉城山郭

    獅子舞の里

    

    

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酒々井ブランドの創出

しすいハーブガーデンは、「ハーブのまち酒々井」を広く皆さんに知ってもらおうと、ふるさと産品育成協議会と町との協働によって、世界各地のハーブを150種類以上収集して植栽した本格的なハーブガーデンです。

春から秋にかけてガーデン内ではそれぞれの季節の愛らしい花々が咲き、爽やかに香る風に揺れています。なかでも特に目を引くのが、細い茎に大輪を咲かせる「新しいハーブ・デイリリー」です。日本や中国を原産地とする日光キスゲやノカンゾウが品種改良されたもので、ビタミンや鉄分を豊富に含みヘルシーでおいしい食用花として人気があります。

園内には観賞用ガーデンのほかハーブショップでは、ハーブ苗やクッキー、ジャム、ハーブティーなどハーブ関連商品を多数取り揃え、平成20年10月からは喫茶コーナーをリニューアルし、ハーブを使った軽食なども楽しむことができ、今では年間約1万人の来場者で賑わっています。

また、35年前から秋に行われている「ふるさとまつり」は、町の特産品や産業の紹介、新鮮野菜の即売やチャリティバザーなどが行われ、町民と町が一体となった一大イベントとなっています。

そして、地名にちなんだ酒々井ならではの魅力を再発見しようとの住民の発案に地元の蔵元が賛同し、皆で楽しむ「酒々井新酒祭」が今年6年目を迎えています。

さらに、平成22年度には協働のまちづくりのもと、地域産業の発展と観光振興、町のイメージアップを図るため、商工業や農業者、郷土を愛する町民の方々、それに町を加えた「酒々井ブランド創出会議」を組織し、地域資源を活用した新たな特産品やイベントを「酒々井ブランド」として開発・創出するための調査・研究を行っています。

これまで、公募によりたくさんの「酒々井ブランド」のアイデアが寄せられ、今後、幅広い意見を取り入れながら具体化への検討をしているところです。

    ハーブガーデン喫茶コーナー

    

朝一番にしぼった新酒をどうぞ(新酒祭)

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優れた都市基盤

美しい自然や豊かな緑の保全に配慮し、機能的で快適なまちづくりを進めるには、交通体系や上下水道など都市としての基本的な基盤整備が不可欠です。

町内の鉄道は、JR成田線、総武本線、京成成田線の3線に4つの駅が配置され、東京へ約1時間、成田空港へ約15分で結ばれています。JR酒々井駅への快速電車の全便停車やJRと京成の両酒々井駅舎と駅前広場、さらにはエレベーターの整備も平成22年までに完了し、利便性が向上しました。

一方では、路線バスの一部廃止などから高齢者の増加に伴う公共交通に対する要望が多様化しており、平成16年に自宅から目的地まで送迎するデマンド交通システムによる「しすいふれ愛タクシー」の運行を開始し公共交通手段を確保しています。

道路は、主要国道51号線と296号線の2本が縦横に走り、4車線化により渋滞緩和を図るほか、東関東自動車道の(仮称)酒々井インターチェンジが平成25年春の開通を目途に整備され、その隣接地には大型アウトレットを開発・運営する企業の進出が決定し、インターを中心とした周辺道路網の整備も進められています。

計画給水人口6,200人の広域簡易水道事業から開始した上水道は、現在では計画給水人口22,700人、1日最大給水量9,100立法mの事業認可を受けて運営しており、普及率は92.9%となっています。町名の由来にもあるように豊富な地下水により、現在10本の取水井で水源の大部分をまかなっています。

また、下水道は、印旛沼流域関連公共下水道事業として544haの事業認可を受けて実施しています。平成22年度末の整備面積は380haで、普及率は90.9%となっています。市街化区域の整備はほぼ完了し、引き続き市街化調整区域への拡大を図るとともに、平成26年度の公営企業法適用化を目指しています。

幸いにしてこの度の東日本大震災では、町民への大きな被害はなく、都市基盤にも大きなダメージがなかったことも「酒々井ブランド」の一つとして安全なまちをアピールしていくことも大切なことだと考えています。

    JR酒々井駅

    京成酒々井駅

    

デマンド交通システム ふれ愛タクシー

    しすいの水

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先進福祉千葉県一のまちづくり

酒々井町の高齢化率は、平成7年に9.9%でしたが、15年後の平成22年は21.5%と倍増しており、さらに15年後の平成37年には32%に達することが見込まれ、急速に高齢化が進展しています。

また、財政状況は、町税の減収が予想される中で社会福祉関係経費等の扶助費や施設及び設備の老朽化などに伴う維持補修費等の増加により、財政収支はさらに厳しいものになると見込まれています。さらに商工業や農業では、従事者の高齢化や後継者不足が深刻化しており、遊休農地の増加とともに環境や美観などへの影響が懸念されています。

このようなことから、未来に向けたまちづくりについて考えようと保健、医療、福祉、スポーツ・レクリエーションサークル、商工業及び農業の関係者など様々な分野の方々で構成する「先進福祉ビジョン懇談会」を設け、平成22年6月から9回にわたり多角的な視点から「先進福祉千葉県一のまちづくり」すなわち「地域のつながり、支え合い、助け合い及び郷土愛を基本として、町民一人ひとりが自然と文化と調和した健康で幸せな生きがいのある豊かな生活を送れるまちづくり」について自由闊達に議論を重ねてきました。

先ず現状を把握し、今後の各種施策の方向性を議論する中で、解決すべき課題や問題も浮き彫りとなりました。

今後、様々な施策を推進し課題などを解決するためには行政と町民が一体となって協働することが必要であり、特に町民のいろいろな活動への自主的、積極的な参加及び支え合い、助け合いが重要であり、施策の推進にあたっては先ずできることから実現していき、将来に向かって不可能と思われることでも可能に変えていく関係者の努力や情熱が必要となります。

    

首都圏最大級 パークゴルフ場

   

 順天堂大学裸まつり

    

年間8万人が来場 ちびっこ天国

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コンパクトシティを目指し、町自体をブランド化へ

町はこれまで簡素で効率的な行政運営に努め、職員の意識改革と行財政改革により、財政力の向上を図るとともに、節減した予算を活用し、子育て支援や安全・安心のまちづくりなど新たな施策に取り組んできました。

特に平成22年度は、町独自の施策として子ども医療費の助成を小学校6年生まで拡充して実現するなど、子育て環境の充実を図ったほか、各小中学校の耐震化工事の完了により、当町はいち早く学校施設耐震化率100%を達成することができました。

さらに、ユニバーサルデザインのまちづくりの一環として、JR・京成両酒々井駅のエレベーターも供用が開始され、中心市街地の活性化への取り組み、急速に進む少子高齢化社会への対応など、持続可能なまちづくりへの基盤づくりを着実に行ってきました。その結果、中心市街地での商業施設の立地などが進んでいます。

今後は、これまでの取り組みの成果を踏まえ、地域間格差のない優れた都市基盤をはじめ、町の歴史的な文化遺産、景観や恵まれた自然環境など、まち独自の特性や強みを最大限に活かしながら、行政サービスの質を高め、町民満足度の向上に努めていきます。

そして、生活機能の整った、歩いて暮らせる成熟した「まち」、子どもから高齢者まで、すべての人たちがいきいきと安心して暮らせる「コンパクトシティ酒々井」を目指した取り組みを推進していきます。

    

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