全国町村会

シリーズ田園回帰G  
世界の田園回帰 11カ国の動向と日本の展望

農文協刊 大森 彌・小田切 徳美・藤山 浩 編著
定価(2,200円+税)

田園回帰

 『シリーズ田園回帰』全8巻が完結した。タイトルは、「世界の田園回帰」。グローバルな視点で田園回帰を捉え、普遍性や可能性を展望する最終巻にふさわしい構成になっている。第1部の「日本の田園回帰」では大森彌氏と小田切徳美氏が、それぞれ総括、展望する。大森氏は「田園回帰」の意味を、共生思想と地域の自治という視点から紐解く。2000年初頭の骨太方針に記された「都市との共生・対流」、地域に劇的な変化をもたらした市町村合併、そして最近の地方創生など、政府の政策対応にみる都市優位の発想とそれへの反発が、ジグザグ状に進行してきた経緯を、自治体や地域、都市に暮らす人々の動きとともに明らかにする。小田切氏は、田園回帰の局面を、@人口移動論、A地域づくり論、B都市農村関係論の3つに整理した上で、シリーズ各巻の位置付けを、これら3局面に投影させ提示する。これからシリーズを手に取る人にとっては最適なガイダンスとして、既読者にとってもシリーズを貫く思想の新発見につながるであろう。  

 第2部は、11カ国の田園回帰の最新動向を紹介する。各国の事情を読み進めていると、田園回帰志向や抱える課題の共通性が浮かび上がる。フランス、ドイツ、英国、イタリア、オーストリア、スウェーデン、ロシア、キューバ、韓国などを取り上げているが、およそ触れる機会がなさそうな国々も登場するなど資料的価値も高い。

 第3部(終章)は、「田園回帰の深化」をテーマに第1巻の著者、藤山浩氏が締めくくる。今なお反響を続けている第1巻のアップデートや田園回帰の最新動向と長続きする文明と地域社会のあり方など示唆に富む提案が詰まっている。

 最後、「次の世代の記憶に残り得る志を示すことが、いまの時代、いまの地域に一番求められているのではないだろうか」として筆を置く。田園回帰はより深く進行するであろう。 

新刊紹介
よそ者と創る新しい農山村
希望を蒔く人―アグロエコロジーへの誘い―
シリーズ田園回帰G 世界の田園回帰 11カ国の動向と日本の展望
『明るい公務員講座』
自由貿易は私たちを幸せにするのか?
シリーズ田園回帰E 新規就農・就林への道
農村×都市=ナリワイ 日本のクリエイティブ・クラス
「中国山地 過疎50年」
シリーズ田園回帰F 地域文化が若者を育てる
『流しの公務員の冒険』
シリーズ田園回帰D ローカルに生きる ソーシャルに働く
シリーズ田園回帰C 交響する都市と農山村 対流型社会が生まれる
田園回帰がひらく未来 農山村再生の最前線
中山間直接支払制度と農山村再生
空き家対策の実務
シリーズ田園回帰B 田園回帰の過去・現在・未来
日本のTPP交渉参加の真実−その政策過程の解明−
地域再生入門 寄りあいワークショップの力
ローカル志向の時代 働き方、産業、経済を考えるヒント
シリーズ田園回帰 農文協刊
自治体職員再論〜人口減少時代を生き抜く〜
これだけは知っておきたい!外国人相談の基礎知識
地域に希望あり ―まち・人・仕事を創る
はじまった田園回帰 現場からの報告
農山村は消滅しない
『月刊自治体ソリューション』
震災復興と地域産業5 小さな“まち”の未来を映す「南三陸モデル」
「市町村合併による防災力空洞化」
検証・平成の大合併と農山村
農山村再生に挑む―理論から実践まで―
アベノミクスと日本の論点−成長戦略から成熟戦略へ
地域に飛び出す公務員ハンドブック
日本、買います―消えていく日本の国土―
自治体のカタチはこう変わる―地域主権改革の本質―
「よくわかるTPP48のまちがい」−TPPが日本の暮らしと経済を壊すこれだけの理由−
新しい公共と自治の現場
飛騨山里の役場吏員の生涯−手づくり地方自治五十年の風景−
若者と地域をつくる―地域づくりインターンに学ぶ学生と農山村の協働―
「農」と「食」の農商工連携−中山間地域の先端モデル岩手県の現場から−
鳩山政権の100日評価〜言論ブログ・ブックレット014〜
スローな未来へ「小さな町づくり」が暮らしを変えるー
地元学からの出発ーこの土地を生きた人びとの声に耳を傾けるー