全国町村会

電子国土時代を迎えて

千葉県町村会長
 富浦町長
 遠藤 一郎

休日の朝目覚めて「南房総にちょっと出かけてみようか」都内や近郊から手軽に訪れる方が多くなってきました。富浦町には二つの道の駅があり、インフォメーションコーナーに目的地の案内を求める方や、コースプランを相談する方が訪れます。 

そこで道の駅のインフォメーションコーナーでは施設の案内図を手書きで用意して、その案内を行ってきましたが、手書きの案内図には距離感や正確性といった面が欠けていました。インフォメーションの向上は地域の大きな課題であり、それは情報を提供できる環境と機能が求められているからです。

そのためには、地域の情報をひとまとめにして提供する「場」や「しくみ」の必要性を強く感じていました。

その対応のひとつとして、富浦町では南房総地域の情報をまとめるポータルサイト「南房総いいとこどり」を展開してきましたが、「正確な地図情報」の不足を痛感し、その実現に強い思いを募らせていたところ偶然「電子国土」との出合いがありました。それは平成15年7月14日に報道発表されたインターネットに新しい地図「電子国土」誕生の情報でした。7月15日から参加者を募集するとのことでしたので、私たちは若手を中心に文字と映像、そして地図が一緒に提供される効果の大きさ、地方のインターネット地図情報未整備の現状、地域の熱意など強く訴えて応募したところ、電子国土事務局から9月2日に採択された報告を受け、その喜びは大きなものがありました。

直ちに電子国土活用の取り組みをスタートさせ、新たな「ウェブサイト」と「しくみ」の構築が始まり、ポータルサイトの範囲を南房総全域とし、その範囲は道の駅でのアンケートや訪れる方々の反応、観光エージェントやメディアなど南房総の認識に合わせたところです。先行して積み上げられた施設などの情報は、1,300件を越えるところとなりました。

そこで「参加」と「連携」を地域に訴えてみると、地域では電子国土への取り組みに大きな期待が寄せられ、道の駅は勿論、バスなど地域交通事業者の協力やホテルなど宿泊事業者の協力的な反応を導き出すことになりました。道の駅からは、近くの施設位置を確認するとの声が、交通事業者からはバス停の位置と時刻表確認での参加が伝えられました。

又、一方では、旅行形態が少し変わってきているようで単なる名所旧跡巡りや、美味しい物食べ歩きから一歩進んだ「たずねる旅」「知識を深める旅」を求める方が増えてきたようです。超一流の観光資源をもたない地方では組み合わせた資源を提案することは勿論、産物や資源の根源やいわれなど少し深みのある情報を提言する必要があるようです。

早速、南房総の情報が容易に取り出せる電子地図をホームページ上で公開すると、まず地域から大きな反応が現れました。まさに電子国土に対する期待の大きさを実感したところでした。文字と映像、そして地図が一緒に提供される効果の大きさを再確認したところであります。

電子国土は、日本中の地理、位置情報を備えています。そこに日本中の情報が集まることに大きな効果が生まれると信じています。

日本を訪れ、旅する方や友を訪ねる方、さらに仕事で各地を巡る方など多くの方々への道しるべになると思っています。今後、この地図には地域を代表する産物や名所などをイメージで表現し、親しみや楽しさを加味できたらと思っています。

電子国土が、多くの方の思いと、それぞれ地域の活力となって今後広範囲で活用され、より身近で便利な電子地図として発展を遂げていくことに大きな期待をもっているところであります。

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