全国町村会

全国町村会と自由民主党との懇談会開く

 
 全国町村会と自由民主党は平成13年2月20日正午から、自由民主党本部において、本会役員と同党幹部による懇談会を開催しました。
 この懇談会は、地方分権や市町村合併など町村をとりまく行財政課題や現下の政治経済情勢などについて意見交換を行うために開かれたものでです。
 自民党・古賀幹事長、亀井政調会長及び本会正副会長のあいさつ・意見等の要旨は次のとおりです。
 なお、当日は衆議院本会議が急遽開かれることとなったことから、時間的制約がある中での意見交換となっため、4月上旬に再度機会を設けて十分に意見交換を行うこととしました。


▽古賀幹事長あいさつ
 全国町村会を代表する役員の皆様には何かとお忙しい中をこうして党本部にお越しいただき、私ども党三役及び関係役員とこのような意見交換の機会を持つことが出来ましたことを改めて厚く御礼申し上げます。皆様方にはそれぞれのふるさとのまちづくりはもとより、地方分権推進の先頭に立っていただき、また町政の発展と民生の安寧のために日頃多大のご苦労、ご尽力を頂いていることに対しまして自民党を代表いたしまして衷心より敬意と御礼を申し上げます。
 本日は限られた時間でありますので私のほうから長々と申し上げるより有意義な意見交換を中心に考えた方がよろしいのではないかと思いますので一言だけ申し上げます。
 今、我が国をとりまく政治、その中心にあります自由民主党につきまして何かと皆様にご心痛を煩わし、またいろいろな意味でご叱声をいただく点が多々ありますことに党を代表して心からおわび申し上げます。しかしながら国会の方は予算委員会を中心として順調といえるかどうかは別として、ただ粛々と国会審議を進めさせていただいております。皆様方にご関心の深い13年度予算は必ず年度内に成立させまして、皆様のご期待に是非とも応えてゆきたいと思っております。また、予算関連法案の審議も与党三党が結束して国会運営に当たってまいります。ご叱声はご叱声として、しかしながら、しっかりとお支え頂き、またご後援を賜りますようお願い申し上げる次第であります。本日は本当にありがとうございました。

▽亀井政調会長あいさつ
 日本を取り巻く状況は大変厳しく、アメリカの経済情勢も予想以上に減速をはじめており、国内においても株価の低迷が続いております。それだけに13年度予算は出来るだけ早く成立させなければなりません。また、経済界からの要請もあり、思い切った経済対策を行うことを与党三党で確認しており、予算との関連もあるので遅れることなく断行したいと思っております。これからいろいろ事業を進めるに当たっては地方にも協力をお願いしなければなりませんが、役人にまかしておくと地方との間にいろいろ齟齬をきたすこともあるので、自民党が間に入ってうまくかみ合うようにしていきたいと考えています。
 市町村合併についても一応の目標のようなものをたてて進めているがやはりある程度の目的をたてないと前に進まないわけで、何も画一的にやろうとしているわけではありません。合併によってその地域の住民の生活がよくなることを願っているわけで、総務省の方にもその点はよく言っている。県レベルで相当無理な取り組みをしようとしているところもあるようですが、それはよくないと思っています。それによって交付税を減らすなどということは絶対やってはいかんと言っているし、そんな無茶なことはやらせません。それぞれの地域の人たちがいろんな点から判断して、本当によい市なり、よい町が出来たと思えるような市町村合併を進めていくことが大事だと考えています。ともすれば画一的に流れやすいことであり問題意識として申し上げましたので、皆様方のご理解と取り組み方をよろしくお願いいたします。

このほか、村岡総務会長、牧野組織本部長からも簡単な挨拶が行われた。(挨拶省略)

▽山本全国町村会長あいさつ
 平素、自民党の先生方には町村会に対しまして種々ご支援をいただいておりますことに対しまして御礼を申し上げます。また本日は、国会の開催中でご多忙の中にもかかわりませず、私どもの意見を聞いていただく機会を設けて頂き誠にありがとうございました。心から御礼を申し上げます。
 私どもの意見は、後程いろいろ申し上げますが、先程の総務会長のご挨拶にもありました町村の現状と町村が担っている国家的役割について、皆さんはよく理解していただいているとは存じますが、まだまだ不十分ではないかと懸念しております。
 ご承知のとおり、町村は国土面積の7割強を占めており、しかも食料、水、自然は町村が守っているところであり国家的役割を担っております。いいかえますと町村は町村としての役割分担をし、都市も都市としての役割を分担して、お互いがうまく協調しあっているからいまの国の安定があるのだと思っております。ところが私ども町村はそういう努力をしているにもかかわらず、過疎化と高齢化が進行し高齢化社会を形成してしまっており、このまま進んでいきますと加勢を失ってしまって膠状化するしかないと心配しております。是非この点をご理解いただきますようお願いいたします。
 また、私のひがみかもしれませんが最近自民党は町村の方を忘れて、都市集中の政策ばかりを打ち出されているような感じをもっております。町村が果たしている役割をよく見直していただき、町村自体がこれから十分に活動できるようにしていただきたい。高齢化社会を作るのではなく、町村というランドを作るのだというようにお考えいただければと思っております。
 また、この際ですから一つ二つお願いしておきますが、まず、先生方の方でご検討いただいております被災者住宅再建支援制度についてでありますが、今までの話を聞いているところでは少し無理があるように思います。地方に負担金として固定資産税に上乗せして徴収させるということのようですが、固定資産税と負担金というのはなじむものではありません。そういうことをすると住民の皆さんには重税感、増税感が出てきますのでそういう点をお考えいただきご検討願いたいと思います。折角先生方がそういうお考えで検討されているのなら、国で全額面倒を見るというのが望ましいと思いますので是非ご検討をお願いいたします。
 次に有明海沿岸の海苔の問題であります。先般、古賀幹事長にはお忙しい中を現地まで出向いて視察していただき、いろいろな対策をお考えのようでありますが、これについては出来るだけ早く原因の究明を行いそして解明のうえ、出来ればお金を貸すのではなく、補助金か何かで海苔業者の方に渡るように、もう返さなくてもよいというような方法で何らかの措置が出来ないものかと考えますので、格別のご高配を賜りますようお願い申し上げます。
 この後私ども役員の皆さんから地方分権や交付税、市町村合併等々いろいろのお願いを申し上げますのでよろしくお願いいたします。
 また、愛媛県水産高校のえひめ丸海難事故につきまして、愛媛県町村会長の宇都宮会長からお願いすることにしており、いろいろ多くの要望がありますが十分お聞きいただき、この会が実りあるものにしていただくようお願いいたしまして私からのご挨拶とさせていただきます。

▽西田副会長発言要旨
 副会長の西田でございます。私からは2点申し上げます。
 まず、地方分権の推進について申し上げます。先生方ご承知のとおり、地方分権一括法で町村に移譲された事務権限はわずか7項目にしかすぎません。しかもこの7項目については、従来からやってきたものばかりであり、全住民に関わるものはほとんどありません。世の中には町村の事務能力を疑問視する向きもありますが、私ども町村の多くは地方分権に対応できる十分な能力が備わっていると自負いたしております。
 住民に身近な事務は住民に身近な市町村に出来るだけ移譲する方向でご指導頂きたいと存じます。
 特に、今後まちづくりを進める上で基本となる土地利用については、町村は国土の七割を占めているにも拘わらず、また、農用地利用計画も町村で作成しているにも関わらず、農地の移動等に係る権限は全て国と県が握っている状況であります。それぞれの地域の実情に沿ったまちづくりを進めるため、2ヘクタール以下の農地の転用許可権限など農林地の利用に関する権限の移譲を一層推進して頂きますようお願いします。
 また、中央省庁の再編に伴い、許認可の申請については、その内容により中央省庁と地方出先機関に分類して提出する仕組みになるように仄聞いたしておりますが、これでは地方分権に逆行することになります。この際、地方出先機関の廃止も含め
て町村の事務処理が煩雑にならないよう特段のご高配をお願い致します。
 このほか、本年七月に期限切れとなります地方分権推進法につきましては、手つかずの財源問題、更なる権限の移譲、地方分権推進委員会の監視機能等の重要性にかんがみ、何らかの形で延長して頂きますようお願い申し上げます。
 次に市町村合併について申し上げます。
 現在国において進めようとしている市町村合併推進施策は、端的に申し上げて何のための合併か、その理念が欠けているように存じます。市町村合併を行うにあたっては、都道府県の在り方も含め、合併後どのような自治体が形成され、住民生活がどうなるのかなど、長期的な視野に立った理念が必要であります。昭和の大合併を振り返ると、中心部だけが栄え、周辺部は疲弊しているのが現状であります。このような現実の見直しもせず、また理念が不十分なまま合併を推進することは、現場の実態に目を背けたやり方と言わざるを得ません。
 市町村合併は、地方自治の根幹に係る最重要事項でありますので、市町村自らが十分に時間をかけて検討した上で判断すべきことであり、本来、国や県が主導して行うべきことではないと存じます。
 ただ、私どもは、合併そのものに反対しているわけではありません。条件が整えば、外部からの働きかけがなくとも町村は自主的な判断によって合併は進んでいくと申し上げているのであります。このためにも、自主的合併を行う地域の格差是正や懸念払拭のための行財政措置の更なる拡充を図るべきであると存じます。
 以上二点申し上げましたが、先生方におかれましては、何卒ご高配を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

▽宇都宮副会長発言要旨
 副会長の宇都宮でございます。私も2点について申し上げます。
 初めに、町村の税財源について申し上げます。
 昨年来、地方交付税の見直し論が各方面で論議されておりますが、政府の審議会においては、一部委員が地方交付税を縮減すべきとの意見を声高に主張しているやに伺っております。財源に悩みながら、地域住民の付託に応える施策の展開を期して日夜尽力しております私ども町村長といたしましては、甚だ遺憾であります。国が枠組みを決め、市町村が下請け的に行っている事務事業も数多く、言わば、その必要経費を地方へ支払うべきことは当然であり、地方があげた収益が中央に本社がある故をもって本社の収益に申告されていることを考慮すると、中央から地方へ還流することは当然のことであります。私ども町村にとって、かけがえのない財源である地方交付税については、今後ともその制度を堅持して頂きますようお願いいたします。
 先程、山本会長のあいさつの中にもありましたが、ご承知のとおり町村は国土面積の7割を占め、国土保全など重要な国家的役割を果たしております。先に林野庁が公表した森林の公益的機能の評価額は年間75円という大きさであります。
 しかしながら近年、木材価格の低迷や担い手の減少等により山は荒れ、私の隣のあの四万十川の清流も毎年悪化が懸念される状況にあります。
 この際申し上げさせていただきますが、現行の地方交付税の算定において森林面積は補正係数として考慮をしているにすぎません。そこで国土管理に果たしている町村の役割を十分考慮して頂き、たとえば森林、田畑面積等を普通交付税算定の指標とする等、国土保全対策に係る経費を一層充実して頂きますようお願いいたします。
 また、将来的には国土保全に対する町村の支出をまかなうため、町村の面積等に応じた必要かつ十分な財政措置をお考え頂きたいと存じます。
 次に、介護保険制度について申し上げます。
 介護保険制度の運営に関し、種々ご配慮を頂き感謝いたしているところでありますが、制度がスタートして1年、今なお解決すべき課題が山積いたしております。
 特に、本年10月から保険料が現在の半額から通常の額になりますと、被保険者の関心度が高まり、様々な意見、要望が提起されてくると存じます。先生方におかれましては、制度の円滑な運営のための万全の措置を講じて頂くようお願いいたします。
22%にまで上昇します。
 今後それぞれの市町村は、さらに知恵を絞り工夫をこらして制度を運営していかなければなりません。そのためにも、国の負担金については25%を確実に確保し、調整交付金5%は25%外枠で設けていただきたいと存じます。
 また、低所得者についての総合的な対策については、これまでもお願いいたしているところでありますが、保険料及び1割の利用料について減免措置を講じるとともに、同措置にかかる国、都道府県による財政補填制度を創設するなどの施策を講じていただきますようお願いいたします。
 以上、2点について申し上げましたが、先程、山本会長の挨拶にもありました愛媛県の水産高校の件でありますが、私は宇和島市の隣町の町長であります。この件につきましては県民あげて遺憾の意を表し不安を感じているところであります。
 その後、政府のとっていただいた措置につきましては非常に感謝しておりますが、未だに9名の行方不明者がいるわけで、先般ロボット探査によって船体の確認がされたところでありますが、是非とも行方不明者の捜索を打ちきりにせず今後も引き続いてやっていただくとともに、船体の引き上げにつきましてアメリカ政府に強く要請をしていただくようよろしくお願いいたします。

▽古賀幹事長発言
 時間もありませんので、私からは有明の海苔とえひめ丸の件につきまして一言申し上げておきます。これらにつきましては政府と党が一体となって取り組み全力でバックアップしたい。皆さんの要請に応えられるよう全力を尽くしたいと考えております。
 また、山本会長からお話のありました都市と町村の問題につきましては大変大事な問題であると思っています。都市部の様々な政策も大事でありますが、地方あっての我が国の国土であります。また20世紀後半の繁栄と成長の中で、一極集中という負の遺産をどう解決していくかということこそ我々政権政党に与えられた大きな課題であるということは十分に認識しております。そうした中で出てきた様々な政策につきまして私どもは政調を中心として全力を尽くして国民の付託に応えていくということではなかろうかと思っております。総括的に一言だけつけ加えさせて頂きました。

 このあと、本会役員の野中理事から次のとおり発言が行われた。
▽野中理事発言
 まず、農村問題についてでありますが、農地と山林の相続のあり方について考えていただきたい。都市の人たちと同じような考え方では農地や山林を相続する人はいなくなってしまう。農山村の相続がしやすいようなシステムを考えてやらないと日本の農村は崩壊する。
 もう一つは介護保険について、弱者である低所得対策は重要でありますが、矛盾を感じるのは所得はないが資産のたくさんある人がいる。こういう人たちを行政は所得がないということで面倒を見るが、こういう人たちが死亡した後で都会にいる肉親たちが財産処分をして金だけ持っていってしまうということが多々ある。真の意味での低所得者対策についても十分に検討してほしい。
 さらに、障害者と養護施設の問題ですが、年金と措置費とのあり方を根本的に考え直さないと、障害者が貰う年金はほとんど家族の人が使ってしまっている。障害者とか特養老人ホーム等については年金をそこに全部入れてしまうというような処理をしないと問題が残ると思いますのでお願いしておきたい。

▽鈴木総務局長発言
 ただいまの提言は大変重要な問題でありますので政調会長にも伝えて全力で取り組んでまいりたい。 

◯全国町村会の出席役員
 会長  山本文男(福岡県添田町長)
 副会長 西田耕豊(石川県川北町長)
     宇都宮象一(愛媛県宇和町長)
 理事  関根重男(岩手県種市町長)
     高橋雄七(秋田県角館町長)
     高橋 伝(福島県北塩原村長)
     針ヶ谷照夫(群馬県板倉町長)
     田中隼人(山梨県増穂町長)
     赤星亮一(福井県今庄町長)
     櫻井泰次(静岡県河津町長)
     塚田武士(愛知県旭町長)
     野中一二三(京都府園部町長)
     藤本道生(岡山県和気町長)
     江原 清(山口県日置町長)
     野島民雄(高知県香北町長)
     松本和夫(佐賀県北方町長)
     冨永清次(熊本県菊陽町長)

◯自由民主党の出席幹部
 幹事長    古賀 誠
 総務会長   村岡兼造
 政務調査会長 亀井静香
 組織本部長  牧野隆守
 総務局長   鈴木宗男
 団体総局長  宮路和明
 総務部会長  荒井広幸
 地方自治関係団体委員長 嘉数知賢


全国町村会の活動状況
バックナンバー
平成29年度
平成28年度
平成27年度
平成26年度
平成25年度
平成24年度
平成23年度
平成22年度
平成21年度
平成20年度
平成19年度
平成18年度
平成17年度
平成16年度
平成15年度
平成14年度
平成13年度
平成12年度