全国町村会

山本会長 自民党総務部会関係合同会議で要望
 ─地方交付税、市町村合併、医療保険改革など─

 
 自由民主党の総務部会(荒井広幸部会長)と地方行政調査会(中馬弘毅会長)などの合同会議が8月28日、自民党本部で開催され、全国町村会など地方六団体の代表者から平成14年度地方行政関係予算概算要求に関して重点要望が行われました。
 合同会議では、全国町村会の山本文男会長(福岡県添田町長)が地方交付税、市町村合併、医療保険改革、不法投棄問題、特殊法人の見直しなどについて要望を行ったほか、全国知事会の中沖豊副会長(富山県知事)が地方分権改革など地方行財政全般について、全国市長会の高秀秀信会長(横浜市長)が地方税財源の充実確保、IT戦略の推進などについて要望を行いました。
 合同会議における山本会長の発言要旨は次のとおりです。



▽山本会長発言要旨
 町村の運営につきまして格別なご援助をしていただいておりますことに感謝申し上げます。私の方からお願いすることが数点ございます。

1.地方交付税について
 まず、地方交付税についてでございます。「平成14年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針」などにおきまして、地方交付税の見直しなど厳しい意見が出されておりますが、地方への税源移譲につきましては未だ確定しておりませんので、一律に削減することは地方交付税制度から考えておかしいのではないかということでございます。また、税源の乏しい町村にとって地方交付税のもつ財政調整機能は、依然として重要なものでございますので、見直しについてはもう一度よく考えていただきたいと思います。 
 また、財政基盤の脆弱な我々町村にとって地方交付税は、血液そのものであり、総額の削減や段階補正の見直しなどは町村の存立にかかわる重大な問題でございますので、ぜひとも交付税制度の維持と安定的確保をお願い申し上げます。

2.市町村合併について
 本会では、かねてより市町村合併は自主的であるべきだと言い続けておりますが、我々がこだわり続ける理由は、合併を強力に進めようとする国が地方自治体の将来ビジョンを示していないからであります。地方自治体として都道府県、政令市、市、町村がいくつあるのが適切か、ということを示すことが必要ではないかということであります。あるいはまた合併をすることによって、新しい地方自治体というものがこういう姿になっていくんだということを示していただくことが私どもにとって大変大事であると思っているところでございます。ただ合併をしろ、ということではなかなか納得がいかないところであり、私どもにいわせると強権発動のような感じでございます。そのあたりをもう少しソフトに示していただけたらと思います。 
 また1,000という数値をだされておられますけれども、数値目標を出されることも確とした根拠があるということは間違いがないことだと推測いたしますが、数値目標そのものが私どもに与える刺激として極めて悪い影響を与えているということでございます。先程申し上げましたようにビジョンが示されて初めて数値目標がでてくるのでないかと思います。是非ともご理解をいただきますよう、お願い申し上げます。話が重複いたしますが町村の合併だけでなく地方自治体をどうするべきなのか、地方自治というものはどうあるべきなのか、を示していただきますよう重ねてお願いいたします。私どもは合併に反対しているのではなく、メリットを求めての合併ということはあり得るのであって、上から押さえつけられて報償を求めて合併をするものではないと思います。

3.医療保険制度について
 次に医療保険制度でございますけれども、20世紀型の医療保険制度はおやめになり、21世紀の新しい医療保険制度をつくるべきだと思います。保険給付のことについてもご存じのように健康保険組合はいくつもあります。今日の先進国である日本がいくつもの健康保険組合をつくり、そして医療を行うということはとうてい考えられません。21世紀型の医療保険制度を考えるべき時代が来たのではないでしょうか。特に国民健康保険は21世紀型、すなわち旧来型の一番古いあり方があらわれているのではないでしょうか。私も創設当時の記憶がありますけれども、この国民健康保険によって国民皆保険を目指していこうということでつくられたと思います。国民健康保険では市町村が保険者となって今日まで来ました。その後時代が変わって参りましたが、市町村は保険者としての能力、力がだんだん落ちてきました。先程もお話がありましたが国民の3人に1人は国民健康保険に入っている被保険者の方々でございます。しかもまた毎年4,500億円になろうとする赤字を市町村側からの一般財源から出しております。これを毎年続けていきますと医療費の増こうとともに、それだけ市町村の財力は落ち、体力は落ちてゆくということになるわけであります。国民健康保険の中身をみていきますと加入者の平均年齢が51歳、しかも無職の方が46.7%もおります。その他の所得を得ている方たちが主に負担をしているというのが実体でございます。保険料につきましては、他の保険組合とほぼ同じでありますが、所得は他の保険に入っている方々の半分しかありませんので、倍の保険料を払っているというのが、国民健康保険の実体であります。
 このようなことからも20世紀型(旧来型)の国民健康保険は21世紀になったのだからやめるべきだと思います。21世紀型の医療保険というのは一本化、すなわちすべての保険を一つにすることです。これは国の力によって実現させることが必要だと私は思いますので、来年度予算におきまして一本化するための措置をしてくださるようお願いしておきたいと思います。どのようなやり方でやるかについてはいろいろと議論があるところだと思いますけれども、先生方のお力でベストの方向で一本化をしていただければと思っております。

4.循環型社会について
 次に循環型社会についてでありますが、循環型社会を実現することは今や国民的課題であるという位評価をしているところでございます。この循環型社会を構築するために、新しい制度として廃家電機器などを資源にしましょうという制度を設けました。ところがこの制度により人々に負担が生じて参りますと、その負担をしたくないという感情をもちはじめる人たちがいて、私ども町村はそういった人たちが廃棄家電を捨てる場所になってしまいました。町村はゴミ捨て場ではありません。不法投棄だけが増えて参りまして大変な状況です。しかも自動車などを谷に捨てているので我々の手ではどうにもなりません。このように不法投棄が増えているため、この対策を強化するべきであると、すなわち罰則の強化も含めて万全の対策を立てることが重要なのではないかと思います。みんなの意識が変わらない限り循環型社会はできあがっていかないのではないかと思いますので、ご配慮いただきますようお願い申し上げます。

5.特殊法人について
 特殊法人の関係でございますけれども、先程お話がございましたが、問題は私ども町村が特殊法人が廃止されるということになった場合、その関係から悪影響がでないよう配慮していただきますようお願いを申し上げておきます。

6.道路特定財源、その他について
 次に道路特定財源でございますが、町村が道路の財源について声を大にしてお願いするのは当然ではないでしょうか。町村の道路が整備されない限り国土の継続的な振興をはかってゆくことは難しいのではないかと、国土の継続的な発展というのは町村の道路を整備することであると私は思っております。是非道路特定財源につきましては今後とも格別なご配慮をいただきたいと、お願い申し上げます。町村にとって非常に大事なことでございますので現在の状況からこのようにいわざるを得ないということでございますのでご理解を下さい。
 最後になりますが、町村合併を進めようとしている国側がなぜ自分たちは地方の出先機関の整理を行わないのでしょうか。これはやるべきであると私は思います。地方の出先機関は以前にもまして大きくなったようですし、しかも事務処理が複雑なような感じがいたします。お調べになっていただければおわかりいただけると思いので、これらを地方分権で同様に県に移したらいかがでしょうか。県に移した後でもなお細かな事務がでてきて、県の行政として不適当であるというものは、さらに市町村へ移譲してゆくというやり方をすれば整理がつくのではないでしょうか。新しい制度で事務処理が複雑になったため私どももとまどう場合がございます。どうか見直しをしていただければと思います。
 以上諸々のことを申し上げましたが、町村のおかれている実体から以上のことをお願いいたしますので、格別のご配慮を賜りますようお願い申し上げて私の要望を終わります。


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