全国町村会

この村であなたの”星”を見つけてください
〜マイスターズ登録者8,538人に〜

北海道初山別村

2719号(2010年5月17日)
経済課 大水秀之

何もないけど、何でもある

初山別村って?/北海道の北のはずれの/小さな村です。/何があるかって?/何でもあります

空と海、/風と/太陽と土/そして/豊かな恵み

デパートないです/コンビニも/電車、ライブハウス/ないです/でも

磯の香り、星空/雪どけの水の音/あります/ためしに「住んで」みます?

「食」プロで作成したリーフレットの一節です。

北海道北部日本海沿い、農業と漁業を基幹産業とする、人口千五百人に満たない小さな村、それが初山別村です。都会の利便性に及ぶべくもないけれど、暮らしに必要なものはあります。何より豊かな自然の恵みがここにあります。

秋にはもち米が実ります。冷涼な気候、潮風のおかげで、農薬の使用は最小限ですみます。北の日本海の幸があります。タコ、ヒラメ、ナマコ、フグ・・・何故か小型のマフグがあがります。

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星の村 マイスターズシステム

そんな村に平成元年度、天文台ができました。口径65p。当時、東北以北最大の天体望遠鏡を持つしょさんべつ天文台は、毎年村の人口の数倍〜十倍の入館者を得、星の村として広く認知されました。

みさき台公園」の中にある「しょさんべつ天文台」で、星の登録を受け付けてます

そして、平成7年7月7日、初山別村は全世界に向け、マイスターズ宣言を発信しました。曰く、

★ 星を所有することは誰もできないことであるが、星の輝きに心癒すことは誰にでも許されていることである。

★ その星の輝きを「自分が所有する」と主張することを、こと初山別村内においてのみ許す。

★ 本村は申出のあった星の名前を永久に保管する。(抜粋)

数ヶ月後の「漫画『巨人の星』で星一徹・飛雄馬が指さしていたあの星がどの星だったのか、村職員が特定した」とのニュースとともに全国のマスコミに取り上げられました。

また、当時山手線に出した広告が縁で、ドラマ「白線流し」の舞台の一つとなりました。

マイスターズシステムの登録者は、現在8、538人に及びます(3月末日現在)。初山別村を第二の故郷とする方々です。

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「食」プロ 様々な「食」の開発

期間・数量限定!福多幸(ふぐたこ)弁当には、1日1個、小さな幸せ(当たり)が、こっそりかくれてます

平成20〜21年度、村は「初山別村『食』ブランド化プロジェクト」を実施しました。自然の豊かな恵みである村の「食」を貴重な観光資源と捉え、「食」を売り込むことにより、一次産業の収益性を高めるほか、二次三次産業に波及させることを目的としたものです。 プロジェクト名には”村の「食」をブランド化する”という意味のほか、”「食」で村をブランド化する”という願いを込めています。

新食感!「天然真ふぐ照り焼き丼」

天文台があるみさき台公園は、日本海を臨む岬にあり、そこから見る海岸線、利尻富士(利尻島利尻山)、天売・焼尻両島の島影、日本海に沈む夕陽は来村者にいつも絶賛されます(村民には見慣れた景色でその度再認識するのですが)。

公園内にはキャンプ場、バンガロー、パークゴルフ場、野球場、道の駅、温泉宿泊施設・岬センターがあります。ハーレーダビッドソン愛好者がこの地を気に入り、毎春キャンプ集会を開いています(200台以上のバイクが集まります)。

「食」による仕掛けの第一弾としてフグに着目しました。初山別村では何故かフグが獲れます。小型で、浜では「豆フグ」と呼ばれ、安価で取引されていました。このフグともう一つの特産品タコを素材とした道の駅弁当「福多幸(ふぐたこ)弁当」を開発販売しました。フグとタコは「福」と「多幸」。何だかめでたい、縁起がいい、というわけで、一日に一個だけ小さな幸せを忍ばせた”アタリ”をこっそり紛れ込ませています。地元食材に拘ったこの弁当、期間・数量限定での販売にもかかわらず、好評をいただいています。

岬センターの看板メニュー「ひらめ御膳」は季節限定

また、旅行雑誌じゃらんとのタイアップによる新・ご当地グルメ「初山別天然真ふぐ照り焼き丼」を開発販売し、村内食堂三店舗で年間数千食を食べていただいています。

次に、岬センターで「ひらめ御膳」を開発、提供しました。

初山別村の活ヒラメは、漁師の手で一枚一枚丁寧に釣られる天然ヒラメで、札幌市場でも高い評価を得ています。このヒラメを素材としたヒラメのフルコース「ひらめ御膳」を季節限定、時価(概ね三千円?三千五百円)で提供したところ大きな反響を得ました。 北のシェフとして著名な貫田シェフにもアドバイスいただいたこの御膳、今では岬センターの看板メニューの一つになっています。

なまらうめぇ(超、うまい)、スイーツはハスカップカタラーナ「流れ星の純愛」冷凍すれば、アイスクリームの食感

そして、カタラーナ。平成21年度は村制施行100年、国技館も誕生100年。初山別村といえば「星」、大相撲も「星」を大切にする世界。というわけで、スイーツのプロデュースを元関取・大至氏に依頼し、完成したのがハスカップカタラーナ「流れ星の純愛」です。また、大相撲つながりでスイーツ親方こと元横綱大乃国・芝田山親方に試食してもらったところ、大絶賛、直筆の推薦文をいただきました。

そして、みりん。みりんはもち米で作られます。また、初山別村はもち米の産地です。というわけで、村内もち米農家7人が会社を設立、自分たちのもち米を酒蔵に持ち込み、贅沢至極な”飲むためのみりん”を造らせています。みりんの名は「星の雫」。また、村の特産品である不老長寿の妙薬・ハスカップの果汁を加えた「茜の雫」も開発、初山別村から新しい食文化を発信しています。

さらには、各家庭に伝わるお菓子の商品化に向けた奥さんグループの活動も始まっており、そのうちの一つ、完全手作りおこしが「ほしおこし」のネーミングで最近製品化されました。

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外への発信〜やっぱり星

星、お預かりしてます/大切な想いがこもった星を

皆さんは、今/クラクション飛び交う喧騒の中/きっと星を思い出す暇はなく/日々忙しいんだろうな/と思いながら

でもある日/クラクションが途切れた瞬間に/大切な何かを思い出す瞬間が/いつの日か必ずあるから

大切に/お預かりしてます

冊子「綺羅星列伝」の冒頭文です。

マイスターズシステムの登録申込書とともに「想い」を添え書きしてくれる方がいます。登録の数年後に後日談として手紙をくれる方がいます。システムを始めて間もなく、村は登録者の方々に案内文を送り始めました。曰く、「星に託された『想い』を物語として寄せていただけませんか。村はその物語をあなたの星とともに永遠に『記憶』します。そして、いつの日かその時の自分に会いたくなったら天文台に お越しください。」と。13年後、物語は250余編となり、「綺羅星列伝」というタイトルで一冊の本にしました。

 平成21年10月 全国に募集した「星にまつわるシナリオ大賞」受賞作が東京銀座の博品館劇場で、昭和九年会チャリティ朗読劇「星の雫」として上演されました

「綺羅星」とは、ありったけの「想い」を込めて登録された星の一つ一つのことです。「列伝」とは、星に託された「想い」(物語)が集まった、いわばマイスターズシステムそのもののこと、「綺羅星列伝」というタイトルにはそんな意味を込めています。

平成20年のクリスマスに発行し、マイスターズシステム登録者全員に贈りました。

後日、この冊子をご覧になった藤村俊二さんから「何かお手伝いできるかも」と人伝てに言っていただきました。昭和九年会とのコラボレーションの始まりです(昭和九年会=藤村俊二氏ほか昭和9年生まれの芸能人・文化人の集まり。様々な社会貢献活動をしている)。

平成21年6月、村は「星にまつわるシナリオ大賞」を全国に募集、各地から寄せられた作品の中から大賞、特別賞を選考しました。

10月には博品館劇場(東京銀座)で、昭和九年会チャリティ朗読劇「星の雫」として上演され、マスコミ各社に取り上げられました(北海道食のアドバイザー出村氏にご尽力いただきました)。

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これから〜まだまだ端緒

食」プロは北海道の「地域再生チャレンジ交付金」の支援を受けて実施したソフト事業の集合体です。村内に眠る様々な資源・魅力に、ちょっとだけ手を加え、村外の方にとっても魅力的なものにする作業と、初山別村をそのまま伝える作業を重ねました。

しかし、村の魅力はまだまだこんなものじゃないと考えています。農家のおばちゃんの自家製の漬物や、正月のつきたての餅や、船上で食べる透明なイカや、街灯に飛んでくるカブトムシすら村の財産だと考えています。よそいきではなく、普段着のままの初山別村を好きになってもらい、村民の収入がちょっとだけアップする、最終的にはそこに辿り着きたいと考えています。初山別村の挑戦は、まだ始まったばかりです。

平成22年1月30日、国際天文学連合(IAU)により、小惑星6158番は「Shosanbetsu」と命名されました。とても小さな星ですが、「ショサンベツ」と全世界の人に呼ばれる星の誕生です。

―星空に夢とロマンを求めて

初山別村のキャッチフレーズです。

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