全国町村会

支援費制度と市町村

千葉大学教授 東京大学名誉教授  大森 彌 (第2413号・平成14年9月30日)

平成15年4月、障害者(身体障害者・知的障害者・障害児)福祉は、行政がサービスの内容や提供する事業者を決定する現行の「措置制度」から、障害をもつ人が自らサービスを選択し、事業者と対等な立場で契約を結び、サービスを利用する新たな「支援費制度」に変る。どこの市町村でもその準備に入っているが、どうもこれへの関心が薄いように思えるが、どうであろうか。措置制度が廃止され、契約利用制度が導入される点では、高齢者介護保険制度と軌を一にしており、わが国の障害者福祉は大きく転換する。

障害をもつ人は、市町村の障害福祉担当窓口で、どのようなサービスを利用したらよいかを相談する。利用したいサービスが決まったら申請する。担当職員は、利用者の障害程度、他のサービスの利用状況、介護者の状況などを聴き取り、居宅サービス(ホームヘルプサービス・デイサービス・ショートステイ・グループホーム)、施設サービス(更正施設や授産施設、療護施設、通勤寮等)の内容と、支援の内容(支援の種類、支給機関、支給量・障害程度の区分、利用者負担)を決定する。決定を受けると、「受給者証」が公布される。決定内容に不服がある場合は、市町村へ申立てができる。

利用者は、指定事業者(都道府県指定の施設や事業所)の中からサービスを受けたい事業者を選択する。その指定事業者と契約を結んでサービスを利用する。

利用者は、サービスを利用したら、「利用者負担額」を指定事業者に支払う。利用者負担額は、利用者の能力に応じて市町村が決める。サービスを利用するためにかかった費用から「利用者負担額」を除いた額を、市町村が利用者に代わって「支援費」として指定事業者に支払う。

市町村は、目線を障害者にしっかり向け、親身の相談と的確な決定、苦情・トラブルの迅速な解決など、「最初の政府」としての責務を果たしていかなければならない。その意欲能力発揮によって、また市町村の間に差が広がる。

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