全国町村会

日本の美意識も国際的に

フリーアナウンサー  青山 佳世(第2916号・平成27年4月13日)

桜、つつじ、藤、新緑、四季の彩の中で一番華やかな季節になりました。一年かけて待ちわび、あっという間に散ってしまう儚さに人は心惹かれます。 日本人ならではの繊細な美的感覚かと自負していたのは思い違いで、外国の人たちにもしっかり通じる美しさでした。

観光立国を実現するための様々な取り組みの成果で、ここ数年本当に大勢の外国のお客様が日本に訪れるようになりました。有名な観光地はもとより、もっと奥深くまで足を伸ばしています。 日本人がその良さを忘れてしまいがちな文化や、伝統、技、地域に光を当ててくれるのも嬉しい限りです。国の成長戦略の柱でもある地域の再生も、本来は日本人自ら実現・取り組むべきですが、 海外の人々にその後押しをしてもらわないと間に合わないかもしれません。

一方花見を楽しみにしていた私にとって、おもわぬ困難が待ち受けていました。なぜなら海外でも有名な桜の季節に合わせて、実際に日本に訪れる外国人が増え、 ただでさえ混み合うその時期の宿泊施設は全くとれません。さらにホテルや旅館の料金が高くなったこと。 質の高い宿泊施設は納得できますが、(どことはいいませんが)簡易なホテルまでもが驚くほどの料金設定にしています。実際に泊まった外国のお客様はさぞ驚き、がっかりされることでしょう。

観光客が激減した時期、魅力づくりや質の向上に取り組まなくてはお客様が来ないと努力してきたことが着実に成果をあげた一方、努力をしないまま外国のお客様が増えたからと、 ちゃっかり胡坐をかいているところがあります。経営姿勢は少なくとも日本人にはすぐにわかります。観光は、治安・病気・災害などの影響で大きく訪日する数が変わる微妙なものです。 離れてしまったお客様を取り戻すのは容易ではありません。

機に乗じて儲けるのではなく、多くの外国のお客様がいらっしゃるこの機会に投資をして磨きをかけ、新しい魅力を作る努力を重ねていって、 一番近い日本人の応援団と日本を訪れる海外のファンを増やしていってほしいものです。

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