全国町村会

市町村合併を考える〜今なぜ合併か〜

沖縄県勝連町長  藏當 真徳

今、平成の大合併という大波が怒濤の如く押し寄せており各地で合併を考える協議会や研究会、連絡会、勉強会が花盛りになってきた。資料によると、その数も全国市町村の3分の2に及ぶようである。

厳しい財政事情の中で行政合併こそが有効な行財政改革であることは論をまたないが、そもそも合併は将来における地域のあり方や住民の暮らしに大きく関わってくることから住民の意志決定を基本におくべきであり、行政のみで判断すべきではないことは当然の理である。合併を容易に進めるためには、合併市町村間の地理的条件や住民間の交流、行政間の交流がなければなかなか前に進まないと考える。

その点、具志川市、勝連町、与那城町の1市2町は、「図1」(町村週報2440号P.14参照)に見るように地形的にも一つになっている。住民間の交流も平安座島以西、津堅島、浜比嘉島の住民の多くも具志川市内に住居を構えており交流は盛んである。行政間の交流でも、ごみ処理、し尿処理、火葬場の運営、地下ダム事業など共同で行っている。所轄警察署と協力して行う交通安全対策、防犯対策等も1市2町で組織する協議会で行っている。

住民の日常生活、経済活動についても具志川市と大きく関わっており合併を進める上では好条件が揃っている。1市2町を取り巻く種々の行政課題も共通しており少子高齢化という厳しい時代を迎えている。

1市2町も「表1」(町村週報2440号P.15参照)で示すように高齢化が進行しており、福祉医療を支える労働人口の減少、保健福祉を支えるマンパワー、専門性を有するボランティアの確保が困難になることや、財政の硬直化が進行している中で地方交付税が見直され多額の交付税が減額になっている。起債制度を活用し借金して整備した公共事業に係る借金の返済に、多額の財源を充てなければならず財政硬直化に拍車をかけている。

ところで、1市2町の財政状況を一般会計の決算ベースでシュミレーションした場合(概算による)(表2)で示すように、町側が平成15年度以降、市側で平成16年度以降、赤字団体となり厳しい財政運営となる。これからの地方分権のこともある。地方分権が自治体の自己決定権を拡大する仕組みでもあり、小規模自治体で自ら考え、自ら決定し総合的な行政サービスを提供することが可能なのか些か疑問である。このような状況に鑑みて、将来における行政サービスを考えれば住民に不安を与えない為にも行財政改革の一つの手段として行政合併を検討することも必要である。

今回、他市町村に先がけて合併論議が進んできたのは、具志川青年会議所(1市2町が活動エリアである)の大きな働きである。同会議所の計画で市町村合併フォーラムが開催されパネリストとして参加した3首長とも行政合併については前向きに検討する旨表明したのである。このことがきっかけとなり首長間で合併についての話が進み、愈々、平成13年12月に「合併を考える任意の協議会」を設置し、平成15年2月に「法定協議会」の設置に漕ぎ着ける事ができたのである。行政合併は歴史的な大事業であり、そこに住む住民の意向を尊重する型で進めなければならない。そのためには「今なぜ合併か」について住民の理解を得ることが何よりも大切である。合併についての基礎的な資料を纏め的確な情報を住民に提供する責任が行政側にある。次に大事なことは、合併してどう変わっていくのか、詳細について住民に情報を提供し住民の批判を受けることも重要なことである。

次に、合併特例法についてであるが合併を決定したが、諸般の事情によって特例法で示す期日に間に合わない場合の取り扱いについては経過措置の中で優遇措置の全部について適用することについても検討が必要であると考える。

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