全国町村会

観光振興と健康長寿まちづくりを目指して

石川県穴水町長 石川 宣雄

穴水町は能登半島の中央部に位置し、東西約25q、南北約15qで、総面積が183.24平方キロメートルあります。西北部にある桑塚山(409m)を最高峰に200〜300mの山並みが連なり、 それらを水源として河川が樹枝状に七尾湾や富山湾へ流れ、延長58.62qに及ぶ美しい景観のリアス式海岸と相俟って、天然の漁場となっています。

「穴水」の地名は、平安時代の歴史書の「日本後紀」にその名が記され、中世には長谷部信連公が地頭となり、その子孫が能登の国の各地に勢力を広めました。

穴水町は、昭和29年と30年に4町村の合併により誕生し、現在に至っています。

町では、世界農業遺産にも認定された能登の豊かな自然の中、一年を通じて、四季折々の山海の食材に恵まれています。そして旬の食材をテーマに、毎年「まいもんまつり」を開催しています。 春は「イサザ」、夏は「サザエ」、秋は「能登牛」、冬は「カキ」を楽しむことができます。特に冬には、「雪中ジャンボかきまつり」が開催され、毎年県内外より多くの来場者があり、町にも活気が溢れます。

目下のところ、町の大きな課題は、過疎化対策であります。

町の人口は、昭和30年の19,182人をピークに昭和50年には15,000人を切り、現在は10,000人を割り込んでしまいました。30年後の推計では5,000人を割る見込みとなっています。能登全体を見ましても、 急速に過疎化が進行している状況で、能登半島の大きな悩みとなっています。

日本全体が人口減少時代にあって、能登地域は、他の地域よりも速いスピードで過疎化と少子高齢化が進行しています。穴水町の高齢化率は40%を超えており、すでに50年先の日本の姿と言えます。

次の世代にしっかりとバトンをつなげる上でも、目の前にある課題に背を向けることなく、ピンチをチャンスと捉え、果敢にチャレンジする必要があります。

そこで、今年度から穴水町では、「元気な高齢者のまち、健康長寿のまち」を目指して、健康長寿のまちづくり推進事業を立ち上げ、公立病院を中心に健康づくりの取り組みを強化しています。

具体的には、生活習慣病予防の一環として、住民一人ひとりの日常の身体活動量を増やし、運動習慣を身につけていただくための「ウォーキング」を町をあげて推進するとともに、健康長寿講座の開設や 健康づくりへの積極的な参加を誘導するための、「健康マイレージ制度」、「地域医療塾」を開設し、高齢化が進む地域の医療のあり方について、全国の医学生や看護学生、研修医に実習の機会を与えるとともに、 町への提案をいただくなど総合的に取り組むことで、穴水町が日本の高齢化社会のモデル地域となるよう目指しています。

また、平成25年春より「能登有料道路」が無料化し、「のと里山海道」として生まれ変わり、今まで以上に奥能登へアクセスしやすくなりました。先日のゴールデンウィーク期間中には、 県内外より多くの観光客に奥能登を訪れていただき、未だかつてない程の長い渋滞の列が発生しました。

さらに、平成27年春には北陸新幹線が金沢まで開業し、東京と金沢が2時間半で行き来できるようになります。鉄道を使って能登半島への観光客の来訪も期待できることから、 鉄道の終着駅である穴水町として、観光客の取り込みにも力を入れていかなければと思います。

これらの観光振興の好機に少しでも多くの方が穴水町を訪れ、心に残るいい体験をし、何度でも穴水町に足を運んでくださるように、行政と町民とが一緒になって取り組んでいきたいと思います。

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