全国町村会

 
地方分権推進総決起大会を開催

〜真の三位一体の改革実現のために1万人が集結〜




 全国町村会など地方六団体で構成する地方自治確立対策協議会は、11月17日、東京都千代田区の日本武道館で「地方分権推進総決起大会」を開催しました。会場には全国の首長や地方議会議員など関係者約1万人が参加しました。

 この総決起大会は、地方六団体の総力を結集して、地域住民の生活を守る真の三位一体の改革を実現し、本格的な地方分権を推進するために開催したものです。
 来賓には、内閣総理大臣代理・山崎正昭内閣官房副長官、麻生太郎総務大臣、今井宏総務副大臣、松本純総務大臣政務官をはじめ、多くの国会議員が臨席しました。

 総決起大会では、政府が11月中に取りまとめる三位一体改革の全体像に、地方の改革案を確実に盛り込むことなどを求める緊急決議を満場一致で採択しました。
 また、三位一体の改革を実現し、地方分権を推進することを目的とし、全国の地方六団体代表者で構成される「地方分権推進連盟」の創設が提案され、満場の賛成を得て発足しました。

 このほか、大会終了後には、地方六団体の会長が、細田内閣官房長官、武部自民党幹事長らに対し、緊急決議の実現に向けた実行運動を行いました。さらに都道府県ごとに分かれた参加者が一斉に地元選出の国会議員などに対し強力な実行運動を展開しました。




山本文男全国町村会長  

  山本文男全国町村会長(福岡県添田町長)は、「地方分権改革の推進に関する緊急決議(案)」の提案を行い、満場の拍手とともに緊急決議が採択されました。 
 

 

地方分権改革の推進に関する緊急決議


 我々地方六団体は、政府の要請に応え「小異を捨て大同につく」という観点に立ち、一致結束して「国庫補助負担金等に関する改革案」を取りまとめた。
 我々が進めている地方分権改革の推進は、過度に中央に集中している権限・財源を、情報公開・住民参加が進んでいる地方公共団体に移し、地域ニーズに応じた、多様で透明性の高い住民サービスが提供できる体制を確立するとともに、全体として国と地方を通じての行財政のスリム化を図ることにつながるものである。
 地方改革案提出後、10月28日、所管府省が内閣官房等に提出した代替案の内容は、現行の国庫補助負担金を維持するゼロ回答、交付金化、補助率の引下げといった、地方改革案とは程遠い内容となっている。

 また「国と地方の協議の場」での協議の過程では、地方交付税等、を7.8兆円も削減するという国と地方の信頼関係を根本から覆すような提案が示されているこれは平成16年度に地方交付税等が2.9兆円も削減され、地方の予算編成は大混乱し危機的な状況に陥らせたことへの反省もなく地方財政の実態を理解しない一方的なもので断固応じ得ないものである。

 よって、政府においては、11月半ばを目途に取りまとめることとしている三位一体改革の全体像に地方改革案を確実に盛り込むとともに、真の地方分権改革の推進を図るため下記事項を実現するよう強く要請する。

                         記

一 補助金改革と税源移譲の一体的、確実な実施
(一)地方六団体の改革案を真摯に受け止め、国庫補助負担金の廃止(3.2兆円)と概ね3兆円規模の確実な税源移譲を一体的に実施すること。
(二) 平成16年度に措置された所得譲与税と税源移譲予定特例交付金(総額約6,500億円)は3兆円とは別枠で実施すること。
(三) 平成18年度までに、基幹税である所得税から個人住民税への移譲を確実に実施すること。

二 地方交付税による確実な財源措置
(一)地方交付税は、地方の固有財源であり、一部で主張されているような地方交付税等の大幅な削減は、国と地方の信頼関係を著しく損なうものであり、地方財政運営や住民サービスに重大な支障をきたすことから断じて容認できないこと。
  特に、地方財政計画歳出と決算の乖離については、投資的経費と経常的経費を一体的に全体として乖離の是正を検討すべきであり、一方的な削減は絶対に認められないこと。
(二)税源移譲に伴い財政力格差が拡大するので、地方交付税の財源調整、財源保障を強化して対応する必要があり、地方財政全体としても、個別の地方公共団体においても、地方交付税の所要額を必ず確保すること。
(三)税源移譲が行われても、移譲額が国庫補助負担金廃止に伴い財源措置すべき額に満たない地方公共団体に対しては、地方交付税の算定等を通じて確実に財源措置を行うこと。
(四)所得税から個人住民税への税源移譲に伴う地方交付税の法定率分の減少額については、交付税率の引上げにより確保すること。

三 国庫補助負担率の引下げ等負担転嫁の排除
(一)生活保護費や児童扶養手当の給付に係る国庫負担率の引き下げや、国民健康保険に係る国庫負担率を引き下げて新たに都道府県に負担させることは、三位一体の改革とは無関係の単なる地方への負担転嫁であり、絶対に行うべきでないこと。
(二) 複数の補助金の統合や交付金化は、国に権限と財源を残し、税源移譲にもつながらないものであり、認められないこと。
(三) 公共事業については、国債を財源としていても、その償還は国税で賄われていることに鑑み、例外なく、移譲対象補助金について、確実に税源移譲を実施すること。
  また、廃棄物処理施設、公立学校施設、社会福祉施設、公営住宅等の施設整備事業については、その全額を税源移譲すること。

四 国による関与・規制の見直し
 地方の自由度を高め自主性を大幅に拡大するため、国庫補助負担金改革に併せて、国による地方自治への関与・規制の撤廃に取り組むこと。

五 地方六団体との継続的な協議の実施
 三位一体の改革に関する政府案の決定に当たっては「国と地方の協議の場」において協議の上、地方六団体の意見を十分反映したものとすること。また、地方交付税や地方財政計画の改革に当たっては、地方六団体の代表が出席する場において協議すること。

六 第2期改革の必要性
 平成19年度以降も改革を迅速かつ着実に実施していく必要があるため、第2期改革の必要性及びその具体的な内容を早期に明らかにすること。


以上、決議する。
平成16年11月17日

                               地方自治確立対策協議会
                                全 国 知 事 会
                                全国都道府県議会議長会
                                全 国 市 長 会
                                全国市議会議長会
                                全 国 町 村 会
                                全国町村議会議長会

 

 主催者を代表して挨拶にたった梶原拓全国知事会長(岐阜県知事)【写真左】は、「本大会は、従来の陳情・要望の決起大会をこえて『地方から日本を変える』、『地域に自由を市民に権利を』を取り戻す、平成の自由民権運動、平成維新の総決起大会である。国が我々の信頼を裏切るようなことがあれば、断固として立ち上がり、闘う『地方一揆』の実行を宣言する。」と述べました。

 

 来賓には、内閣総理大臣の代理として山崎正昭内閣官房副長官、倉田寛之参議院議長、総務大臣代理として山口俊一総務副大臣が出席し、挨拶が述べられました。


内閣総理大臣代理・内閣官房副長官
                    山崎 正昭

 地方分権推進総決起大会にあたり一言ご挨拶申し上げます。
 日頃から地域社会の発展と住民福祉の向上にご尽力頂き敬意を表します。本年は相次ぐ台風や新潟県中越地震により多くの方が被害に遭われました。亡くなられた方のご冥福をお祈りいたしますとともに、被害に遭われた方に心からお見舞い申し上げます。また、現場で救助にあたられている職員やボランティアの方々に心から経緯を表します。
 政府といたしましては、被災者生活再建支援法の積極的活用や激甚災害の速やかな指定など被災者に対する支援や被災地の復旧、復興に力を入れて参ります。また、高齢者等の救援体制の改善など防災対策の強化や水害および土砂対策の国と地方そしてボランティアの方々など、民間と一体となった災害に強い国造りに努めて参ります。政府は「改革なくして成長なし」との方針のもと、引き続き抜本的な構造改革に邁進して参ります。
 地方分権についても「地方にできることは地方に」との原則に基づき一層の推進を図ります。
 地方財政につきましては、地方の財源と権限を大幅に拡大する方向で三位一体改革の改革を進めます。先月28日には各府省から、地方の改革案に対する検討結果が提出されましたが、政府としては、地方案を真摯に受け止め、改革の実現に向けて精力的に調整を行っております。今後とも皆様方のご意見を賜りながら与党側と調整を進め、三位一体の改革の全体像を年内に決定いたします。地方分権を推進し構造改革を進めるためにも、市町村合併により効率的な行政運営と行財政能力の強化を図ることが必要です。都道府県においても健全な財政基盤の確立、組織機構の見直しと地方分権の時代を担うにふさわしい行政体制の整備確立に向けてご努力をいただきたいと思います。
 最後にそれぞれの自治体に住む人々が地域に誇りと愛着を持ち、個性的で活力ある地域づくりに皆様方が今後とも取り組まれることを今後とも期待しより一層のご活躍を心から祈念いたします。

 


総務大臣 麻生 太郎

 地方分権推進総決起大会が開催されるにあたり全国から大勢の方が武道館にお集まり頂き、このような大会を開かれる背景につきましては多分一番理解していると思っております。
 まず最初に、本年は新潟県中越地震に限らず多くの災害に見舞われました。通常、台風が上陸するのは3回と言われています。過去は6回が最高でしたが本年は10回です。そのうち8回は徳島県に上陸しています。徳島県のほか多くの地域が多大な被害を被りました。新潟県中越地震の死者は40名ですが、台風23号の死者は90名と倍以上です。
 被害を受けた地域の皆様は普段と違う業務をされていますが、皆様方のご尽力により着実に回復しつつあることに関して、心より敬意を表するとともに私ども総務省として、多方面にわたって交付税などで支援していこうと思っております。
 さて、さる8月24日、政府の要請によりまして皆様方から補助金改革の具体案を出していただきました。市町村、知事会などそれぞれの中でいろいろな意見があったかと思いますが、大同につくということで3,000に及ぶ都道府県市町村が団結された意義は極めて重いと思います。また、この補助金改革案につきましては、政府ではなく皆様方がこの補助金は要らないということをまとめたということは、これまでにない画期的な手法であったと思っております。三位一体の中で最初に税源移譲を申し上げた上で進めたことは、三すくみとこれまで言われたいた中でその意義は極めて大きかったと思います。
 小泉総理が何度となく繰り返す、「地方の提案を真摯に受け止める」ということが着実に実行されるよう全力を挙げなければと思っております。
 特に、市町村、中でも財政力の弱い町村におきましては、補助金削減に伴う地方税の受取額が従来の補助金を大幅に下回るところがかなりの数になろうかと思います。その差額について補助金は返上したのに地方税が半分も戻ってこなった時どうするのかということが、町村を経営しておられる首長さんにとっては最大の関心事ではないかと思います。
 従いまして、この問題につきましては、交付税の総額をきちんと確保した上で地方交付税等においてその財源手当をしていくということでなければ、町村としては納得のいかないところだと思っております。こういう話を易しく話をするのはなかなか難しい。しかしこの話を理解している人は少ない。首長さんは責任者だから理解されていますが、後ろに立っている新聞記者は分からずに書いているものだから、分からない人が書いている記事を読んだ人はまたさらに分からないということになる。これは深刻な問題なのだということを皆さんはもっとはっきりと申し上げなければならないと常日頃思っておりますが、本日このような形で大勢の方が集まって頂いて、私も今まで孤立無援だったけれどもここに来て初めて、何となく梶原さんもいい顔だなと思えて、やる気を与えて頂いて感謝を申し上げる次第です。
 いずれにしましても、いま目標としてやっておりますのが17、18年度の改革でありますが、19年度以降も中長期的に考えていかなければならないと思いますが、取り急ぎ私どもとしては、17、18年度中でも17年度の予算をいかに組むかと言うことが最大の問題だと思っております。中長期的には、(地方交付税の)国税5税の法定率について考えていかねばならないと思っております。残された時間は極めて限られております。しかも予算の編成が目前にひかえております。私どもといたしましては決着を急がねばならないと思っておりますが、いま出されております問題は、廃藩置県で中央集権国家になって以来、地方分権一括法で大きくハンドルを切り、そしてそれを裏付ける財政をいま、まさに皆さんと一緒にこの問題をどう解決するか、今後の地方分権における最大の問題だと理解しております。
 皆さんと共にこの問題を解決し、もって日本という国の形が、我々はあの改革をやってよかったというような結果を出さねばならぬと思っておりますので、皆様方のお力添えを心から期待申し上げあいさつに返させて頂きます。ありがとうございました。











大会関係資料

次 第【PDF】

地方分権の推進に関する緊急決議【PDF】

地方分権推進連盟規約【PDF】


大会終了後、地方六団体代表が実行運動を展開


細田内閣官房長官(左)・石原副会長(香川県三木町長)(右から2人目)


山本会長(左から2人目)・武部自民党幹事長(右)


久間自民党総務会長(左)・石原副会長(右)


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