全国町村会

世界と日本〜女性は太陽だ〜

NHK解説主幹 今井 義典(第2583号・平成18年12月18日)

日本の女性の社会進出は目覚しいものがある。女性経営者が増え、政治への参加が進み、大学でも女性の方が元気がいい。ところがスイスの研究機関の最新の調査によると、日本の男女共同参画の水準は世界115カ国中、79位と極めて低い。健康や長寿では世界に冠たる日本の女性だが、経済活動や政治への進出となるといずれも83位、「かなり高水準」と自負してきた高等教育でも56位と世界の平均だ。アジアではなんとフィリピンが六位、いずれの指標でも最高水準で女性上位の国といえるかもしれない。また中国が65位と日本を上回っている一方、韓国は日本よりさらに低く92位に留まっている。

世界ではどうか、1位から4位まで、スウェーデンやフィンランドなど北欧4カ国が占め、ドイツがその後に続いている。下位には中東やアフリカ、南アジアなどの国が目立つ。ちなみにアメリカは22位だった。

イスラム教のもとで女性の社会進出が厳しく制限されているサウジアラビアはビリから2番目の104位、経済活動と政治活動への女性進出では世界最下位である。先ごろサウジアラビアを訪れた際に、首都リヤドのショッピングセンターをのぞいてみた。ガラス張りのモダンな建物も、陳列してある商品も世界最先端だが、ショッピングに訪れる女性は1人残らず頭から足先にいたるまで「アバヤ」という黒の長いローブをまとっていて、出ているのは2つの瞳だけ。店員は男性、しかも全員外国人だ。驚いたことにこの国では女性は車の運転を許されない。滞在する外国女性も例外ではない。したがって女性は1人で外に出ることはない。公の場所では家族以外の男女同席は許されないから、ファミリーレストランでも、背の高い仕切りで「家族席」と「男性席」とに分けられる。

それに比べればまだ「まし」とはいえ、日本の社会における女性の置かれた環境は、このままでいいわけがない。高齢化、少子化で日本の相対的な国力が下がっていくことが懸念される中、頼りになるのは女性だ。「元始、女性は太陽であった」平塚らいてうのこのことばからもう95年になる。

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