全国町村会

個性と知恵と協働で創造する豊かなまちづくり
〜自然と文化と温泉のまち〜

  

大石神社秋季大祭 兵児踊り


鹿児島県さつま町

2750号(2011年2月21日)  さつま町 総務課 上野 俊市

はじめに、さつま町の簡単な地勢と特性を紹介いたします。

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自然を満喫できる町

さつま町は、平成17年3月に宮之城町・鶴田町・薩摩町の3町が合併して誕生した山紫水明の静かな町です。現在の人口は約24,120人(平成22年国調速報値)で、鹿児島県の北西部、鹿児島市から約50qに位置し、周囲を山々に囲まれた盆地で面積は303.43km、町のほぼ中心を南九州一の大河である「川内川」が貫流しています。

社会基盤では、主要都市に通じる国道267号、328号、504号が市街地を中心として放射状に整備されており、更に現在、504号については、空港にアクセスする地域高規格道路としても整備が進められています。

観光としては、町内各地に湧き出る温泉で癒される湯の町としても知られ、全国でも珍しいペット温泉もあります。また、豊富な緑と水を活かした「県立北薩広域公園」「観音滝公園」は、県内外のお客で賑わっており、その他、ホテル・ゴルフ場を備えた滞在リゾート施設もあります。

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豊富な温泉で心が癒される町

宮之城温泉、紫尾温泉、観音滝温泉をはじめ、健康増進施設など21カ所もの温泉施設があり泉質が良く、歴史のある温泉のまちとして名声を誇っています。

なかでも、紫尾神社拝殿下に源泉をもつことから、「神の湯」の名を持つ紫尾温泉は地域の人々や町内外の多くの方々にも愛されています。

毎年5月下旬になると地区内にホタルが飛び交い、幻想的な光景を露天風呂から眺められるのも魅力のひとつで観光客に人気のスポットです。

   

紫尾神社

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人が地域が元気なまち

町内の各地域には、川内川や森林、温泉、ホタル等の優れた地域資源を活用したイベントや伝統行事など様々な取り組みが盛んに行われています。特に地域住民による手づくりのイベントは地域の自然、特色を十分に生かしたイベントとして定着しています。

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ふれあい体験できるまち

本町には、県立北薩広域公園や鶴田ダム、観音滝公園などレクリエーション施設も充実し、歴史、文化、芸術、伝統芸能などを組み合わせた複合的交流環境も整っており、温泉施設を核に、川内川を活用したホタル舟の運航など数多くのイベントや観光公園、観光農園、体験農業など、グリーン・ツーリズムの滞在型交流人口の増加に向けた取り組みを進めています。

   

柊野ひがん花祭り

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自然を活かした手づくりイベント

先ず「奥薩摩のホタル舟」についてご紹介いたします。

奥薩摩のホタル舟運航が始まったきっかけは、地元新聞に川内川の岸辺でホタルが乱舞する模様が掲載され、これを観光資源として活かせないかと地元の有志が立ち上がり、実行委員会組織を立ち上げたのが始まりです。当実行委員会のコンセプトは、行政に経済的な援助は求めず、地元の観光資源を最大限に活用し、ボランティアスタッフで運営するというものです。

平成14年から始まったホタル舟の運航で、乗船者数は延べ1万7千人、運航期間中の乗船者数も平均2千人を超えるなど、地元旅館への宿泊者数も増加するなど経済効果とイメージアップに繋がっています。平成15年度には鹿児島県表彰(観光まごころおもてなし表彰)、19年度には地元テレビ局の特別表彰など、「自然を活かした手づくりイベント」の活動が評価され受賞を受けました。なお、ホタル舟の運行は、町内2ヶ所で行っており、それ以外の地区でも鑑賞できます。

平成18年7月の豪雨災害でホタルが激減しましたが、現在では地元住民の方々やボランティアスタッフの懸命な努力により、徐々にホタルたちが増えてきています。

みなさんも、川内川中流域を棹さしによる舟でゆっくりと川下りを満喫しながら、両岸に飛び交うたくさんのホタルの光の乱舞を鑑賞できます。その光景は幻想的で別世界にいるような気分になれます。(5月9日から受付開始)是非のお越しを!

   

奥薩摩のホタル舟

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異文化の導入と新たな交流の創造

合併以前の旧鶴田町が、青森県鶴田町(つるたまち)と全国に二つしかないという同町名の縁から平成9年8月姉妹都市盟約を結び、「鶴の架け橋交流」という名称で「五つ太鼓」伝承や「鶴凧」の製作技術の交流など、民間レベルの交流や児童生徒同士の北国と南国の交流などを平成17年3月の合併まで行っていました。

合併後は、新町さつま町となったため行政同士の交流は数年止まった状況にありましたが、さつま町が平成22年度に合併5周年を迎えたことと、平成23年3月新幹線で鹿児島・青森間が繋がることを記念して、青森県鶴田町(つるたまち)から伝統芸能の「ねぶた」を贈っていただきました。

◇異文化で町に元気を!

全国的にも名高い「ねぶた」をさつま町夏祭りやイベント等で活用することで、地域の元気再生の起爆剤にできないか。また、九州新幹線の開業により青森と鹿児島が線路で繋がり記念すべき新幹線開業と交流人口の呼び込みにより、情報発信と地域活性化に大きく貢献するものと確信いたしました。

さつま町も、貴重な郷土芸能を有効に活用するため、関係団体や町民と受け入れ態勢の整備を図りながら、双方の町民が喜んでもらえる演出方法を検討し、5周年記念式典と郷土芸能発表会の同日夜に町のメインストリートで運行を行うことで調整しました。

11月13日、170人の出席を得て友好交流の締結式を行い、翌14日には、中野司町長以下総勢85名のハネト・囃子方などが祭りに加わり、約1時間にわたり街を練り歩きました。沿道には、約4千人の見物客が訪れ、笛や太鼓のにぎやかな響きと「ラッセラー、ラッセーラー」の掛け声とともに跳ね踊る人たちと見物客が一体となって大きく盛り上がりました。

   

ねぶたの練り歩き

◇町民に新たな感動を!

運行後には、さつま町民から「北国の本格的なねぶたを間近に見られるとは思いもしなかった。感動した。感動をありがとう」といったメッセージが多く寄せられたと聞きました。

このように、異文化に触れることで故郷に愛着と誇りを持てる町を考えるとき、町民の一体性が生まれ、子どもたちに夢と感動を与える新たな文化の創造に向けた1ページが生まれたと思っています。

   

大石神社秋季大祭

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町の元気は地域から

地域活動支援(地域元気再生)事業は、合併前の平成13年、旧宮之城町が町内13地区(区公民館)自らがそれぞれ地域の特性に応じた特色ある地域づくりを進めるために作成した地域計画に基づき、地域の活性化のための人づくりやソフト事業に対し補助金を交付し、特色ある地域づくりを行うことを目的として創設しました。

その後、平成18年度から22年度までの5カ年間を合併後の第一計画期間として取り組み、平成23年度からは、新たな事業として「さつま町地域元気再生事業」を始めることになりました。

内容としては、新たな地域づくり活性化計画を実現する方策として、地域活性化型事業(区公民館)は50万円を限度として支援します。また、提案公募型事業として公民会並びに公共的団体、NPO、ボランティア団体等へ20万円を限度として支援することにしています。このことにより、地域の活性化対策や創造的・独創的な取組みを支援し、共生・協働のまちづくりを支援し、なお一層地域の元気を再生したいと考えています。

   

高齢者いきいきふれいあサロン

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企業立地の推進による雇用の創出

◇工業を根付かせ、活性化し続ける仕組みづくり

合併以前、旧町ごとにあった企業懇話会等は、旅館業や食品加工業なども含め業種が多岐にわたっていましたが、平成19年度に「さつま町ものづくり企業振興会(会員企業18社)」を設立し、金属・機械製品製造業を展開している立地企業を対象としながら情報交換やニュースの提供を行っています。具体的な取り組みとしては、県内外の優良企業への企業訪問研修のほか、県内他異業種企業との交流会など、例年、近隣12校の進路(就職)指導教諭との意見交換会を開催するとともに会員企業を訪問し、高校生の就職希望状況や企業が求める人材像について活発な意見交換を行っており、これらの活動により企業間並びに関係機関の連携が深まるとともに、企業間の相互研修が地域の雇用創出や活性化を促すことが期待されています。

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三者が連携した担い手の育成

◇将来を託す担い手づくり

さつま町の農家戸数は10年間で653戸(17%)減少し、65歳以上の農業従事者が70%に達し、耕作放棄地も45haと増加しています。

このため、地域農業と集落を守るためには効率的且つ継続的な営農が不可欠であるということから、将来を託す担い手づくりを進めるため平成18年度に「担い手育成支援室」を設置し、「認定農業者の確保と育成」及び「集落営農の推進と組織化(法人化含む)」を重点事業として取り組んでいます。また、平成22年度から新規就農者に関する事業も所管事務として加え、農業入門から農業のプロ及び集落営農の組織化(法人化)まで継続的かつ一体的な支援を行っています。

◇町・JA・県ワンフロアで担い手づくり

平成18年度から4年間、町とJAが役場庁舎内でワンフロア化を実施。平成22年度から新たに県を加え、平成24年度までの協定を結び、集落営農を含めた担い手育成ワンストップ機能と体制の強化を図っています。町職員4人、JA職員4人、県職員4人の体制で、三者が同フロアで業務にあたるのは県内で初の取り組みとなっています。

効果として、三者の機能を活かすことで、制度、技術、経営及び情報提供面で高度で具体的な指導と支援が可能になりました。このため、特に新規就農者及び認定農業者の巡回訪問等支援の強化と拡充を図り、円滑な就業と経営改善の達成に向けて共に取り組んでいます。

また、県内の町の規模からして認定農業者233経営体、集落営農(特定農業団体及び特定農業法人) 20 組織は比較的多いことから、ワンフロアの効果であると評価しています。

   

集落営農甘藷収穫

◇持続可能な農業・農村の環境づくり

農村地域であっても主産業は第2・3次産業が多くを占めています。しかしながら、大半が兼業農家であることから、現状に即した農業・農村の構造改革が求められています。今後も認定農業者等専業農家を中心に集落営農を含む地域農業の担い手を確保し、共生・協働の体制とシステムを構築することで、農業・農村の維持・存続に繋がればと願っています。

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地元商店街に活力を

「さつま百縁祭」とは、「お客様との信頼関係を築く」との思いから、商店街の有志が立ち上がり平成19年12月の暮市から始まりました。これまでに14回開催し、町民の間にも定着し、賑わいをみせています。また、町も商店街振興のため、プレミアム付商品券発行や店舗改造等の助成を行っております。最後になりましたが、是非「さつま町」にお越しいただきたいと思います。

   

百縁祭

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