全国町村会

グローバル化の荒波

エッセイスト・画家 玉村 豊男 (第2635号・平成20年4月7日)

アメリカの低所得者層が住宅ローンを払えなくなったことや、中国に富裕層が生まれて贅沢な暮らしをはじめたことと、私たちの毎日の生活に必要な食品その他が値上がりしたり日本の景気が悪くなったりすることに、いったいなんの関係があるというのだろうか。

テレビのニュースで解説されれば一瞬はわかったような気になるものの、どうしてそんな遠くの世界の出来事が自分の日常に影響するのか、釈然としない人も多いだろう。

が、知らないあいだに私たちの生活は、際限のないグローバル化の荒波に飲み込まれはじめている。

グローバル化に対する有効な処方箋は、日本ばかりでなくどこの国でもまだ見つけていない状態だが、はっきりしていることは、このグローバル化の波を食い止めることができない以上、どんな状況になっても自分たちの暮らしだけは守る、という、確固たる意志と覚悟をもたなければならばない、ということだ。といって、別に難しいことをしろといっているわけではない。

私たちが住む、地域の生活を守ること。
土地に根ざして暮らす、昔の人の知恵に学ぶこと。

日常の基本的な農産品を外国に依存せず、自分たちでつくり、小さな範囲で流通させること。食料だけでなく生活の道具や資材も含めて、町村の単位、あるいは複数の町村が連携した地域の単位で、ある程度のものを自給できる態勢をつくること。国の単位ではできなくても、小さな単位でならできることもあるはずだ。

荒唐無稽な話をしているわけではない。世界に翻弄されず、国も頼らず、自分たちの暮らしを自分たちで守るには、いまからでも遅くないから、具体的な目標を掲げる必要があるのではないか。

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