全国町村会

―雛とべに花の里―のまちめぐり

山形県河北町長 田宮 栄佐美

山形県のほぼ中央、山形空港・山形新幹線さくらんぼ東根駅・東北中央自動車道東根ICから西へ霊峰月山を仰ぎながら車で約15分、最上川を渡ると人口約2万人・52.38kuの 「雛とべに花の里」河北町の市街地が開ける。一県一河で県民の母なる川・最上川の舟運によって米と紅花で栄え、数多くの上方文化が連綿と受け継がれている都市志向の 強い平地農村である。4月2・3日には、春を告げるひなまつりがひな市通り(日本の道100選)で行われる。舟運の返り荷として、京や大坂からもたらされた享保雛をはじめ 古今雛などの雛人形が沿道の旧家の土蔵で公開され、通りには雛人形店のほか数多くの露店商が軒を連らね立錐の余地もない程の観光客で賑わう。一方9月の第2土・日・ 月には、約400年の伝統の薫る谷地どんがまつりが開かれ、千百余年の歴史をもつ国指定重要無形民俗文化財の林家舞楽が紅染の衣を身につけ荘厳に舞う。街なかでは、 勇壮な奴や華やかな囃子屋台が巡演する。これも上方よりもたらされた伝統文化である。

このように、春・夏・秋・冬のはっきりした河北町の四季によって、その季節季節に合った、文化が育まれ、今に受け継がれているのです。

さて、国道287号を東から入ると、谷地橋のたもとにカヌーのモニュメントがある。地元中・高校生が常に競技で全国制覇を成し遂げていることを象徴したものだ。目を河川 (最上川)の右岸に向けると上流にはカヌー練習場があり、下流には整然と管理された町民ゴルフ場が広がる。一方左岸には町民の多目的広場となるグリーンパークが整備され、 さらにはフットパスが下流域まで延々と続きグランドゴルフ場とを結ぶ。その堤防には、さくら回廊が約700mに渡って植栽され、町の東玄関に相応しい景観を呈している。

橋を渡り終えると左手に道の駅「ぶらっとぴあ」がそびえ、谷地工業団地に接している。右手には年間40万人が入浴されているひなの湯・ひなの宿がある。さらに進むと 県内で最も早く県立となった5階建ての白い河北病院がどっしりと腰を据え、近郷近在の人々の生命を守ってくれる。病院を過ぎると田んぼとさくらんぼ園などの田園風景が 続き、国道112号と合流し霊峰月山へと連なる。

目を転じて、南の国道112号から町に入ると西に月山、朝日、南に蔵王の山々を一望できる風光明媚なスポット、清流寒河江川に架かる溝延橋がある。ここからの眺めは、 絶景で、特に春のさくらんぼ、ももの開花期は四囲の山々の残雪とのコントラストは、正に桃源郷そのものとなる。

橋を渡り北に進むと、国道287号と交わり、町の中央通りが開ける。そこでは役場・交流施設どんがホール・資料展示館の遊蔵・県内唯一の児童動物園、そして、林家舞楽が 奉奏される谷地八幡宮さらには、数多くの寺院と旧跡に触れることができる。この通りを過ぎると、ひな市通りへと続く。この通りの歴史は古く、威風を誇る土蔵と旧家が 並びその歴史の重さを物語っている。ここから西へ歩いて約5分のところに町の文化の殿堂サハトべに花、図書館それに町民体育館が集積されている。さらに西へべに花ロマン 街道を進むと全国唯一の紅花資料館があり、香り高い紅花文化を今にとどめ、多くの観光客で賑わっている。

このような町の姿を思いを込めて紹介して参りましたが、今日では、全国の町村で日本一の生産量を誇るさくらんぼをはじめ、冷たい肉そばなどの食文化も全国に発信されて おり、往時の舟運によってもたらされた古き良き伝統文化と近時の新しい文化とを調和しながら、人口2万人を町民共通の目標に町民主役の町づくりを進めています。

河北町の誕生は、昭和29年10月、1町3カ村が合併し来年には合併60周年を迎えます。役場を中心に半径5qの圏内に全ての集落が入る、文字通りのコンパクトシティが 町の全体像となっています。

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