全国町村会

地方六団体・三位一体の改革に関する緊急決議を決定

 

 全国町村会をはじめ地方六団体は、5月23日、「三位一体の改革に関する緊急決議」を決定しました。(PDFファイルで一括ダウンロード



三位一体の改革に関する緊急決議

                                         平成15年5月23日 
 
                                 全国知事会 
                                 全国都道府県議会議長会 
                                 全国市長会 
                                 全国市議会議長会 
                                 全国町村会 
                                 全国町村議会議長会 

 三位一体の改革については、政府の経済財政諮問会議において改革案が6月に取りまとめられることとされ、地方分権改革推進会議では、地方交付税制度を廃止し交付税の法定率分を地方共同税(仮称)に再構成することなどを内容とする試案が提出され、今まさに改革の基本的な方向が議論され取りまとめられようとしている。
 地方六団体として、こうした改革の議論の方向について基本的な疑問を強く抱くに至り、ここに緊急決議を行うこととした。

 平成11年の地方分権一括法案の国会審議において、第1次分権改革に残された課題として、衆議院において「国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、(中略)必要な措置を講ずるものとする。」との附則が修正、追加されており、また、参議院の行財政改革・税制等に関する特別委員会においても、地方税財源充実確保策について、地方における歳出規模と地方税収との乖離を縮小する観点から抜本的な検討を行うことを趣旨とする附帯決議がなされた。
 さらに、平成13年6月の地方分権推進委員会の最終報告においても、「第2次分権改革の始動に向けて」として、地方税財源の充実確保方策についての提言がなされた。
 
 地方分権改革推進会議においては、役割分担に応じた地方税財源の充実強化は国、地方の共通の課題であるとされてきたこれまでの分権改革の経緯を尊重し、小委員長試案を撤回し、別紙に示す地方六団体の三位一体の改革に関する基本的考え方を踏まえ、地方税財源を充実強化する分権改革の方向付けを行うことにより、我々が真に望んでいる地方分権の推進の視点に立った三位一体の改革を推進されるよう、緊急に決議する。


(別紙)

 三位一体の改革に関する基本的考え方
 

1 今後の地方税財政制度の基本的なあり方

  現下の地方財政が直面している危機の原因は、バブル経済崩壊後の景気後退期における税の自然減収に加え、景気回復のための経済対策として実施された、国税・地方税を併せた政策減税、毎年度多額に上る公共事業や地方単独事業の追加など国・地方を通じた経済財政運営の結果と受け止めるべきものである。
  このため、今後一層の地方分権を進めるためにも、地方財政として国と地方の役割分担に応じた地方税及びこれを補完する地方交付税を確保していくことが必要である。
  また、現下の国・地方を通じる危機的財政状況を解決し、地方財政が自主・自立を基調に持続可能な財政運営を確立するため、現下の経済情勢に即応しつつ、財政構造改革を適切に進めていくことが必要である。

  地方財政計画の策定を通じた財源保障制度は、単に地方交付税総額を確保するだけのものではなく、その前提として必要な地方税総額を確保するとともに、国の予算に関連する支出、これに直接関連はしないが国民福祉に関わる支出水準、福祉、教育、治安など基本的な行政の標準的な水準(国民福祉のシビルミニマム)を確保していくものであり、財源保障機能を廃止・縮小することは単に地方財政の運営を困難にするだけでなく、地方団体が担当している国民・住民の生活水準を維持する機能を果たせなくすることになるものである。したがって、地方財政計画の策定を通じた財源保障制度は、堅持される必要がある。


2 三位一体改革のあり方

  基本方針2002(平成14年6月25日閣議決定)に基づく三位一体改革(地方行財政改革)に当たっては、分権型社会に相応しい地方財政秩序を構築する観点を重視し、第一次分権改革に残された最大の課題である、国と地方の役割分担に応じた、税源移譲等による地方税財源の充実強化を三位一体改革の基軸とすべきである。

3 税源移譲等による地方税財源の充実強化

(1) 分権型社会に相応しい地方財政秩序を構築するため、国と地方の役割分担に応じた地方税体系が構築されるべきである。

(2) 地方税は地方分権の理念に即し応益原則に基づく租税、また、地域間の偏在が小さく景気の変動による税収への影響が小さい租税を中心に構成するとともに、三位一体改革に当たっては、基幹的税目の再配分を基本として税源移譲等による地方税財源の充実強化を図るべきである。

(3) 地方消費税は地方分権を支える地方独立税として導入され今後も基幹的な地方税として期待されているものであり、地方共同税(仮称)に統合することは地方分権を後退させ税源移譲に逆行するものであり、反対である。

(4) 等しい負担能力のある人には等しい負担を求めるという公平の原則は地方税制度を考えるに当たっても最も重要な税制の基本原則であり、地域の経済力の格差により住民負担が大幅に異なるようなことはあってはならない。

(5) 地方における課税自主権は、それぞれの地域性や課題に沿って 受益と負担の関係が明確に判断できる範囲で活用されるべきであ る。

4 地方交付税

(1) 国が地方団体に一定の行政水準の確保を求める仕組みが採られている中で、地方交付税制度は、地方財政計画の策定を通じて、地方に対しマクロとしての財源保障を行う一方で、各団体ごとに地方税収等でまかなえない財源不足額を交付することにより、ミクロとしての財源保障と財源調整を併せて果たす財政調整制度であり、分権型社会にあっても、地方交付税制度を堅持し、地方税と地方交付税を併せ必要な一般財源総額が確保される必要がある。

(2) 税源移譲等による地方税財源の充実確保が行われても、税源が偏在することから、地方団体間の財政力格差が一層拡大することは避けられない。このため、地方税と地方交付税を併せた財源確保が図られ、その上で財源調整機能が発揮される必要がある。

(3) 交付税の法定率分を地方共同税(仮称)に、地方財政対策による上乗せ部分を財政調整交付金(仮称)に再構成し財政調整交付金(仮称)を定率で削減する案が示されているが、地方財政調整制度の基幹的な部分を国が手当てしない仕組みとすることは、地方自治制度に対する国の責任放棄であり、また、上乗せ部分は必要な交付税総額を確保するため制度的に交付税として確保されているものであり、何の根拠もなしに法定率分に限定することは形式だけを捉えて単に地方財源を削減しようとするだけのものであると言わざるを得ず、このような案は到底受け入れることはできない。

(4) 地方共同税(仮称)は都道府県を課税主体とし市町村には都道府県が税収の一定割合を交付する仕組みとされているが、地方財政調整は基本的な国の機能であって都道府県がこうした機能を果たすことは現状では適切とは考えられず、また、分権型社会における都道府県と市町村の関係になじまないものとなり制度として合意が得られない。

(5) 臨時財政対策債(赤字地方債)は交付税財源の不足を補うため、将来の地方税・地方交付税併せた一般財源を担保として発行されるものであり、臨時財政対策債の元利償還金に対する交付税措置を廃止することは現在及び将来における国の財源保障責任を放棄するものであり、反対である。

5 国庫補助負担金

  国庫補助負担金の廃止・縮減は三位一体改革を左右するものであり、国と地方の役割分担を見直し、国庫補助負担金を廃止・縮減し必要最小限の範囲のものとするとともに、廃止・縮減に伴い地方に必要となる財源は地方への税源移譲を同時に行うことにより確保すべきである。

6 地方行財政改革の推進

(1) 「地方にできることは地方に委ねる」との原則に基づき、国と地方の事務・事業のあり方を見直し、事務・事業の移譲がさらに推進されるべきである。

(2) 現下の危機的な財政状況の下で住民の負託に応えていくため地方行財政改革に積極的に取り組む所存である。

 

 

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